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これは思い出したの部類ですよね?

設定がお決まりをなはずなのに、何か色々とはずしてます。

この世界の貴族はみな、魔力を持っているけれどどの属性かは学園に入るまではわからない。


数日前に入学を済ませ、校内の案内も終わり、一通りの授業の説明に先生方との顔合わせも終わり、念願の属性検査の時がきた。


クラスに属性検査をする先生が水晶を持って現れて、端から順番に水晶に手をかざして、何の適正属性かを調べてもらっている。


高鳴る胸のドキドキに、私の属性は何でしょうと思いを馳せる。


先日先輩方がパフォーマンスとして見せてくれた、水属性の水を水流の用に出して体の周りを這わせる、涼しげな雰囲気で水がキラキラと弾けて素敵だったのも良いし、火属性の炎で鳥の形にして空中を飛ばせた後に、震えながら消えたかと思うと、小さな木漏れ火となって儚く降り注ぎ消えていく幻想的なのも素敵だった。


後は後は…………と思い出してる最中に私の番になり、立ち上がり前にまで行き、係の先生の持つ水晶の前に手をかざす。


先生が驚いた顔をして、何度も私と水晶を見比べる。

え?何か不備でもあったのかしら?

まさか私属性がないとか?え?でもそんなのってあったかしら?

と先生の様子に私の背後…………クラスの人達からもざわめきが起こる。


「属性は、……聖属性」


先生が何かの間違いではないかといった震える声で、私にそれを静かに告げる。

それでも狭い教室内なので、クラスメイトにも聞こえたのかさっきのざわめきが嘘のように消えた。



聖属性、稀にしかない属性でその魔法効果はただ1つ。


癒しの力


この国ではその力を持つものは多大なる恩恵を受ける。


聖属性と聞いた瞬間に私の胸は溢れないばかりに喜びに満ちた。

この力があれば上位貴族の人達に所詮子爵令嬢だからと何時も下に見られていたけれど、これで見返すことが出来る!!


思い出せば領地の場所の問題なのか、たまたまだったからか、私の住む領地の回りは私の家より位の高い方々ばかりで、私と同じ子爵家それに位の低い男爵家もあるけれど、私と年の近い令嬢は居なくて、近隣領地の集まりの会に顔を出す度に、凄く見下されてました。


子爵家なのに、カースト最下位扱いですよ!!

どんなに領地内が安定してて、それなりの収入蓄えがあっても底辺位い扱い!!


扇で顔口元を隠しながら、思いっきり私を見下しながら


『所詮、子爵令嬢ですものね』


と笑っていた人達が頭を過ぎる。

その人達は別クラスなので、今のクラスで顔を合わせる心配がなくてさっきまでは凄く安心してましたが!

これで今まで私の事を見下してた方々を見返せる!

と復讐に喜び震えていたら、ふとあることを思い出しました。


あれ?子爵で聖属性の治癒って何処かで見たことがあるような…………?

というかこの設定がどこかで見たことあるような?

ゲームだったのか漫画だったのかライトノベルだったのかアニメだったのか判らないけれど


治癒という力を持った子爵令嬢が、下克上よろしく好き勝ってやって、奇跡的に同じ力を持ってた公爵令嬢に手を出す事でついに他の貴族の人達を怒らせてしまって、魔力封じの文様を背中に刻まれてしまい、最後は実家にも見放されるわ、文様を刻まれた事により一般市民にも無碍にされるわ、奴隷にもなれずにその辺で野垂れ死ぬとか確かそんなやつだったはず……?


『あら、ごめんあそばせ、でもこれをもし誰かに言ったらどうなるか判ってますわよね?』


とか言いながら、態と相手に酷い怪我をさせて、それを治癒して私に逆らったらどうなるか判ってるわよねって脅して従わせる…………え?

子爵令嬢なのに私悪役だったの?!

そのうえ公爵令嬢に手を出した理由も確か、その脅して従わせてる内容が公爵令嬢の耳に入ってしまって、同じ力持ちの公爵令嬢からクギを指されて、普段からイケメン貴族男性をはべらかせてるのに、私に指図するなんて!っていうどうしようもない自分勝手な理由で、公爵令嬢を階段から突き落として怪我をさせて、それが明るみに出て、同じ治癒持ちに手を出したという事で、凄く重い刑罰……それが魔力封じの文様なんですが、になってしまい最底辺にまで落ちてしまうという……。


過ぎたる力は身を滅ぼすって事ですか

怖すぎる!私この力怖すぎるんですが!こうもっと普通に風とか土とかでいいです!!


あまりの事に顔を青くさせながらフラフラと私は自分の席に戻り、椅子に座るけれど、思い出した出来事で頭の中がグルグルしてしまい考えがまとまりません。


そうだ確かこの何かの物語の主人公件ヒロインがその公爵令嬢だったはず!


この学園は魔力持ち、主に貴族が中心になるけれど、たまに現れる魔力持ちの一般市民の方も交えて

寮に住みながら、魔法の使い方から応用の勉強をして、各自自分の持つ属性魔法の使い方を切磋琢磨する場所、なのを昔から親に聞かされてました。

魔力の強さから特性からと色々とある関係で、上下身分に関係なく友情を育みそれを卒業したら国の為に貢献しましょうという場所だったきがします。


でもその中で、特異なのがさっき言った聖属性持ちの癒し魔法。


あまりの数の少なさにその者の立ち居地を護る為に、色々な恩恵を授けられる。

とりあえず現在進行形でなら学園内では身分関係ないと言われてるけど、私の立場は王族よりも偉くなるとか、…………あれ?魔法属性の話を聞いたときに、その説明も受けたはずなのにこれしか思い出せない!私はポンコツですか!!


とりあえず今の聖属性持ちは国内では3名しか居ないそうで、うち2名はもうヨボヨボのお婆ちゃんだと聞きました。


そうそして、もう1人の聖属性持ちの公爵令嬢様は毎日、クラスの男性女性関係なく仲良く、魔法の研究に勤しみ技を磨き、魔力をさらに高めていき、確か王子様とか宰相の息子様とか公爵家跡取り息子様とかと仲良くなったとかそんな物語だった気がする……こうふわっとしか思い出せない!!


そうそして元々の私はそれもあって、公爵令嬢様が憎くて憎くてついには手を出してしまうという。

でも確か元々の私の記憶が確かなら、王子様も宰相の息子様も跡取り息子様も公爵令嬢様とは幼馴染だったはずですよね?仲良くて当たり前ですよね?どうして変な方向に走ったの私!


あと、普通ならこういった物語の定番は主人公が私で、公爵令嬢様がライバルでしょ!

色々とショボイです、しょぼすぎます!!

そして何よりも一番重要なのは、そんな設定だけ思い出せても、全部がフワッとしすぎて役に立たない上に、今頃私の前世の記憶を思い出した!ってオチをつけるところですよ…………。


今ここでその事に気が付くとか、私はどれだけポンコツなんですか。何か思い出してもポンコツなのには変わりないのですか……。


何の物語かも思い出せないし、私自身の前世も思い出せない上に、元々の私がその物語で取った行動とかも上記以外さっぱり不明ですし、最底辺にならない為にどうすればいいのか計画立てろとか言われても、まったくもって予想が付かないから無理ですよ!!!


せめてイベント、何かこう重要イベントでも覚えてたら問題なかったかもしれないのにー!!!!


先生が興奮しながら


「今年は聖属性持ちが2名も居る事が判った!」


とか言っている言葉を聞き流しながら私は絶望してました。

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