ゴーレムの知らない進化
翌日……。
「さぁ、いきましょうか」
「早くね?」
早朝の太陽が出始めた時間にミルシアの従者に起こされると目の前にミルシアがいた。
「好きな物は自然とやる気が出るものですわ」
「なるほどね、準備はすぐにできるからちょっと待っててね」
「わかっていますわ、馬車で待っていますからごゆっくり」
急ぎぎみでマキナとユーフェミアを叩き起こして準備を済ませる、依頼で長期に出るようの荷物を引っ張り出してミルシアが待っている馬車まで向かう。
「お待ちしてましたわ、随分慌てた見たいですね」
「まあね」
2人には顔に水をぶっかけて強制的に目を覚まさせて連れてきた、マキナはまだ眠いようでまだ面倒くさそうだが、ユーフェミアは目を覚ましてワクワクしていた。
「私の時代だと人気過ぎて20年待ちとかだったのでまだ行った事がなかったので楽しみです」
「未来でも人気なのね」
「はい、旅行といえばまずソコなんですよ、実母から聞いていたので予約しているんですが、私の時代だとまだあと5年待ちなんですよ」
「まじかぁ、この時代だと昨日行くって決めただけで行けるんだけどなぁ……」
「という事はこの時代ではまだ有名になってないのですか?」
「そうだね」
「なんと、それではこの時代に来た意義が十分にありますね!」
「……マキナの言っていた通り、比べてみると確かに全然違いますね」
「「そう?」ですか?」
親族なだけあって同じ声で綺麗にそろっていた。
「そうね、顔や声はほとんど一緒ですがユーフェミアはユウキに比べてやる気に満ちている感じで妹っぽい感じがありますの、逆にユウキはやる気が無いように見えて姉っぽい感じですわね」
「あーね」
確かにユーフェミアとユウキは親子というよりかは姉妹の方がしっくりくる。
「そういえば馬車変わった?」
「ええ、外装はあまり変わってないですが内部の機構を随分変更しましたの」
「へー」
「この馬車の車輪部分をゴーレムで作りましたの、そしたら効果は抜群でこうして少ない揺れになりましたし、移動する速度もかなり早くなりましたの」
「すごいな、確かにゴーレムは人の形をしている必要ないもんな」
「……っ確かにそうですわね、っという事は貴女知っていますのね」
「まぁね、例えば龍の形でもしていれば相手を威嚇したり戦意を喪失させられるだろうしね、それに図体が大きいからいろいろ機能が乗せられるだろうし」
「つまりこのゴーレムの馬車は既に知っていたと?」
「そうだね、そもそもゴーレムで作るなら馬いらないんじゃないかな?」
「そうですわね……」
それからミルシアは顎に手を当てて考え始める、それからある程度まとまってきたのか紙を取り出してメモをとり始める、この状態では話しかけない方が良いだろう。
マキナは馬車の揺れが丁度よかったのかすっかり熟睡しており、ユーフェミアは外の景色を眺めていた、ミルシアは必至に物書きをしておりユウキは暇になってしまった。
「……二度寝しよ」
マキナはユウキが近くにいると安心するので眠くなります。




