遺跡に潜ってみた
「日中は遺跡に行きましょう?」
「遺跡、ミルシアの好きな?」
「ええ、ゴーレムが出土すれば、ですが、ここから少し行った所にまだ手を付けていない遺跡がありますの」
「そんな物がまだ残っていたの?」
遺跡のほとんどは既に踏破されてあらかた持ち去られたか強い魔物などが住み着いて調査できないといった場合しかなく、手付かずとわかれば即座に国やギルドが動き出すハズだ」
「簡単な事ですわ、私が見つけて無理言って私が調査できるように押し込めたものですわ」
「なるほどね……」
貴族ってなんでもアリなんだって思えた瞬間であった。
「ここがまだ未探索の遺跡になりますわ」
ミルシアに案内されて遺跡に到着した、というか裏手に封鎖されてあった。
「コレって良いの」
「もちろん貴族の特権ですわ」
「はえー、というか登録はしてるよね」
遺跡は発見次第報告して国やギルドで登録しないといけない、もし意図的に報告を怠っていれば遺跡の規模に応じて罰則が課せられる。
「もちろんしてませんわ、ココは表向きには未発見になってますわ、ま実際にこれが遺跡かどうかは不明ですからね、ただの洞窟の可能性がありますから」
「そんなもんかね」
「そんな物ですわ、とにかく入ってみましょう」
「へいへい」
当たり前のようにユウキを先頭にしてユーフェミア、ミルシア、マキナの順番で遺跡に入っていく、ミルシアの両隣には戦闘要員のメイドがしっかりと固めている。
「……これは遺跡だね」
中を進むと明らかに人工的に作られた通路が出て来た、これは明らかに遺跡と呼べるものだし現代では作ることができないものだろう。
「さ、お宝を見つけますわよ」
遺跡だと確定したおかげでミルシアのテンションは高くいまにもユウキを追い抜いて進んでいきそうだ。
「そうだね」
ミルシアがハイテンションになったおかげでユウキは冷静になりミルシアを制止させる、遺跡ができた当時には問題ないだろうが、現代で魔物が住み着いていたり遺跡のセキュリティが生きており探索に来た人を撃退しようと動き出す事だってある、とにかく危険な事には変わりがない。
浮足立っているミルシアとユーフェミアと対照的にユウキとマキナは警戒心を最大にして進んでいる。
(何も住み着いていませんように、システムとか諸々機能していませんように)
何も無いように祈っていると先日宿泊した遺跡の宿を思い出して嫌な予感を感じた。
「いらっしゃいませ」
進んでいくと流暢な言葉使いで妙齢の女性が迎えいれてきた、もちろんこの程度で警戒心を落とす程じゃない。
今回に「妙齢の女性」と表現してみたのですが、
いちおう意味を調べてみたら若いって意味だったんですね。
いままで初老かもう少し年齢が高い人のイメージがあったんですが逆で覚えていたみたいです。




