今所の本当の姿
ミルシアの旅行も終わり、街に帰ってくると肉屋のエルフの人がやってきた。
「あ、ユウキちゃんできたわよ」
「何がです、もしかして時間移動装置?」
「そうなの、時間って複雑で単純だったからきっかけがあれば簡単に作れる事がわかったの、でも材料が材料だから量産は難しいんだけどね」
「そうなんですね、これでユーフェミアを元の時代に戻せますね」
「それじゃあさっそく」
「あちょっと待ってほしい、です」
「ん、どうしたの?」
「最後にお願いだけ聞いてほしいんですが……」
「いいよ、どんなあお願い?」
「ありがとうございます、あのお母様の今現在の本当の姿を見てみたいです!」
「そういえばユウキの本当の姿とやらは見たことがありませんわね」
「確かにそうだね」
「確かに見てたいわ」
「そっちも?」
ユウキの本当の姿という事で肉屋のエルフの人も興味が出たようだ。
「それじゃあ、えーっと何となくなんだけども、広い所にいかないといけないかな」
「じゃああの山にしましょうか」
エルフの人が街の外にある山を指さす、あそこなら大丈夫だろう。
みんなワクワクしていたのか足取りが早く早々に山の開けた場所に到着した。
「そういえば私も知らなかったな」
以前に少しだけ本当の姿を出そうとした時は手だけだったので、ユウキ自身も今はどんな姿をしているのか気になってきた。
「じゃあいくよ」
ここには女性陣しかいないので服は全部脱いでおく、人の形に押し込めていた力を徐々に緩めていく、一気に解放すると痛みがあったのでゆっくり慣らすように緩めていく。
人の姿から徐々に巨大になっていき龍の形へと変貌していく、その大きさはフィアの元々の大きさの倍以上はある程になった。
「……どうかな?」
ユウキの問いかけに対して返事がない、そんなに変な物かと頭頂部から触手を伸ばしてその先に目玉を生成し自分の全体像を見てみる。
「……思ったより龍じゃん」
この体になった時はユウキの母が核になった巨大な肉の塊のキメラだったが今の姿をそれを龍の形に収めたて整えた感じだ、よく見てみると以前に取り込んだ動物やらちぎれて出鱈目にくっついるのが見える。
「戻るよー」
ユウキがそういうとみんなが首を激しく上下させた、ユウキ自身のこの姿はあまりお気に召さなかったので早々に元の人の姿に変身する。
(ユウキちょっとこっち来てじっとしてて)
(なによ……)
もう1人のユウキの方も本当の姿を見て気分が優れないようだ、しかしそんな事はどうでも良く、もう1人のユウキの姿をしっかりと見ながら人の形に変えていく、やはり巨大な全長から人の形まで収めるにはかなりの時間を要したが何とか人の姿に変身できた。
脱ぎ捨てた服を着なおしてみんな所に戻る、やはりもう1人のユウキと同様に本調子でなくなったようだ。
(あれは酷いな……)
(私アレの一部だったんですか……)
(アレはどっちかというと失敗作の方向よね……)
(すこしそっとしておいてくれ……)
(……酷くね?)
本当の姿はフィア達にも不評なようだ。
ユウキの本当の姿を見た探索者は成功で1D20、失敗で2D50でお願いします、またユウキに好意または友好的な探索者は振るダイスを1つ追加してください。




