あらがえぬ説得
「いつの間に部下になったんだよ!」
「ついさっきですわ」
「何も聞いてないんですけどぉ?!」
「国に所属している以上は兵役の義務があります、もちろん有事の際は全員に課せられますが、今は特にないので特例で法を適応しましたの」
「え、個人の権利は?」
「こんな事態であるわけ無いじゃない」
「じゃあ終わったら解放されるよね」
「終わればね」
「なにそれ、何も知らないんだけど」
「当たり前よ、一般には秘匿してるんだから」
「マジか……」
「世界は思ったよりもめんどくさいのよ」
「一般人で良かった、いや徴兵されてるからダメじゃん」
「それがこの国に所属する以上の義務ですわ」
「……終わったら解放されるんだよね」
「当たり前ですわ、それとちゃんと手当も出ますから」
「……どうせ私の依頼相場より安いんでしょう?」
「当たり前よ、貴女の相場は高すぎるのよ」
「そりゃ私は努力してきましたし」
「じゃあその成果を国のために存分に活かしてくださいな」
「ちなみに拒否権は?」
「あるわけないでしょう」
「じゃあさっさと終わらせてやらぁ」
「期待してますわよ」
「てかなんでこの人達はなんで部下になれたのさ?」
「そもそもこの獣人達は脅迫で向こうに従っているにすぎませんわ、ユウキなら諸々救ってくれるでしょうし隊長という責任ある立場に置けば活躍してくれるでしょう」
「私12歳なんですけどぉ?!」
「ギルドの最高ランクでゴーレム開発の第一人者が何を言いますか、既に国に貢献はかなりしておりますのよ、それこそ年齢なんて関係ほどにね」
「いやいやそこは考慮してよ、てか12歳だから徴兵できないよね」
「だからこその特例の適応ですわ、一定以上の功績を上げた人に対する条件の緩和、これを適応しましたの、それに法律なんて我々貴族に係れば条文を書き換えるなんて造作をないですわ」
「な、なんて事を……」
「これも国を思えばこそです、貴女はこの国がどうなっても良いとでも?」
「いや、それは、それを出したら卑怯でしょうよ」
「では協力してもらいますわよ」
「ぐぬぬ、分かったよ」
「あの黒い天使が手玉に取られてる……」
2人のやりとりを見ていた獣人達は本当に大丈夫だろうかと心配になっている。
「それではココにゴーレムを中核とした部隊を創設します!」
ユウキが部隊の参加を受け入れたときにミルシアが高らかに宣言した。
「では解散」
そう言って一目散にミルシアは帰っていった。
「睡魔は限界になってるなアレは……」
会話だらけになってしまいました。




