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英雄騎士物語  作者: kyuto
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1話:出会いは始まり①

 ~プロローグ~


「一体、あの姉達からどうやったらこんな妹ができるんだ?」

 そんなこと私が一番知りたいよ・・・・・・

「あなたはなんでこんなこともできないの?」

 できないものは仕方がないじゃない・・・・・・

「「「やっぱり、あの子は落ちこぼれだな。」」」

 そう、私は落ちこぼれだから仕方がないのよ・・・・・・

『人間に落ちこぼれはいない。一番落ちこぼれているのは、他人を落ちこぼれと言う人、そして自分を落ちこぼれと言う人だ。』

 そう、「彼」のあの一言が私の生き方、人生を大きく変えたと言っても過言ではない。「彼」は私にとっての英雄となった。



 雲一つない青空が広がり、満開の桜が新入生を歓迎しているここ、アーノルド王立アーノルド学園。入学式とホームルームを終えて、新入生は学園を探索しつつ、新しいクラスメイトと会話に花を咲かせている。上級生の中には新入生を案内したり、自分が所属しているクラブのビラ配りをしている人もいて、お祭り騒ぎになっている。

 そんな華々しい空気の中、1人だけ重々しい負のオーラを纏っているような雰囲気を醸し出している少女がいる。誰が見てもかわいいと言われる顔立ちであり、体は小柄で、エメラルドグリーン色のセミロングの髪が大人っぽさを少し醸し出している。その少女の隣には対照的に入学式の雰囲気を楽しんでいる少女がいる。黒髪のショートヘアで、年相応の幼い顔立ちで仲良く並んで座っている。

「入学式、楽しいねルイちゃん!」

 と黒髪の少女が言った。

「うん、そうだね・・・・・・」

「どうしたのルイちゃん?テンションが低いし、顔色もなんだか悪いよ。」

「心配してくれてありがとう、マイちゃん。ただ、午後になってほしくないなって思ってて。」

「大丈夫だよ!今回はサーバントをしっかり呼び出せるって!」

 そう午後は、中等部に上がった生徒がサーバントを召喚するイベントが行われる。召喚は義務ではないが、召喚することによってやっと魔導士としてスタートラインに立てたと言われている。逆に召喚していないと、魔導士としては半人前、三流魔導士の汚名を着せられてしまう。現在学生のほとんど、いや全員と言っていいほどの生徒が自分のサーバントを召喚している。

「みんな、去年召喚したのに私だけ・・・・・・」

 と言って泣き出してしまった。ルイはこの学園創設以来初めて、サーバントの召喚に失敗した。それ以来、クラスでは笑いものにされてきた。

「大丈夫だよ!去年は調子悪かっただけ。ルイちゃん、頑張ってきたの知ってるもん!今年はいけるよ。」

 唯一の友達、マリ=インハイムが必死に励ましてくれている。マリの肩には召喚した妖精がちょこんと座っていた。

 羨ましいな・・・・・・。私もこんなかわいいサーバントほしいな。まあ高望みはしないけど。と思いつつルイは重たい腰を上げ、新入生たちが向かっている召喚のイベントが行われる広場に向かおうとしたその時、

「おい、ルイ。今年は呼べるといいな。」

「いやいやアレン、呼べるわけないでしょ。成績も悪いのに。」

「わかんないぞロト。まあ呼んだら呼んだで、こいつにつくサーバントがかわいそうだよな。」

 ハハハと大笑いする3人の姿が目に入る。

「アレン、ロト、フリッツ、やめなさいよ!それでもクラスメイトなの?ほんと最低!」

 いつも私を苛めてくる3人組だ。この3人のせいで毎日の学園生活が楽しくなくなったのだ。

「もう、あっち行ってて!大丈夫だよルイちゃん。行こ!」

「う、うん・・・・・・」

 自分の心の奥に突き刺さる悪口を聞きながら、広場に向かった。


 サーバント召喚イベントは学校行事であるが、町の人も自由に見学に来ることが出来るお祭りでもある。わざわざ仕事の休みを取ってまで来る人もいるくらいだ。そんなお祭りの最中、私は新入生が次々にサーバントを召喚しているのを去年も眺めた。

 サーバントには色々な種族が召喚される。ドラゴンや妖精、エルフであったり、魔導士などの人間も召喚されることがある。今年召喚された中で一番みんなを沸かせたのが去年と同じ、ドラゴンであった。一般的にサーバントは自分の潜在能力に比例して強い弱いが決まると言われている。なので私は自分が召喚できた時のサーバントに不安を感じている。スライムみたいなサーバントだったらどうしよう、など考えているうちに、

「最後、2年B組。可憐ルイ!」

 あっという間に自分の番になってしまっていた。

「は、はい。」

 返事の声が震えて上ずり、そのまま所定の位置についた。みんなが見ている。私を見ている。2年生ということに反応してざわざわしている。中には野次を飛ばしてくる人がいるが、「今度こそ頑張って」と応援してくれる人も少なからずいる。そんなありとあらゆる声に一通り耳を傾けた後、大きな深呼吸を一回した後召喚の呪文を唱え始めた。

「我、魔をつかさどる者、ここに我が守護者を呼び起こす。いかなる時も正しい道を創造し、正しい道 に誘うものを。出でよ、サーバント!」

 唱え終わると去年には無かった現象、つまりみんなには起きた現象が起こった。地面に大きく書かれた陣が眩い光を放ち、広場を包み込んだ。

「やった!成功したんだ!」

 と心の中で思い、どんなサーバントが召喚されたのか楽しみに待った。およそ10秒間の光が収まった後、陣の中央に召喚されたのはドラゴンでも、妖精でも、エルフでもなく、自分と同い年か少し年上で、茶色の長ズボンに、パーカーを着ている黒髪の普通の少年の姿だった。

次の投稿は大学のテストの関係などで結構遅れます。2週間から3週間くらい待っててくださいm(*_ _)m

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