表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

MEMORYS

決意の時

 好きな人がいます。

 でも、この恋が叶うことはありません。

 だって彼は……親友の好きな人でもあるのです……。



「今日の体育、あいつかっこ良かったよね」

 いつものように、私と彼女は放課後の教室に残ってお喋りをしていた。

 内容は主に彼のこと。彼と彼女は席が隣同士で、彼女は彼を好きだと宣言しているから自ずと話すのは彼女の方で、私は話を聴いているだけ。

 彼女が話す内容はとても楽しそうで、胸の奥がチクリと痛む。

「いいよね、あんたは選択科目まで一緒で。私も一緒が良かった。そしたら、あんたみたいにノート貸せたのに」

 溜め息混じりに言う彼女に、曖昧な笑顔で答える。

「それは偶然、知り合いが私だけだっただけだし…それに、そんなことしなくてもいつも仲良く話しとかしてるじゃない」

 そう、まるで付き合っているかのように。

 それを見ているのも、その話を聞くのも辛い。

「まあ、それはそうなんだけど……。決めた。私、あいつに告白する」

「え?」

「現状に満足してなんていられないもん。……協力してくれる?」


 瞬間、貸していたノートを返してきた彼の笑顔が浮かぶ。



 ワタシ、アノササヤカナシアワセモウシナウノ?

 そんなの、嫌だ。



 ダメ。もう、抑えられない。

 彼女のことは大切だけど、彼のことも諦められないの。

 ごめんなさい。

「……協力、出来ない。したく、ない」



 私も彼のこと、好きだから。




『この友情は、壊れるかもしれないけど』



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ