定められた終わり
「貴女だけって、それじゃあずっと1人でいましたの?」
「はい、私はココの物ですから」
「他の所に行こうとは思わなかったですか?」
「他ですか? 私どもはそういった事はありませんよ」
「そうですか……」
ミルシアが声をかけるが無意味だと悟ったのか話を続けなかった。
「それでは続いての場所ですが、戦闘訓練場所です、今は利用者がいらっしゃらないので隅々まで見てみましょう」
一旦入り口近くまで戻ってから別の方向に向かう、戦闘訓練と言うだけあって厳重な扉を開けて中に入っていく、スムーズに開いた事からずっと整備し続けていたのだろう。
「そういやユーフェミアはココって知ってる?」
「いえ、初めて見ました」
「前泊まった所が未来だと有名らしいからこっちも知っているかと思っていたけどなぁ」
「そもそも太古の昔からしっかりと残っているのはあの宿だけですよ」
「そうなんだ、てっきりもっと残ってるものかと」
「そうですね、私もこんな施設が現存しているのが驚きですよ」
「ふむ……」
説明を聞きながらユーフェミアに確認をとってみる、流行と言うかこの施設は残ってなかった。
「以上で見学コースは終了になります、何か質問はありますか?」
とりあえずは太古ではかなり高い技術で作らており、全員理解できなかった様子だ。
「とりあえずハイ」
「はいどうぞ」
いくつか気になった事をしてみることにした。
「ここの清掃はどうやっているんですか?」
「清掃ですか、いつもクリーンの魔法を使用しておりますが?」
女性はなんでそんな当たり前の事を聞くのか困った表情をした、ユウキの今の時代にはそんな便利な魔法は存在していない。
「ココの施設のエネルギーはどうやっているんだ?」
「エネルギー系に関しては、この付近を通っている魔力の流れを使用しておりますので、この星が滅んだりしない限りは稼働と営業を続けさせていただいております」
「そうですか……」
ユウキが救うとはいえ、近い未来にこの星が滅びかける事をユーフェミアから聞いていたので恐らくその時に稼働を終了してしまうだろう。
「ここの管理権限を動かしたり、貴女をココから出して私的利用したい場合はどうすればいいんだ?
「………申し訳ございません、その質問に関しましては現状お答えする事が出来ません、申し訳ございません」
「みなさん、帰りますわよ」
ミルシアが興味を失ったとばかりに踵返して洞窟の出口に向かう、それにつれれて全員がぞろぞろと出ていく。
「どうしたのさ」
「アレは私の物にならないわ、ですので諦めましたのそれに行き過ぎた魔法と科学は区別がつかない、でしたわね」
「そ、そうだな」
こうして洞窟探索はお開きになった。




