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前置き

異世界転生のお約束

真っ暗だ…

気が付くと周りに何もない所にいた。

確かさっきまで電車で登校していたはずだが…、

寝てしまったのだろうか。


【いや~待たせてごめんごめん】


後頭部から強くエコーのかかった声が聞こえた。


(え…どこ?)

いつの間にか草原草の高さは足首位で茅と呼ばれる紙や指なんかがよく切れるやつだ。

体を起こしあたりを見渡すが地平線の向こうまで草しかなかった、昔のパソコンの壁紙のようだ。

「あーもーここどこだよ、草しかないから天国でも地獄でもないよな!」

何となく叫んでみる…しかしなんの反応もない。


【やっと見つけたよ~、しっかし広いなーここ、私でも迷うよー】

後ろから陽気な声が聞こえてきた、声で性別が判断できなかったのがなんか悔しかったのでとりあえず無視してみる。

【あのー聞こえてますよね、絶対にスルーしてますね!】

だんだん声が焦っているのがわかる。

【お願いですから振り向いて下さい……】

このままでは進みそうにないので振り返ってみる。

「なんのよう…です…か…」

振り向くとそこにあったのは人ではなく白い靄みたいな固まりだった。

「人の形じゃないだとー」

【棒読みで言われてもな~、ごめんね、20年も待たせちゃって】

「20年!」

【本当はすぐに転生してもらう予定だったんだけど、その世界が消滅しちゃって急ピッチで作り直してたらこんな時間だよ…】

すぐに転生してってことはどうやら自分は死んでしまっているらしい、だから真っ暗の場所にいたのか…。

「こっちの神は7日で世界を創ったのに」

【星一つなら7日あれば出来るけどその周辺も創ったからこんな時間に…】

「太陽系だけで良かった気がする」

【でもそれだと星空とか流星群とか見れないじゃん】

「別にみなくていいじゃん」

【とーにーかーく、その世界に行ってもらいます、拒否権はありませんが20年も待たせてしまったので転生時にいろいろおまけをつけます。】

反論する暇も無く靄から凄い光が放たれる、気がつくと空にいた。

眼下には壁で覆われた中世のヨーロッパの街並みみたいなものが見える、これが異世界転生か。

かなりの高さから落下しているも関わらず落下時に感じる風などが感じられないのでのんびり考えていた。

するといきなり水に落ちたような感じで、ぼーとしていた意識はここで途切れた…。



再び意識が戻ると周囲に複数の人間の気配がある。

「おめでとうございます奥様」

言い方からして金持ちっぽいようなというか金持ちであってほしい。

「可愛らしい女の子ですよ。」

性転換もしてしまったようだ。

「生まれたか…!!!」

「ええ、女の子よ…」

「おめでとうございます」

「ああ、よくやった!」


はたして自分は生き残る事ができるのだろうか。

もうこういう転生の前の話は無くてもいいのではないかと思ってしまうこの頃。

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