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第8話 出立

本日2話目の投稿です。

とても厨二な感じがします。

主人公の誕生日を変更しました。

俺はめでたく1歳の誕生日を迎えた。

あの後、外で父さんと遊び終わって帰ってくるといつもよりも豪華な晩御飯が待ち構えていた。

この世界には昼ご飯という概念がほとんどなく、1日2食が基本である。だが、貴族や商人などは3食食べていたりもするらしい。ただ、彼らは空腹だから食べるのではなくて、自分たちの財力を誇示するために食べているのだ。と、母さんがいやそうな顔をして教えてくれた。


俺の家も3食食べるだけのお金を父さんが稼いできているのに、何で昼を食べないのだろうと不思議に思っていたのだがこれを聞いて納得した。

何でそんなにも詳しいのかと思ったが、あまり気にしなくてもいいところだと思う。人なら誰しも知られたくないことだってあるだろうし、俺だって精神年齢をごまかしているのだ。言っても信じないだろうと簡単に想像がつくとはいえお互い様だろう。

両親からは誕生日プレゼントとして、子供向けの絵本を貰った。

将来、きっと大事になるだろうからとこれから、母さんが字を教えてくれるらしい。


この家には本が置かれている部屋があっていつか読んでみたいと思っていたところなので、ちょうどよかった。

この家に何冊も本があるし、プレゼントとして貰えるぐらいなのだからもしかしたらこの世界では印刷技術が発達しているのかもしれない。

これも昨日はっきりしたことなのだが、1年はやっぱり30日×12ヶ月の360日ピッタリだった。

母さんが俺の誕生日がいつなのか教えてくれたときについでに他の月や曜日のな目も教えてくれた。


前の俺の世界では曜日は日曜から始まり月、火、水と続き土曜で終わっていた。

そして月も睦月から始まり師走で終わっていて、週や年には名称がなく1,2と数字で数えていた。

だが、ここは異世界なのでそれぞれに別の名称がついていた。


曜日は1週間の初めから、

【始祖の日】(一週間の始まり)、【浸食の日】、【回復の日】、

【風化の日】、【吸収の日】、【終末の日】(一週間の終わり)


週は第1週目から、

【火炎の週】、【水流の週】、【土砂の週】、【若木の週】、【金属の週】


月が第1ヶ月目から

【陽光の月】(一年の始まり、1月・睦月)、【灼熱の月】(2月・如月)

【濁流の月】(3月・弥生)、【結露の月】(4月・卯月)

【雷鳴の月】(5月・皐月)、【大地の月】(6月・水無月)

【暴風の月】(7月・文月)、【山岳の月】(8月・葉月)

【大樹の月】(9月・長月)、【鉱物の月】(10月・神無月)

【闇夜の月】(11月・霜月)、【虚無の月】(12月・師走)


となっており、年が12年周期で

【光の年】、【火の年】、【水の年】、【氷の年】、【雷の年】、【土の年】

【風の年】、【岩の年】、【木の年】、【金の年】、【闇の年】、【無の年】

と移り変わっていくということが分かった。


俺の誕生日は、光の年の山岳の月。若木の週、終末の日らしい。

らしいといっているのは、俺が生まれてきた時間は終末の日と始祖の日のちょうど境目の時間深夜遅くで、気が付いたときにはすでに始祖の日になっていたというからだ。


今日は、1歳になったので詠唱者の才能が俺にあるかどうかを検査しに行くらしい。

国民の情報は全てこの国が管理していて、それは新しく生まれた国民もそうなのだという。

俺の住んでいる国では詠唱者を国家的に推奨していて、新しく生まれた国民は1歳になったら必ず詠唱者の才能を検査しなくてはいけないのだという。

これは同時期に生まれた子供をまとめて検査するため、各地の教会で年に4回に分けて行われる。そして、それが2日後に迫っているのだった。


なんで、俺が検査に行くのに前日である今日出発しなくてはいけないのかというと、俺の住んでいる村には教会がなくて魔法の適性があるのか検査ができないから、他の教会のある街に赴かないといけないからだそうだ。

この村の近くには街があってそこでも検査が行われるのだが、こういっちゃ悪いが母さんが体力がなさ過ぎて、街に行ったらもう疲れ果ててしまうらしい。だから、1日前に宿をとって母さんをしっかりと休ませなければいけないそうなのだ。


ちなみに、最初からついていかないという選択肢は存在しないようだ。

うっかり、父さんが言いかけて母さんに笑顔を向けられていた。

まあ、近くとはいっても村から街まではしっかりと整備された街道を通っても3時間は歩き続けなくてはいけないそうなので、しょうがないとも思う。

検査には魔法を本人に使わせるというので、俺はそれを目当てに見にいくのもありだと思うし、実際にこの世界ではどれほどの魔法の才があるのかも純粋に気になるので、俺は早く検査してみたい。


俺は自身に余分な魔力があるのを分かっているので、たぶん魔法の才があるのだが前世の世界の魔法を使おうと思ったことはない。

まず、何も知らない赤ん坊がいきなり魔法を使い出したら変な目で見られる可能性があったから。

また、前の世界と現在の世界では魔法の使い方が違うかもしれず、下手すると魔法が暴発する危険性があったからだ。

俺は前世の世界で異世界から召喚された詠唱者が魔法を暴発させて身を滅ぼしたのを見たことがある。

彼の使用していた魔法は前の世界とはまた違う体系のものだったのを、当時その国の王を暗殺するために文官として潜入していた俺は彼から直接聞いていた。

魔法の暴走は総じて使用者の身に危険が降りかかるものなので、俺はその危険性を冒せなかったのだ。

だから、初めて違う街に行くということもあり俺はこの日を楽しみにしていた。


「ミント、ナツト準備はできたかい?」

「ええ、私はもう準備できているわ。あなたはまあ大丈夫よね。ナツト君も大丈夫だよね?」

「うんっ、もちろん」


母さんの問いかけにめいいっぱい明るい声を使い返事を返す。

父さんの見た目は、いつも着ているこの世界では一般的な布の服に、いつも狩りで使うらしい長剣と短杖をそれぞれ腰に1本ずつ帯びている。

しかし、ナツトの目には服の裾の裏側などに鉄で作られたナイフが6本と鋭利に尖らせた木の針が40本も隠されていることが分かった。更に、持っている短杖は見た目だけならば、魔法発動補助用のものであるが、中身には溶かされた重金属が流し込まれていて、魔法発動補助機能が4分の1ほどに落ちている代わりに打撃武器としても威力を出せるようにしてある品物だった。


母さんは、フード付きのケープでその美貌を覆い隠し、今は『風属性』中級魔法の収納系魔法【長期間(ロングピリオド)隠密大気中保管(エアーハイドキープ)・通常】(・ノーマル)で仕舞っているが、さっきまでは手に詠唱者用の長杖を持っていた。ちなみにこちらも、一般的な長杖なのは見た目だけであって中には魔法発動補助体のなかでもかなり高いクラスである貴重な魔法水晶(マギ・クリスタル)を溶かし流し込んでいる。

高クラスなだけあって、ぱっと見た感じだと魔力使用量3分の1、魔法発動補助2倍となかなかのものであった。


そして、俺は当たり前ながら武器となるものは持っていない。しいて言うならば、宿で読もうと思って持っている誕生日プレゼントの絵本だが、これは何が起きようとも武器としては使いたくない。後は現地調達で石とか砂なら武器として使えるだろう。

俺は母さんと左手で、父さんとは右手で手を繋ぎ、家の外に出る。


俺の住んでいる農村である【イバキ】の村は町と言ってもいい規模を持ちながらも村人の数は比較的に少ないほうに部類するらしい。

規模が大きいのは、農村として農作物を作るための土地が結構あるからで元の村としての土地は結構少ないという。

確かに、村として、最低限必要な機能を1か所に詰め込んだ中央区以外の場所と家以外は一面畑やら、水田、果樹園など作物を育てている場所だらけになっている。


そして、この村には基本農民しかいないのでここに潤沢にある作物を狙ってやってくる普通の獣から魔獣、魔物たちと戦える人物は限られてくる。

普通の獣ならば、農民は対抗できる。

だが、極たまにやってくる魔物や魔獣(普段は国から派遣された王宮士団と宮廷魔術師団の混合1個小隊一が定のペースで魔物を駆除して回っているので魔物や魔獣が迷いこんで来る方が珍しい)には魔法を使える者か天才的な才能がないと絶対に個人では対抗できないし、複数で戦ってもほとんどの確率で犠牲が出てしまうのだという。


農村としては働き手がいなくなると困るので必然的に背円筒に参加できる人が減っていくのだ。

この村で現在、そんな魔物と戦える者は5人しかいない。

まず1人目が俺の父さんで2人目が母さん。3人目がこの村の村長ウィリアム=G=ドロップ。4人目が鍛冶師。5人目が薬剤師。

村では4人とされているが俺から見たら、母さんは十分に魔物と戦えるので数にカウントしておいた。

イバキの北区から街へとつながる街道に出た。

さあ、出発だ。

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