学内交流戦1(上)
『学内交流戦』詳細
カルネシア魔導学園含む、4つの学園が各学園で独自のルールで行われる国内の一大イベント。カルネシア魔導学園では2人以下のタッグバトルによるトーナメントでの決定となっている。
交流戦で優勝した者は龍神の祝福を受け、龍と魂の契約を交わし、その龍を従えることとなる。だが稀に龍以外の存在と契約を交わす事となる者もいる。その代表的な例が現在カルネシア魔導学園を治めているエルター・カルネシオンである。彼は異例のグリフォンと契約を交わすことに成功している。また、現在は龍神が向こうの世界に転移したことによって契約の儀は行われなくなってしまったが、そのかわりに各学園で優勝した者たちは重要戦力として龍神奪還及び、新たな拠点設営ため、異世界への侵攻作戦に参加する権利が与えられる。
俺とリンはこの学内交流戦で優勝することが目標となってる。それによって向こうの世界を知らなければ何も始めることができないからだ。
「じゃあ最初にやるべきことは、私たちが出来ることを見つめ直していくことよね」
さっきの様子とは全くことなる生き生きとした様子でこれからのことについて話しだした。
「まず、私たちにとって一番の問題は何かしら?」
「お互い魔法が一切使えないこと、だよな」
その返答をした俺に対してリンは大げさに人差し指をビッと突きつけた。
「そう!あんたがいるこの世界では戦闘のメインを担ってくるのは常に魔法よ。だから基本的に魔法を使えない私たちが丸腰で戦ったらまず間違いなく即負け確定。話にすらならないわ」
実際その通りなんだろうな。この世界は魔法絶対主義、魔法を使えるやつとそうじゃないやつの力の差なんて比べるまでもないっていうのがこの世界の常識ってことか。俺が一人で納得していると「だけど」と、話を続ける。
「より強い魔法を扱うことが魔法戦の全てじゃないわ。本戦だと実際に武器を所持することを許されているわけだし」
「まぁそれはそうだが」
たしかに武器次第では魔法使いを出し抜く可能性は少しはあるだろうが。
「それだとしても結局決定打にはなることはないんじゃないのか?」
この問いについてもリンは自信あり気に語りだす。
「大丈夫よ刹那。魔法が使えなくても魔力を制御すればそれを応用することさえできればただのなまくらでも相手に十分なダメージを与えることができるわ」
「おぉ!」
そのリンの熱弁に興奮したような声を俺は上げた。
「それどうやってやるんだよリン!早く教えてくれよ!」
「それはね…」
(ゴクリ)
「2週間、屋敷でみっちり稽古することよ!」
「おぉー!おぉ~…おぉ?」
その後、リンはエルターさんに連絡を入れて、稽古を行う準備を頼んだようだ。そして俺はリンに言われるがままエルターさんの戻っている屋敷に訪れた。いつも居る書斎に向かうといつも通りにエルターさんが待ち構えていた。
「やぁおかえりリン、そして刹那くん。話は聞かせてもらったからね、すぐにでも君たちには私の部下に稽古をつけてもらおうと思う。ちょうど学園は今日から交流戦の準備と生徒の自主的な実力向上のための期間を設けるつもりだ。その間授業は一週間ほどないことだし、それでいいだろう、リン?」
「ええ、それで構わないわ。私たちには時間がないもの」
そのリンの返答にエルターさんは小さく頷いた。
「分かった、では早速訓練開始と行こうか…ということで良いかいライデン」
エルターさんが了承とともに急に(おそらく)俺の方を見ながら知らない名前を口にした。
「ぇ?」
俺は自分に言われたのかよく分からず反射的に気の抜けたような声を出してしまった。
「承知致しました。エルター様」
だか俺の疑問に答えるかのように背後からそのような言葉が聞こえた。即座にその声の主に視線を向けるとそこにはこの屋敷の使用人と同様の装いをした初老の男だった。
「お、うぉ」
初老と言っても俺や凛と比べれば明らかに大きく、長年この屋敷に仕えて来た貫禄をはっきりと感じられた。なのにまったく足音もしないし気配も感じられなかった。そんな特異な雰囲気をこの男は放っていた。そして男は細く鋭い眼光で一瞬俺を一瞥した。それを受けて俺は鳥肌が立った。
「ライデンあんた、またいつの間に背後とってるのよ」
「申し訳ありません、リーンお嬢様。少々脅かそうと思いまして」
リンが呆れ半分で抗議の意思を示していたがそれに対して、このライデンさんという男は穏やかな雰囲気で可笑しそうに語った。
「あのエルターさん、この人が?」
その問いの中身を理解して、エルターさんは答えた。
「ああそうだ。彼が今日から君たちに稽古をつけてくれるライデンだ。一応私の懐刀であり、20年来の親友さ。君は今回会うのが初めてだろうがそれは私が彼に向こうの世界の調査を頼んでいたからなんだ。まぁそこまで珍しいことではないけれどね」
そこでライデンさんはエルターさんの話しに合わせ、エルターさんに語りかける。
「はい、今しがたその調査に一区切り付いたため、こちらに帰還した所存でございます」
そこは流石ここ一帯を統治しているといったところか、向こうの世界への干渉が多いということなのだろう。俺もこれから一体どんな形で向こうの世界に行くことができるのだろうか?
そんなことに考えを巡らせていたところ、ライデンさんの鋭い眼光と目が合った。そしてライデンは確認を取るべくエルターさんに問いかけた。
「エルター様、先日私に魔剣術を伝授してほしいと言っておられた少年と言うのが」
「もちろん、彼のことさ名前は刹那くんという」
自分の予想が間違いでないことを確認すると、ライデンさんは俺に向き直り一礼をした。
「申し遅れました。私、ライデンと申します。リーンお嬢様がお世話になっております」
「いやいやそんなことないですよどちらかと言うとこの2人に何から何までしてもらってる感じなんで」
この屋敷の人からのこういう話され方は慣れてきたがこの人のような屈強な人に言われるのは少し気圧されてしまいそうになる。だか何がどうあれこの人がこれから俺にいろんなことを叩き込んでくれる師匠なんだな。
そんなことを思っているとライデンさんが「それではこれからよろしくお願いします。刹那様」
そういいながら俺の方へ手を差し出した。それに俺は答えるようにその手に自らの手を合わせた。
「あぁ、こちらこそよろしく頼みます。ライデンさん―――」
あとがき
いやぁ~どうもお久しぶりです()なんでこんなに遅くなったのかいまいちわかりません!(本当にすいません)ここまで見続けてくれてる皆さんは神ですか?神なんでしょうね。と、言うことで今回もリバース・ワールズ・アカデミーを読んでくださりありがとうございます。次回以降は投稿頻度を改善していけるように頑張るように善処することを検討します。




