思うようにいかない
「これで最後……」
周囲に被害が及ばないように気を使いながら攻防を繰り返し、相手がスタミナ切れを起こした事でとどめがさせそうなので魔法で原作っぽく拘束してから必殺技の飛び蹴りをする。
当たった時に自分の血を一部流して相手を内部から破壊して完全に殺す、残った血はそのまま分解して地面に消しておく。
怪人を倒した事で周囲が盛り上がり自分に群がってこようとしているため何とか原作を壊さない程度にその場所から退避する。
それでも何とかついてこようとしている人がいるのでこちらも必死で逃げ切って変身を解除する。
「これで大丈夫ですかね」
「あ、あぁ被害も少ないようだしな、問題ないだろう……」
本当にやったのか、という驚きの表情で固まっていた。
「それで転生者はどこにいるんですか?」
「隠したところで無駄だろうから案内するよ、でも向こうには君が殺しに来た事を言っておくよ」
「それは構いません」
携帯を取り出してどこかに連絡をとっているようだ、電話越しに怒鳴り声が聞こえてきた。
「……、受けて立つそうです」
「それは良かった」
「もう少ししたら来るそうですよ」
「そうですか……」
氷が解けて薄くなったコーヒーを飲み干す、すぐに出られる状態にして待機だけしておく。
「……何か食べますか?」
長い沈黙に耐えられなかったのかメニュー表を出して促す。
「では頂きます」
適当に注文しようとすると誰かがあわただしく入ってきた。
「お前、だよな?」
同じテーブルに座っている人が目印になったのか真っすぐにこちらに向かってきた。
「そうですね」
向かってきた人物にはこの世界にあるハズの無い魔力が感じられる、今回の標的はこの人でよさそうだ。
「で、なんで自分なんだ?」
「さぁ、自分でも理由までは……」
「そんなぁ……」
「という訳で大人しくやられて下さい」
「いやいやいや、別に始末される覚えはないんだけど」
「私もそんな物は知りません、ただ神様に言われただけなので……」
「見逃してもらえたりは……」
「無理だね」
「じゃあ全力で抵抗しますよ」
そこ言葉と同時にユウキの眉間に穴が開く、特に銃声などは無かったので能力による物だろう。
「じゃあ攻撃を受けましたので反撃しますね」
「とりあえずココを出ませんか?」
「いいですよ」
その提案には賛成なので会計を済ませてもらって外に出る、外の人達はいきなり起こったヒーローショーの興奮が収まって祭り状態になっていた。
「……場所移しましょうか」
「そうですね」
人が多くいる中での戦闘行為は良くないだろうと場所を変える。
人目に付くのは避けるタイプ。
出された物は大体平らげるタイプ。




