森訓練3
「そもそも基本的に生で食べない事、最低でも洗って食べる事」
奇襲しよう思って近づいたら処理をしていない生物を食べようとしていたので制止させるために姿を現す。
「燃やせ!」
狙いは隊員ではなく、隊員が持っている魚だしっかりと中まで火を通して食べやすくする、こんがりといい匂いが隊員達の食欲を誘う。
「これなら食べていいですよ……、私の妨害をかいくぐれたらね」
魚を持っている隊員に接近して上に投げる。
「敵襲だぞ!」
ユウキが叫んで隊員達が戦闘の構えをとる。
「揺らせ」
わざと声に出して魔法を行使する、隊員達に何をするか説明代わりだ、おかげで飛ばされた人以外全員がその場で飛び上がって距離をとる。
「相手が私だからってためらうな、今は敵だ!」
次は全体に向かって石の礫で攻撃する、半分は反応して防いだり回避ができたようだが、残りの半分は被弾していた。
「今被弾した人は死んだも同然だぞ、次私から被弾して死亡判定が出たヤツは減給だ」
「え……」
「私から生き残ったら賞与じゃなくて昇給してやる、だから……本気で生き残れよ」
隊員達の顔が変わる、今回の訓練で給料がかかってしまったので本気にならざるをえない。
それからユウキが隊員達を攻撃していき死亡判定を増やしていく、弱い人から徐々に脱落していった、もちろん反撃は何度かあったがユウキにとっては大した事ないのでついでに処理してから死亡判定を下す。
ラクネラが効率の良い訓練をしていると言っても所詮訓練をしているだけの人間にユウキが遅れるわけがない。
「まぁこんなもんだよなぁ」
強さで言えば普通にギルドでも通用する物だがそれでも強い方の部類だ、将来は貴重な戦力の集団になってくれるだろう、いやできるようにしないといけない。
「キミはこの状況をどう見る」
「やっぱり隊長は強いっすね」
2時間ほどで残り1人になって簡単に追い込んでしまった。
「ところでさ」
「はい?」
隊員に抵抗する術がないのを確認してから交渉でも初めてみる。
「もしキミだけが減給を免れて昇給できるような話があるんだけどどうかな」
「マジっすか?!」
「今回の減給の分って別に1割とかじゃないんだよね、ちょっとだけ、昼食1回分くらいなんだけど、そのみんなから引いた分をキミに回そうじゃないか」
「それはお断りします、そんな昇給ってぜんぜんうれしくないっす」
即答だった、悩む事が一切なく答えてみせた。
「うん、正解、キミの行動によりキミ含めて全員の減給はナシにしようか」
勢いで減給と言ってしまったのでどうしようと思っていたが前世で読んだマンガを参考にして切り抜けた、ちなみにユウキに給料に関する権限を持っていないので減給や昇給をする事が一切できなかったりする。
「じゃあ終わり」
目の前の隊員をデコピンで死亡判定を下して森の訓練は終了した。
長くなりそうだったので早めに終わらせる事にしました




