ロケット講義:なぜ段々に分けて飛ばすの?
千束「さぁーて、今回のお題は“なんでロケットって途中でポイポイ部品を捨てるの?”って話ですっ!」
ひとり「えっ……ゴミが……出ちゃうのは……ダメじゃないんですか……?」
夏美「いやいや、それがね、“捨てなきゃ進めない”のがロケットなのよ」
圭介「ロケットって、最初は全部の重さを背負ってるだろ。でも、それを一個ずつ切り離していくと、“残った部分が軽く”なっていく。そうなると、同じ力でも“加速しやすくなる”ってわけだ」
千束「つまり、最初は“おもーいカバン”背負って走ってるんだけど、途中でどんどん中身をポイって投げていくと、だんだん身軽になって、最後は全力疾走できる!みたいな?」
ひとり「わ、わたし……それでもすぐ息切れしますけど……」
夏美「例えの話よ。でも、的確。最初の加速、つまり“1段目”では0.33km/sしか加速できないのに、最後の“6段目”では1.0km/sも加速できてる。これは本体が軽くなったからなのよ」
圭介「運動量保存の法則って知ってるか? 投げたモノの速さ×重さと、本体の加速量×本体の重さがバランスしてる。だから、軽い本体に同じ力を加えると、より速くなる。これがロケットの加速のキモだ」
ひとり「じゃあ……できれば……最初から“頭”だけで行けた方が……効率いいんですか?」
千束「そうなのー!でもね、最初の“頭”って、まだ地面にベッタリくっついてて、自分だけじゃ飛べないんだよ。だから、他の“捨てる段”たちが頑張って押し上げてくれてるの!」
夏美「そう、ロケットって最初の方は“ゆっくりスタート”なの。でもね、そこを過ぎると一気に加速がつく。つまり“終盤に向けて速くなる”のがロケットの特徴なのよ」
圭介「最初の段階では“まだまだ投げる荷物”が残ってるから、加速は控えめ。けど、最後は“もう荷物ないぜ!”って状態で、最大のスピードが出せる」
ひとり「な、なんだか……人生みたいですね……最初は重たいけど……だんだん身軽になって……最後に……燃え尽きる……」
夏美「燃え尽きちゃダメだけどね!でも本質は合ってるよ。ロケットも、最初の苦しい準備があってこそ、最後の加速に繋がるの」
千束「ってことで、みんなも最初の一歩がちょっと重たくても、だんだん勢いついてくから大丈夫!段切り離しながら、人生突っ走れー!」
ひとり「で、でも……私、まず靴を履く段階でつまずいてます……」
圭介「大丈夫だ、宇宙だって1段目から始めてる