錦木千束の「ゼロGも、訓練も、全力で楽しむんだよ!」編
◆ プロローグ:浮いてみたい女
千束(音声ログ)
「ねえねえ、みんなはさ、ふわっと浮かんでみたいって思ったことある?
私はずーっと思ってた。重力って、毎日私たちを押さえつけてるでしょ?
だったら、一回ぐらい逆らってみたいじゃん!
1. 【耐G訓練】――「ねえ、コースターよりヤバくない!?」
千束(体験中・実況風)
「まずやらされるのが“耐G訓練”。
遠心分離機って言って、ぐるぐる回るコーヒーカップの進化系。
速い、重い、顔がムギュウってなる! 身体にかかる圧は最大8G。
つまり、体重が8倍よ!? 銃も撃てないし、笑うこともできないんだから!」
→ 千束の一言メモ
「8Gでは、私は“自分の手”を顔まで持ち上げられなかったよ。筋肉が裏切った感じ」
「でも、呼吸法でなんとかなる。私は“ヒュッヒュッフー”で乗り切った
2. 【無重力訓練】――「宙に浮くって、じつはすごく不安定」
千束(訓練直後、天井に頭ぶつけて)
「ゼロG、やばっ!浮くのって、フワーって優雅だと思うじゃん?
違うの、ちょっと動いただけで体がぐるんぐるん回っちゃうの。
下も上もなくなるから、“自分の体がどこ向いてるか”分かんなくなるんだよね」
→ 千束の一言メモ
「宇宙では、“押すと戻る”、ちょっと触るだけで飛ぶ。つまり“静止する技術”が大事!」
「射撃? 無理無理! 引き金ひくだけで反動で飛ぶから!」
「だから“姿勢制御”は武術に近いよ。重心じゃなくて“意識の重さ”で止まる感じ
3. 【閉鎖環境訓練】――「ねぇ、3日間しゃべらないなんて無理ぃ!」
千束(訓練3日目、モニターに向かって)
「……この訓練、一番しんどい。閉鎖空間で何日も同じ人と過ごすって、
リコリス任務のとき以上に“心”が試されるんだよ。
私って、沈黙とか耐えられない性格でしょ? だから最初はずっと喋ってたの。
そしたら“集中力が乱れる”って怒られた!」
→ 千束の一言メモ
「無音空間って、自分の心の声がでっかくなるの」
「パートナーの表情から“気持ち”を読み取るのが大事。宇宙では声より目」
「ごはん? チューブだよ。カレー味、ちょっと恋しくなる
4. 【船外活動訓練】――「うわっ…これ、ただの“宇宙型スナイパー訓練”じゃん!」
千束(模擬訓練・水中施設にて)
「船外活動(EVA)って、要は“命綱つき宇宙おさんぽ”だけど、
ホントは“ミリ単位の正確さ”と“数時間の体力維持”が命取りなの。
スーツは重い、酸素は減る、何かあっても誰も助けに来れない」
→ 千束の一言メモ
「水の中で動くって、ほんとに『反応が遅れる』の」
「だから手順の“1秒”が致命傷。撃つよりも“迷わない”ほうが難しいの」
「姿勢維持、呼吸、確認、そして“冷静”。これはもう……戦場だよね
◆ エピローグ:「地球って、重い。でも優しい」
千束(訓練後・夜の展望デッキにて)
「宇宙はね、“自由”みたいに見えて、全部“決まりごと”の中で生きてるんだよ。
浮かぶためには速度がいる。動かないためには止める技術がいる。
食べるにも、眠るにも、全部が“計算”と“我慢”の上。
だけど……そんな世界で、人間がちゃんと呼吸できて、笑えるのって――
訓練してでも、行く価値あるよね!