ゴーレム開発記3
「とりあえず最高傑作作って売り込むしかないんじゃない?」
「……ですわね、まずはフラッグシップを作ってからになりますか」
「もちろん協力するよ」
「頼りにしてますわ」
工房の事務室に移動し黒板にアイデアをまとめていく。
「とにかく大きい方がいいです」「もちろんカッコよさ重視ですわ」「武器は沢山ほしい」「むしろ特価型でしょう」「いやいや汎用性重視でしょう」「宇宙行きたい」「変形は必要じゃろう」「整備性は必要かと」「やっぱり量産型こそ至高」「胸にドラゴンの顔が欲しい」「合体機構が欲しい」「やっぱり安定性重視でしょう」「とにかく固いのが良い」「いや装甲は無くして早いのが良いでしょう」「とにかく素材は安価で行くしかないでしょう」「そもそもそんなのできるの」「まずはすごい合金をですね」「永久機関とかいいよね」「武器はハンマーがいいな」「盾は大型がいい」「使い捨ての武器は鹵獲されて使われないように自壊する機能が欲しいな」「自爆機能いいね」「そもそも高威力の武器があればいいだろう」「そもそも索敵されないようにすればいいのでは」「じゃあ超長射程の武器とか」「基本的に飛んでいきたいな」「どうやって操縦するよ」「いっそ乗り込みます」「そこは従来通りでいいでしょう」
「……一旦落ち着きませんか?」
出てきたアイデアをメモしていた職員が机を強く叩いて発言を中断させる。
「とりあえず一通りのメモはしたので一旦まとめましょう、まずは大きさですが我々と同じくらいから首都の見張り塔までとかなりバラつきがあります」
「確かに大きさを決めないと出来る機能も変わってきますわね、ユウキが知っている物はどういうサイズが多いのです?」
「えーっと、人の平均身長を10倍にした高さかな」
「10倍ですか……」
倉庫にあった形だけのゴーレムは高さがおおよそ1メートルから3メートルほどだったのでそれよりも大きいサイズとなるよ建物の立て直しをしなければならなくなってしまう。
「ユウキ様の提案されたそのサイズですとゴーレムが入りませんのでこの建物に入る最大のサイズにしましょう」
「そうですわね、大きさによる味方の士気と敵への威圧感は必要ですからそれにいたしましょう、多少の改築でしたら問題ありませんわ」
「実際どれくらいの大きさができるの?」
「それは今から見てみればわかりますわ」
再びゴーレムが保管されている場所に移動して大きさを計ってみる、もともと大型の倉庫のつもりで作られたのだろう、そのおかげ7メートルほどなら置けそうだ。
7メートルほどのロボットって都市とか森とかだと以外と目立たないっていう。




