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「愛や多様性の犠牲者が誰になるか分かってんのか!」悪役顔の公爵令嬢イザベル、綺麗事で国を壊すバカどもを現実でボコす内政改革  作者: 猫目こね
イザベル三歳〜十歳

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11話 【断罪】「愛」のために妻子を捨てた元男爵の末路

リル父への断罪。ちょっと(?)グロ注意でお願いします!

お手数ですが、苦手な方はページを飛ばしてください。




あれからリルは、メイドの仕事と並行して私の家庭教師の横で熱心に勉強し、今では十歳とは思えない教養を身につけている。



しかも護身術まで習い始めた…!



リルは決して「天才肌」というわけではない。

ただ、なぜかとっても努力しているのだ。




(ありがたいけど…予想以上だわ…!)




私は幼児語を完全に廃し、リルも私に心からの笑顔を向けてくれる。

互いの成長と共に信頼関係も強く構築できたはずだ。




そうして三年の歳月が過ぎ、七歳になった私は、十二歳になったリルを伴い、ある場所へ向かっていた。




行き先は、旧プランタン男爵領。

リルの故郷だ。



目的は、私の「領地外視察」。


正直、公爵領以外ならどこの領地でも良かった。

他の領地の様子を見てみたかったのだ。



だから、リルをダシにして父様にダメ元でお願いしたのだ。

そしたら案外快く承諾が降り、拍子抜けした。


父様も元男爵領については(優先順位は高くないけど)気になっていたらしい。

父様も母様もヴィンセント兄様やエルザ姉様は用事があって付き添えない分、護衛をたくさん付けてくれた。




「リル。……怖かったら、無理に行かなくてもいいのよ?」



「いいえ、イザベル様。

あそこには、私の過去を置いてきました。

過去と決着をつけて、イザベル様のメイドとして、さらに精進したいのです。」




そう言って微笑むリルの瞳には、もう迷いはない。

そう、リルは学校に通い始める年齢になったのだ。




「心機一転のためには区切りが必要だよね!」



「はい!」



私たちはまるで、今からピクニックでも行くかのような和やかな雰囲気で、馬車で話していた。




(以前、彼女から聞いた「虹の広場」に貢がせた不穏な愛人と、妻子を捨てた父親。

こいつらを片付けることで、リルはさらに強くなってくれるはず。)




私は常に打算で動いているのだ。




 ◆




男爵領に入ると、そこは悲惨だった。

領主が金を使い果たしたせいで街も道も荒れ、人々の顔から正気が失われている。



そんな中、私たちは「没落した父様と愛人」が身を寄せているという薄汚い長屋へ向かった。

ちなみに情報はヴィンセント兄様にお願いして調べてもらった。




「お、おい、お前はリルか!?リルなんだな!」




現れたのは、かつての威厳など微塵もない、薄汚れた身なりの男。

リルの父だ。


彼はリルの着ている上質なメイド服を見るなり、卑しく目を輝かせた。




「そうか、良いところの貴族に拾われたのか!

ちょうどいい、金を、金を寄こせ!

あの女(愛人)がエルフの男と逃げるために、俺の金を全部持っていきやがったんだ!」




「お黙りなさい。」




リルの声は、氷よりも冷たかった。


彼女は溢れ出す憎悪を隠そうともせず、男を足蹴にする勢いで罵声を浴びせた。




「今の私と母様が、どれほど裕福で幸せか。

あなたという『汚物』がいないだけで、世界はこれほど輝くのだと知りました。

あなたのような『碌でもない』『口先だけの』『人間としてクズ』は、今や誰も必要としていません。

分かりますか?あなたは存在価値がないのです。

あぁ、とっても『可哀想』で『惨め』な人ですね。」




リルは始終微笑みながら父親に向けて言った。




そんなことを言われて、腹が立たないはずがない。

リルの父親はリルに「この糞がぁぁぁあ!」と言いながらリルに殴りかかって来た。




すかさず、私の護衛たちが男をねじ伏せた。



「父様、いえ、元男爵。

あなたに『とっておきの場所』を用意しますわ。」




 ◆




激昂し、醜く暴れる元男爵を私の護衛たちが「広場」へと投げ捨てたた。

そこには、領地の荒廃に怒りを募らせた住民たちがいた。



リルは堂々と声を張り上げる。




「皆様、お聞きになって!

この男こそが、愛人に溺れて領地を売り渡し、皆様を捨てて逃げようとした元男爵です!」




そう、元男爵が身を隠していたのは、住民に報復されるのを恐れたからだ。

金も人望もない彼には、ここ(元男爵領)以外に居場所はなかった。



正体を知った住民たちの怒りは、一気に爆発した。

罵声が飛び、石が投げられ、男は半殺しの状態で地面を這いずり回る。



元男爵は…それはもう酷い有り様だ。

助けを求めようとする声も、もう喉は潰れて声は出せない。


逃げようにも、足は折られていて立つことすらできない。

手を伸ばそうにも、手も折られて明後日の方向に曲がっている。




リルはその光景を見下ろし、元男爵に最後に極上の笑顔でこう言い捨てた。




「母様と私が味わった数年間の地獄が、これだけで済んだことを喜びなさい。

二度とその汚い顔をこの世に晒さないでくださいね。

あ、あと安心してください。

あの女(愛人)も見つけ次第、同じようにして差し上げますから。」




リルは深く息を吐き、ようやく溜飲を下げたようだった。




ーーーその後。


男がどうなったかを知る者はいない。




ところで、今回のリルが『悪役令嬢』っぽかったのは、もちろん私との作戦だった。




いかに相手のメンタルをズタズタにして心を折ることができるか。

行きの馬車で練り上げた『断罪』を、彼女は見事にやり遂げたのだった。





(よーし、第一段階完了。

さて、次は愛人の方を探したいところ…。

ん…?)





見やすいように修正しました。(2026/6/4)


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