絶対に満点を取らせないタイプ
「時間になりましたのでサバイバルの試験を終了します」
どこからともなく聞こえてきたアナウンスによりいつの間にか会場に戻された。
「これより筆記試験を開始します」
目の前には答案用紙が一枚とボールペンが一本あった。
「書き間違えたらやばいな、いや…」
そう呟き答案用紙に向かった。
筆記試験の問題の主な内容は日本で言うところの小学校低学年から中学年までの計算問題やこの国の名前などといった地理の問題などから、１０センチ×１０センチの四角の中に高さ１０センチの火柱をつくる魔法陣を書けやこの国における公式の貴族階級を２つ書けなどなど易しい問題から難しい問題まである。
「それでは筆記試験を終了します、新入生の皆さんは一時解散とします、１５時にもう一度ここに集まって下さい、それまでは自由時間になりますが食堂のある第一棟とここの会場以外は行かないようにお願いします、それでは解散してください」
放送がなると同時に答案用紙が浮き教壇の所に高速で回収され、それに伴い他の生徒もぞろぞろと移動を始めた。
「お母さ～ん食堂いこ～」
マキナが大声でこちらにくる、他の人間が驚いて振り向くので視線が集まる。
「さすがにこうゆう所でお母さんと呼ばれるのは恥ずかしいな」
「さ、いこお母さん」
「お、おう」
ユウキの願いはとどかなかったようだ。
特に行くとこも無く時間も時間なので、第一棟にある食堂へ向かった。
第一棟は今朝ユウキ達がいた保健室もあり学校の正門から一番近い５階建ての校舎だ、第一棟の一階のほとんどが食堂でかなり広く新入生やその保護者を全員入れてもまだまだ余裕の広さがある。
入口付近は人が多いので人の少ない少し奥の方の席に座ることにした。
「料理の味が…凄くビミョー」
「あーお母さん、ハズレを引いたんだね」
ユウキはマキナの適当な提案により【うまいかまずいかそんなもんやってみんと解らん！】という意味不明な料理を食べている。
それは食堂の料理長や料理人がいろいろな実験の意味をこめて作っている料理で当たりとハズレの差が激しいメニューで有名らしい、また実験の意味もあるので１日１０食限定販売しており値段はかなり安くそれでいて量が無駄にある、だが当たりハズレに関係なく量が多いため安易な気持ちで注文する時に一応忠告は受けていた、マキナ曰わく５０年以上前のマキナがいた時代からあるらしい。
マキナは普通にカツ丼を食べてた、だが運動系の部活用に一番大盛サイズでこのサイズのためにわざわざ容器を特注したほどで丼の直径が５０センチある、それをマキナはさも当たり前のように食べていた。
ゲテモノ料理と特大カツ丼を食べている女子2人のテーブルは傍目からすれば異様な光景に映る。
ユウキが食べている料理の詳細は各自のご想像にお任せします。
