シーン:とある夜の屋上で、星空を見ながらロケットの話題に
千束「あれ見て見て、流れ星じゃなくてロケットの残光かも!最近は打ち上げ多いしさ~♪」
ひとり「えっ、あの……ロ、ロケットって、使い捨てじゃないんですか……? い、一回で終わりって、テレビで……見ましたけど……」
圭介「昔はそうだったな。でも今は違う。スペースXって企業が、ロケットの“第1段”を回収して、再利用してるんだ。打ち上げコストを大幅に下げるためにね」
夏美「へぇー、ロケットってそんな“お得パック”になってんの? てっきり毎回ドカン!って燃えて、さよならかと思ってた~」
千束「実際そうだったんだよ~。でも今は回収して“また使う”時代!ファルコン9ってロケット、着陸できるのよ。ゴゴゴって下から噴射して、ひゅ~って降りてくるの。超かっこいい!」
ひとり「じ、自分で飛んで……自分で帰ってくるなんて……そんな……社会性のあるロケットなんて……私には無理ですぅ……」
圭介「まあ、現実はかなりハードだけどな。エンジンの整備は毎回必要だし、推進剤も余分に積んで帰還させる必要がある。回収コストだってゼロじゃない」
夏美「でもそれでもお得なんでしょ? だって毎回“新品”作るより“中古”のほうがさ~、使える部分は残して、壊れたとこだけ直せばいいじゃん!」
千束「その通りっ!でね、ノズルの形も重要でさ。ロケットの後ろのアレ、絞ってから広がってるでしょ? あれでガスが“音速”を超えて加速するんだよ!」
ひとり「え……えっと、音速の前では狭めると速くなって……超えた後は広げると……速く……なる、ってこと……?」
圭介「そうだ。サブソニック(音速以下)では“狭いところ”を通ると加速する。だけどマッハ1を超えると、“広がる部分”でさらに加速する。流体力学では、これは“ラヴァルノズル”と呼ばれる構造だな」
夏美「あ~、まじで“物理って現実なんだな”って感じ? ファンタジーじゃないのがウケる~」
千束「つまり、ノズルがあるから“ドカーン!”じゃなくて“ゴオオオォッ!”って感じで効率的に飛ぶんだよ。宇宙までびゅーんと!」
ひとり「は、はやいですね……私のギターよりずっと速い……っていうか……無理です……」
圭介「人間は飛べない。でもロケットは、回収されて、整備されて、また空を飛ぶ。今はそれが“ビジネス”になる時代なんだ」
夏美「フェアリング(先っぽのカバー)まで回収しちゃうんでしょ? しかも船の上の“ネット”でキャッチって、どんなUFOキャッチャーだよ!」
千束「ナイスキャッチって言うんだよ~。私も一回やってみたい、フェアリングキャッチ!」
ひとり「む、無理ですぅ……ゲームのUFOキャッチャーですら、一回も取れたことないのに……ロケットなんて……ぜったい落とす……!」
千束「でも、何回も落として、何回も挑戦して、最後に成功するんだよ。スペースXも、最初は着地失敗ばっかりだったんだから!」