まあこうするか
「ちょっと聞いてくるわ」
まだ距離があるので向かってくる中で一番手前に走ってきているミルアに近づく。
「何があったの?」
「やられました、私達の家族はみんなあの変な魔物に変えられてしまい、私達も変えられそうになって逃げている所です」
3人とも胸が大きいためあまり早く走れていないが、それを追いかけている魔物は走れていないので何とか逃げ切れているようだ。
「じゃああの家族だった物は見捨てるでいいんだな?」
「助ける方法は無い、そう断言された、だから家族は諦める、死んでしまえばしょうがない、なので我々3人だけを運んでほしい」
「わかった、所でアレは他の人に感染したりするかな?」
「町の中が全部あの魔物に変えられてしまったから、たぶん感染するかもしれない」
「あー了解」
素早く3人を回収して車両に乗せる。
「3人とも怪我とか無い?」
「ありません」
「大丈夫です、疲れました」
「自分も怪我はありません、でももう動けません」
3人とも大きな胸を抱えて辛そうにしている、確かにコレでは軍などで活動するには無理だろう。
「出発してもいいだね?」
返事をする元気が無いのか3人とも頷いて回答する、もちろんこのまま帰る訳がない。
「アレ倒すからね」
「…………」
倒すと言った瞬間に3人の顔が曇ったが覚悟したようでゆっくりと頷いた。
あんなバイオで自分の国にもハザードしそうな魔物が沢山向かってくるのでココで対処する必要がある。
「マキナ、近くに拠点におそらく感染タイプの魔物の襲撃の報告といないと思うけど周辺の人の避難、君はあの魔物を対処、君たちは……待機で」
「わかった」
「わかりました」
獣人の3人はまだ動けそうに無いので車両で待機してもらう、マキナはいろいろ巻き込んでしまいそうなので連絡係になってもらう、ユーフェミアは未知数だがユウキの子孫なら戦えるだろう、ユウキはユーフェミアが戦えなかった時のためにバックアップに回る。
「ではユウキ様のお役に立てるように頑張ります、あのタイプの魔物は記録とシミュレーションでしか見たことがないですが、対処方法はしっかりと把握しておりますとも」
軽くステップで踊るようにその場で回り始めるとそれに合わせて魔法陣が展開されていく、魔物がすぐそこに来ているにも関わらず慌てる事なく魔法陣の展開を続けていく。
ユーフェミアが前に出て大きく動いていたので魔物達が取り囲んだ。
「危ないんじゃないかな」
魔物が展開された魔法陣に触れた瞬間に凍り付いた。
「大丈夫か……」
どうやらちゃんと対処ができるようだ、氷漬けになった魔物に触れた他の魔物も瞬時に凍り付いていった。
「どうでしょうか?」
全ての魔物が凍り付いたのを確認してからユウキの元に戻ってきた、何かを期待していようすで見てくる。
「すごいじゃないか」
とりあえず頭を撫でておく、扱いはマキナと似たような感じでいいだろう。
「……それでこの氷漬けはどうするの?」
「はい、こうします」
ユーフェミアが手を振ると魔物達の足元に再び魔法陣が出現し、そこから炎を吹きあがった、炎が消えると凍っていた魔物はきれいさっぱり無くなっていた。
「汚物は消毒ってやつです」
「どこでそんな言葉を覚えたんだよ」
「ユウキ様が以前におっしゃられておりましたよ?」
「私のせいなのね……」
自分で言っていたのならしょうがない。
「ただいまー、終わったの?」
マキナが報告から帰ってきた、随分と早いがちゃんと報告できたのだろうか……。
「マキナも帰ってきたしそれじゃあ一旦帰るよ」
「はーい」
「わかりました」
この後何をするにしても披露でダウンしている3人とあまり傷つけたくない車両があって動き辛いので一度戻ってから上の人達の指示を仰ぐことにする。
用心して準備したけど結局使わなかった事ってあるよね。
3人の獣人達は戦力外だったので何もされておらず助かった感じです。




