尻拭いはほどほどに
ギルドが所有している高速の移動手段で半日ほどかけて目的の場所に向かう、移動中に依頼書を眺める、内容は元部下が立てこもりをしているのでそれを解決しないといけないようだ。
「え、なんで? めんど」
「依頼人をご確認ください」
「………えぇ、またぁ」
依頼主の所には国の捺印がしてあった、これはもうお前が責任をとってちゃんと始末しろという事だろうか、とにかくコレも断ることができない仕事になっている。
もう逃げ出したい気持ちでいっぱいだが元教え子が引き起こしたらしい事件なので行くしかない、もはや気持ちは月曜日の朝のように憂鬱だ。
「で、ココが件の場所ね」
「はい」
到着したのは国境近くの小さな町だ、そこの飲食店に立てこもっているようだ。
「……君は、何者かね?」
飲食店から少し離れた場所にテントが建てられおり、そこに複数の人が集まっていた、同じような服装の人間が多いので恐らく現地の警察組織の者が集まっているのだろう、そんな中に呼び出されたので場違い感が出ている。
「私は、アレを作った者だ」
「貴女が?」
厳つい顔の大人たちがいきなり現れたユウキに対して本当に約に立つのか疑わしい視線が集まる。
「あ、アーノイド教官じゃないですか!」
「おお、久しぶり、でももう私は教官じゃないよ」
現地人の中から見知った顔が出てきた、確か貴族で領地を守るために鍛える場所として軍の訓練を受けていた軍人の1人だ、訓練を十分に受けたので領地運営に戻っていたようだがまさかこんな所で再開するとは思っていなかった。
「旧友の説得でもダメだったか」
「いやぁ、当時も特に絡んだ事がなくて、実は名前を見てもピンとこなかったんですよ」
確かに性別も違うので1年程の期間しかなかったのだ、軽く挨拶は交わせる間柄になっていたとしてもその先まで行くにはまだまだ時間が必要だったのだろう。
「なるほどね、じゃあ私が何とかしてくるよ」
「お願いします」
「全員、整列! これより点呼をとる!」
以前教えていた隊員達の名前を思い出してみる、久しぶりだが案外覚えているもので、途中で辞めて行った者や途中で編成された隊員も覚えていた、確かユウキが出て行った後に編成されたらしい小隊の
隊長をしていたそうなのでその隊員達の名前を呼んでいく。
「…………………………………みんな、死にました」
か細くもしっかりとした声がかえってきた。
たまたま同じ学年だったってだけどとあまり知らないやつ




