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保健の先生は普通、医者ではないらしい

御薬袋律子みないりつこ養護教諭。


いわゆる保健の先生である。


この保健の先生は、胸を強調するノースリーブにミニスカートという服装だ。


白衣を着ていなければ、保健の先生と思う人間はいないだろう。


若くて美人で、この格好なので、当然、男子には人気であるが、なぜか女子にも人気があるようだ。


直接話したことはないが、なぜだか、俺はこの人が苦手だ。


律「飛鳥井くん。どうしたの?」


あれ、なんで俺の名前を知っているのだろうか。


俺「彼女、気分が悪いそうです」


律「あら、その娘が飛鳥井くんの彼女なの」


青ざめた表情の榮倉が少し赤くなった気がした。


俺「はぁ……彼女じゃありませんよ、そんなことを言ってないで仕事をしたらどうですか」


律「今日は、ノリが悪いのね」


今日はって、この先生と話したことは無いと思うのだが。


律「じゃあ、ちょっと診てみるから、男子は外に出てね」


いわゆる保健の先生は医者ではないのだが、律子先生は医師免許を持っているという噂だ。


謎の経歴の持ち主だが、あまり深く突っ込みたくない。


俺「じゃあ、教室に戻ります」


律「あら、彼女が心配じゃないの? 診察が終わるまで待っててあげたら?」


俺「授業中ですよ?」


律「あら、あなたはそんなことを気にしないでしょ?」


俺「わかりましたよ。外で待ってるから、終わったら呼んでください」


なんか引っかかるが、このままじゃ榮倉の診察に支障が出るので、しぶしぶ待つことにした。


律「物わかりのいい子って好きよ」


もう突っ込む気もしない。


黙って保健室を出る。


数分後。


律「入っていいわよ」


俺は保健室に入った。


律「診たところ特に病気というわけではなさそうね。ただ、衰弱しているから栄養剤を点滴しましょうね」


俺「それは良かった。じゃあ俺はこれで」


律「点滴って時間がかかるのよ、その間、話し相手になってあげたら?」


俺「先生がやればいいじゃないですか」


律「保健の先生って意外に忙しいのよ。お願いね」


俺「ぐぅ」


ダメだ。聞く耳を持たないようだ。


歌「飛鳥井くん、ごめんね」


俺「気にするな、榮倉」


律「自分の彼女なのに、よそよそしいわね。名前で呼んであげたら?」


歌「……私は、どちらでも……いいです」


榮倉はベッドに寝た状態で横を向いてそう言った。


俺「じゃあ、歌織」


歌「……はい」


歌織は少し驚いて返事をした。


律「私は、あなたの担任に事情を説明してくるわ。では、後は、若いふたりにまかせて」


リツコ先生は、にやにやしながら、さっさと行ってしまった。


俺「どうも、あの先生は苦手だな」


歌「私は……いい先生だと――」


その時、いきなりドアが開いた。


律「言い忘れたけど、話だけよ。不健全な行為はダメだからね」


それだけ言って、また行ってしまった。


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