042 苛立ちと待ち伏せ
後書きに【大切なお願い】があるので、そちらの確認もどうぞよろしくお願いいたします!
奏多たちと別れた後。
エレナは苛立ちを感じながらも、次々と目の前に現れる魔物を薙ぎ倒していた。
(あの冒険者、なんなのよ……)
あの青年の言葉が、何度も頭をよぎる。
『一人では無理だ』『パーティーを組まないか』
――そんな言葉の数々が、不快な記憶を呼び起こす。
「雷霆衝!」
「ガァァァァ」
彼女の剣から放たれた稲妻が、一際大きな魔物を両断する。
〈雷霆の鼓動〉の力が、周囲の空気を震わせていた。
(ほら、私一人で十分よ。誰の力を借りずとも……)
そう心に言い聞かせながら、エレナは第20階層を進んでいく。
数時間後。
エレナは次々と現れる魔物を打ち倒し、ついにボス部屋の手前まで辿り着いた。
しかしその時、前方から複数の人影が現れる。
「へへっ、待ってたぜ」
にやにやと笑みを浮かべる『赤蛇の牙』のメンバーたち。
その数は優に10人を超えていた。
「……どうしてここに?」
「おいおい、分かんねえのか?」
リーダーの男が一歩前に出る。
その目には底意地の悪い光が宿っていた。
「これが最後の通告だ。大人しく俺たちの仲間になってボス討伐に協力しろ。そうすりゃあ痛い目は見なくて済むぜ?」
エレナは冷ややかな目で男を見据える。
「何度言えば分かるの? 私はあなたたちみたいな連中とは組まない」
「チッ、生意気な口を……!」
男の部下が声を荒げ、剣を抜く。
他のメンバーも同様に武器を構え、辺り一帯に殺気が充満する。
「じゃあ力ずくで分からせるまでよ!」
男たちが一斉に襲いかかってくる。
しかし、エレナの表情は変わらない。
「ふぅ――面倒ね」
静かな吐息と共に、エレナが腰の剣を抜く。
瞬間、彼女の周囲に雷光が渦巻き始めた。
〈雷霆の鼓動〉が発動したのだ。
荒々しい雷の波動が空間を支配し、周囲の空気が軋むような音を立てる。
10人を超える冒険者を前にしても、彼女の瞳に迷いはない。
むしろ、そこには冷徹な闘志が宿っていた。
「これが貴方たちの望んだ結果よ」
エレナの冷たい声が響く中、雷鳴のような轟音が通路に満ちていく。
「「「――――っっっ!!!」」」
この瞬間、誰もが理解した。
これが単なる脅しではなく、彼女の本気の意思表示だということを。
次の瞬間、激しい戦いの火蓋が切られるのだった。
【大切なお願い】
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