面倒な位置
試合が終わって翌日……。
「……残念ながら知っている天井だ」
「私のお家を残念ってし失礼ね」
「そうでは無く、気が付いたら気を失ってベットにいたという意味なんです、正確な言葉(知らない天井だ)です」
「なるほどねぇ……」
「それで今どうなってますか?」
「ん、あぁ後処理も含めて全部終わったけど?」
「全部、私に襲撃したアレとかも?」
「あたりまえよ、自分の所の問題位自分の所でカタを付けるわ、それと面会よ」
「面会?」
姫様がドアの方に指示を飛ばすと、激しい足音と共にマキナがやってきた。
「お母さん!」
「元気してた?」
並の弾丸よりも早く一瞬で距離を詰めたかと思うと勢いを瞬時に殺してユウキに優しく抱きつく、さすがに勢いがついたままだと危険だと判断したのだろう。
「お母さんがいなかったから元気なかったけど今元気になった」
「それはよかった」
なんだかマキナとは久しぶりに会った気がする、マキナも同じようでガッツリとホールドしておりしばらく離れそうにない。
「団らんしてる所に1つ仕事を頼みたいのだけど」
「このままで申し訳ないですが話を聞かせて下さい」
「……いいわ、自分の所の問題なんだけど、一つだけ片付いていない問題があるの」
「ソレを何とかしろと?」
「そうよ、面倒な事に国外にあるのよ、私とかの命を狙っているから国内にあると思ったら外にあったのよ、だから残念なことに正式な物として貴女達に依頼するわ」
「わかりました、所在などは?」
「貴女の父親の国ね」
「おうふ」
まさかもう二度と戻ることはないと思っていた国に行くことになるとは、今までの依頼ならは断ったりマキナだけに任せるなどで回避していたが、姫様の正式な依頼となれば行かざるを得ない。
「何、嫌なの?」
「いえ、個人的にその国が嫌いな物で……」
「奇遇ね私も嫌いよ、ついでにソコで問題を起こしても私は国を挙げて庇ってあげる」
「それはうれしいのですが、私は私の国がありますので……」
「そう、私はいつでも歓迎しておくわ、国の戦力としても、個人的に趣向としてもね」
「それはどうも……」
「とりあえず前払いとして大量に食糧を用意したから、2人とも空腹でしょ?」
「たすかります」
「とりあえず、壊滅までに期限は設けないから早めに潰してちょうだいね」
「わかりました、なるべく早く遂行いたします」
「それでいいわ、後コレ渡しておくわ」
「何ですかコレ?」
「私がいろいろした事に関する証明よ、これで学校でもギルドでも黙らせればいいわ、そっちの国の法律が対応していればだけど」
「ありがたく利用させていただきます」
「それじゃあしばらくゆっくりしていけば良いわ、帰るならそこらへんの人に言えば帰れるように手配するから自由にしてちょうだい、私は公務に戻るから非常事態以外で声を掛けないように」
「わかりました、お世話になりました」
「ましたー」
やっかいな物はどこにでもいるもんです。
あと別にユウキの父の国がいわゆる悪の帝国とかそんなものじゃないです。
単純に悪人が集まりやすいだけです。




