呪われた少女
無事(?)に魔力適性測定を終えた俺とリンは空が暗くなり始めようとしている街中のレストランで夕食を食べることにした。
「私の行きつけのお店があるの。そこへ行きましょう」
と、リンに言われて手を引かれるがままそのレストランに着いたのだが、いかにも貴族様が訪れそうな豪華な装飾が飾られていた。中へ入ってみても、いかにもな服装で出迎えてくる男の人などがいて緊張しっぱなしだった。ただ、実際に出てきた料理はどうしようもなく美味しくて幸せを感じられた。
そしてそれ以上に幸せそうにスイーツを食べていたのが、
「う〜ん♡これおいしい~♡」
このリンという少女なのであった。やはり女の子はみんな甘いものが好きなんだな。
『ほらせっちゃん!このお菓子おいしいよ!?』
「ッ!?」
突然”今の”自分には聞き覚えのない声と、眩しいほどに明るい笑顔が脳裏をよぎった。それに驚いて反射的に俺は椅子を立ち上がった。
「うわっ!な、何よ刹那どうかしたの?」
「いや、なんでもない。気にしないでくれ」
その不自然な行動にリンは首をかしげ、どこか腑に落ちない感じだったが「そう、ならいいわ!」とだけ言って何事もなかったかのようにまたスイーツを口にした。
レストランでの夕食を済ませた俺とリンは寮がある高台に向かって帰路についた。周りを見ると昼間とは少し印象は違うが、まるで異世界の人間たちと戦争している国とは思えない程に人々の表情は暖かかった。こんなに暖かい世界なのに、なんで戦争なんてしてるんだよ。
そんなとき、ふとリンが語りかける。
「私ね、この街が好きなの。優しくて暖かい、この街が」
優しい目だ。リンのこの目はまさにこの街を表してると行って良い。それほどに綺麗で、真っ直ぐで、暖かい。
「ああ、そうだな。俺も来たばっかりだけどここの人たちはみんな優しい表情をしてる。良い街だよほんとに」
そんな何気ない会話をしながら俺は今日から暮らすことになるこの学園広い敷地の中にに建てられている寮に向かうのだが…
「お…おぉ…まじか」
ついた場所はさっきのレストランをそのまま大きくしたような外装で学生が日々生活していくためのものとは思えないほどにものだった。何人か同じ制服を着ている人が中に入っていってるからおそらくここが寮で間違いないだろう。
(ここでこれから生活するのか。うまく生活できんのかこれ?)
そんなことを考えながらその巨大な施設の入り口らしき大きな扉に手をかける。が、その瞬間リンに肩をつかまれ、その入り口から離されていく。
「おいリンなんで引っ張るんだ?」
「刹那、あたしたちが入る場所はこっちじゃないってば!」
「え?」
なんのことだ?ここが学園の生徒の寮なんじゃないのか?
いくつかの疑問が生まれながらもリンに手を引かれるがままその大きな施設の裏まで行ってみるとリンがとある施設までいき足を止める。そして俺にこう告げる。
「ここが、あたしたちの暮らす場所よ」
「あぁなるほどここか」
あ、なんだろうこの残念な感じよりも安心する感じがしてちょっと落ち着いてきたかもしれない。いや、これでもすごいとは思うんだけど昨日からずっと見てきたものと比べると少し、と言うかかなり見劣りするな。さっきまで俺が入ろうとしていた寮と比べるとかなり小さく、古びたアパートに近しい場所で…ん?
「ちょ、ちょっと待てよ」
俺は当たり前のようにこの幽霊が出てきそうなアパートのようなの階段を登っていこうとしていたのでそれを一度止めた。
「うん?どうかしたの刹那」
「いや、俺たちが住むのは寮って言ってたよな?」
「ええ、ここがそうよ」
「じゃああっちのでかい場所はなんなんだ?」
少し言いづらそうにしていたが、言わないことはできないと感じたのか俺に言った。
「あっちは一般生徒の寮なの。そしてこっちは少し訳ありの異端生徒用の場所なのよ。だからあなたが暮らすにはちょうどいいと思うわ。」
そういうことなのか、と一人納得するがリンに対して一つの疑問を問いかける。
「俺が向こう側の世界から来たからそういう訳ありの場所に住まわせるようににするのはわかるけど、なんでリンが元からこの場所にいるんだ?」
その問いにリンは心底言いたくないような表情を浮かべて、一人俯いた。
「いやまぁ言いたくないんだったら全然言わなくてもいいんだけど」
なんだか気まずい空気が数分の間続いたため、俺とリンは部屋に入ることにした。
「ここがリンの住んでる部屋か、思ったよりも広いんだな」
「まぁそうね。もともと2人部屋だったのだけど私のルームメイトがわけあっていなくなっちゃったのよね」
大きなベッドが2つ、その周りには動物のぬいぐるみ、机に全身鏡などが見れる。そして玄関のすぐそばの扉には脱衣所があるようで生活感のある部屋だ。なるほど、ここで今日からリンと一緒に暮らすのか。ベランダもあるようでそっちに行って夜空を眺めた。
「うわぁ綺麗だな」
「そうでしょ?私結構ここからの眺めが好きなのよね」
下の方を見ると親子が仲が良さそうに電灯で照らされた道を歩いているのが見えた。それを見て平和そうだなとつい笑ってしまった。そんな風に夜の街を眺めていると隣で眺めていたリンが俺に声を掛けてきた。
「ねえ刹那」
「ん?どうしたんだリン」
そしてリンはとんでもないことを俺に告げる。
「私もあなたと同じ、魔法が使えないの―――」
あとがき
今回もリバース・ワールズ・アカデミーを読んでくださりありがとうございます。なんか最近投稿頻度が…っとなっているそこのあなた!私運動部に入っているんですけれど春休み明けてから学校もあり部活もありでかなーり暇がないんですよね(言い訳)っていうことでもう少しこの頻度が続くとは思いますが見捨てずにどうかこれからもよろしくお願いします。フォローやレビューもよろしくお願いします。




