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10年前に回帰した元世界最強は、隠しスキル〈共鳴〉と未来知識で無双する ~俺だけ2周目の世界で、ダンジョンを最速攻略していきます~  作者: 八又ナガト
第二章

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036 特訓とアナウンス

 集まった石像兵は全てで5体。

 全員にデバフをかけてもらい、先ほどのように倒すのでもいいのだが、ここで少し趣向を変えることにした。


「せっかくだ。この機会に、スキルの特訓としよう」

「特訓、ですか?」

「ああ。より効率的なデバフの使い方を学ぶんだ」


 祈は【調律士】の称号を得たことで、他者の魔力が視認できるようになった。

 それに伴ってデバフの最大効果量は上昇。

 さらに『新世紀会』と遭遇した時にかけてもらったように、一度かけただけで効果を持続させられるようにもなった。


 しかしそのどちらも、バッファーの本質ではない。

 相手が遥か格上の時ならばともかく、今回のように複数の魔物を相手にする場合、より効果的な活用方法がある。

 それはつまり――


「俺が攻撃を加える相手にだけ、瞬間的にデバフを発動してくれ。そちらの方がMPを節約できるし、何より判断力と発動までの速度を鍛えることができる」


 その2つはバッファーにとって、最も重要な能力と言えるだろう。

 さらに生まれ持っての才能でなく、後天的に鍛えることもできるのが魅力的だ。


 そんな俺の意図が伝わったのだろう。祈は真剣な表情で頷く。


「分かりました、やってみます」

「よし、頼んだぞ」


 祈を信頼し、俺は再び石像兵を相手にしていく。


 一体目は少し早めにデバフがかかり、二体目は逆に遅れ気味。

 しかし三体目からは徐々にタイミングが合ってきた。

 祈の成長速度は、やはり常人の域を超えているようだ。


 その後、俺たちは無事に石像兵の群れを討伐。

 戦闘後、祈は肩で息をしていた。

 その額には大粒の汗が浮かんでいる。


「はあ、はあ、何だかすごく疲れますね」

「慣れないうちは仕方ない。少しずつ鍛えていこう」

「はい!」


 気合十分な祈の返事に、俺は思わず微笑む。

 その後も俺と祈は、出現する魔物を全て倒しつつ、『古代神殿跡』を進んでいくのだった。




 その後、攻略開始から四時間ほどが経過。

 荘厳な空間を進みながら、俺は改めて戦果を確認する。


 さすがはレアダンジョンと言うべきか、俺のレベルは既に51から53に上がり、祈に関しては48から52まで上がっていた。

 この階層まで来て、一日でこの上り幅はなかなかのものだ。


「――ソニックエッジ!」


 祈の掛け声と共に、眩い光が閃く。

 放たれた魔力の刃は、石像兵より一回り小さな魔物の胴体を切り裂いていた。


「いいぞ、祈」


 防御力が石像兵ほど高くない魔物が現れた際は、【指揮杖コンダクト・ロッド】による付与スキル、〈ソニックエッジ〉を使うことで祈が直接魔物を倒すこともあった。

 その姿は、もはや数日前の彼女とは思えないほどの成長ぶりを見せている。

 そのおかげでより効率的に経験値を獲得できたわけだ。


「この調子だと、明日にでも目標を達成できるかもな」

「そうだと嬉しいんですが……」


 そんな会話をしていた直後だった。

 突如として、ダンジョン内にアナウンスが鳴り響く。



『一定数の魔物討伐を確認しました』

『最奥の間が解放されます』



 神殿内に響き渡る機械的な声に、俺は思わず眉を寄せた。

 これは少しばかり、予想外の現象だったからだ。


「奏多さん、今のって……」

「ボス部屋の解放を告げるアナウンスだな。もうそんな数が倒されたのか……」


 事前に想定していたよりもかなり早い。

 おそらく他の実力者も多く潜入していたのだろう。

 できれば、最も経験値の高いボスは俺たちで倒したいところだ。

 目標達成のためにも、そこは譲れない。


 石畳を踏みしめる足音が、荘厳な空間に響き渡る。

 他の冒険者たちも同じように気付き動き出しているのだろう。


「ボス部屋はここからかなり近いはず。急いで向かおう」

「はい!」


 ここからは正真正銘、早い者勝ち。

 俺と祈は互いに頷き合い、素早くダンジョンの奥へと駆け出すのだった。

ここまでお読みいただきありがとうございます!

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