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リバース・ワールズ・アカデミー 記憶喪失の俺は反転世界の学園で頂点に立つ  作者: カギナナ


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8/9

番外

「私もあなたと同じ、魔法が使えないの」

 そんな信じがたいことを告げられて、俺は固まってしまった。

「え…?それってどういう…」

「経緯は違うけど、どちらにしろ今の私の状態はあなたとほとんど変わりはないってことよ」

 一体なんの冗談だよ。こんなプライドの高そうなお嬢様がこの魔法がすべてのような世界で魔法が一切使えないだって?何がどうなったらそんなことになるんだよ。

「私は属性の適性自体はあるらしいわ。けど、それも微かなもので何よりも…私には魔法を使うための魔力がないのよ!」

「ッ!」

「いや、少し違うわね、ないじゃなくて使うことが出来ないって言ったほうが正確ね」

 そう言いながらリンは空に向かって手を伸ばし赤の魔法陣を顕現した。おそらくは火属性の魔法だろう。そして魔力を込め、発動する段階に入った瞬間その魔法陣はまるでガラス細工のように砕けた。

「ほら、私は別に魔力自体がないわけじゃないはずなのに魔力を流して魔法を発動させようとした途端にこうやって魔法が壊れちゃうのよ。」

 なるほど、俺が根本的に魔法が使えない身体なのに対してリンは各属性の魔法陣を構築することは出来ても、それを発動させるために使わなければいけない魔力を自由に使うことが出来ないってことか。

 ひとまず言えるのは、リンが俺とはある意味真逆の問題があるってことか。

「じゃあ魔法が使えないんだったらなんでリンはこの学園で生活できてるんだ?魔法を学ぶところだったら今のリンはこの学園ではできることがないんじゃないのか?」

 そうだ、魔法が使えないんだったらまた別の道を探せばいいじゃないか。どうしてこの学園にそこまで固執するんだ。

「嫌なのよ」

「え?」

 彼女の目には微かに涙が滲んでいた。その何度も見てきた意志の強い瞳はいつも以上に真っ直ぐに俺の目を見つめていた。そしてその瞳の中をそのまま言葉にする。

「嫌なのよ、もうこれ以上誰かが争うために戦って死んでいくのが…だから私はこの手でそれを止めたいの。何年経っても、何十年経っても」

 やっぱりリンは優しい、誰よりも。こんなに優しい少女に何て厳しい現実を見せているんだよ神様。

「分かった。俺はお前と一緒に戦うよリン。これからどんなことがあったとしても俺はリンの願いを叶えるためにずっと隣りに居続ける」

「刹那…」

 そうだ、俺は彼女のために手を差し伸べないと行けないんだ。今の俺に一体何が出来るのかなんて分からない。それでもやらないといけないんだ。

 俺が、リンのために戦うんだ。

「んな…なんでそんなこと急に言い出すのよ!そんなの当たり前でしょあなたは私の従者なんだから!!」

 リンはそう言って背中を向けてしまったが、その時一瞬見えた表情はどこか嬉しげでこっちまで嬉しくなった。

 そうして俺たち二人は今日のところは眠りについたのである。



 朝、目が覚めたがまだ日が出たばかりのようだ。窓から外を眺めていみると少し離れた森のところに大きな岩で囲まれている池のようなものが見えた。

(少し、身体でも流しに行くか)

 そうして俺は部屋を出てその池の方へ向かった。

 向かっている間俺はずっと考えていた。どうすればリンの力になることが出来るのか。この世界で魔法を使えない俺に出来ることって何なんだろうか。

 森に入るとすぐにその岩場がすぐ見えた。よく見てみるとやはり池のようだった。

「おぉやっぱりここ池だったのか。水浴びにはちょうど良さそうだな」

「なっ…なんであなたここにいんのよ!?」

 その声が聞こえた直後だ。池の端に目をやるとそこには真紅の髪を水に濡らし、衣を纏わぬ無垢な姿を晒す少女がその細い腕で出来る限りにその身体を隠して困惑した様子でこちらを見つめていた。

「エット…、やっぱり小さいな」

「んなっ!?!?」

 俺もこの状況で一体何の言葉を発せば良いのかわからず咄嗟に今この目に映ったものに対して思ったままの感想をそのまま口に出してしまった。それが悪かったのか、リンの地雷を踏んでしまったらしい。

 すると、その場にあった大きめの石をリンは持った。殺意のこもった目だ。そして服を着ていないことも忘れてた歩み始めた。その殺意を感じ取った俺は即座に土下座の姿勢を見せた。

「リンほんとにごめんな小さいとか言って!でも諦めないでくれきっとそういう小さい方が好きな人だって絶対いるから自信持ってくれッ!!」

 俺の渾身の土下座を受けてもリンの歩みは止まらない。いや、むしろ早まったと言っていいだろう。そして俺の眼前まで来たところで歩みを止めた。見上げると瞳からは雫が流れ出そうとしていた。

「…リ、リンさん?」

「小さい小さいうるさいのよこの変態ッ!!気にしてること言うなバカ!!!」

 

 その声と同時、その石が振り下ろされ、俺の意識は闇に落ちた......




あとがき

今回もリバース・ワールズ・アカデミーを読んでくださり誠にありがとうございます。いつも読んでくださる皆さんのおかげでまだまだめげずに続けられてます!今回は少し番外的な形で作らせてもらいました。やっぱりこういうのがあったほうがラノベは面白い!(個人の意見)ってことで気が向いたらこのような回もちょくちょく出せるようにしていきたいと思います。ではまたいつか会いましょう。(フォローレビューよろしくお願いしますね(震え声))

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