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立場

私たち一人ひとりに与えられた場所、それが「立場」なのだ


立場は、私たちが自由に選択したり、変更したりできるものではないんだ。

それは、私たち一人ひとりに与えられた、まるで舞台のような場所だ。

しかし、立場は不思議なもので、ある日突然変わることがあるんだ。

立場は、環境の変化によって変わり、

時には自身の意思とは無関係に移動してしまうこともある。


立場が変われば、それに伴って視点も変わる。


・・そうだなぁ、たとえ話をしてみるか。


例えば山があるだろう?


その山を右から見た時・・・東でもいいか。

東から見た時と、西から見た時は同じように見えるか?と言う話だ。


当然、同じようには見えないんだよ。

同じ山を見ているはずなのにまるで違うように見えてしまう。


私は東からしかその山を見る事が出来ないんだ。

さて、その山の西側に住んでいる人と話をすると。


どうやら、その山が全く違う物のように見えているみたいだ。

私はこれをどう解釈したらいいのだろうか?


彼が嘘をついていると思っていいのだろうか。


東側から見ると、山は朝陽に照らされて、希望のシンボルみたいに輝いて見えるんだよ。

西側から見ると、山は夕陽に沈んで、一日の終わりみたいな感じなんだ。


まるで別の山を見てるような錯覚に陥ってしまうんだよ。

彼が嘘をついて何の得になるのだろうか?

でも、俺には西側に行く方法がないから、確かめようがないんだよ。


まさにそれが「立場」ってやつなんだよ。


私にはその山の裏側が見えないんだよ。

だからといって、あいつを嘘つき呼ばわりしていいのか?

ダメだろう、裏側の確認が取れない以上、彼のいう事は信じるべきだ。


簡単な話なんだ。「立場」が違うと見え方も違う。それだけの事なんだ。


「政治山」という山がどう見えるか、と言う話をすると

必ずと言っていいほど、東側、西側がお互いを嘘つきと罵りあう。


西がどういっているか、東がどういっているか、

それはもう知ってるだろうから私からは言わないが。


しかしだ、所謂「立場のある方たち」には分かっているとしても、

それを認めるわけにはいかないんだろう。


それが彼らの「立場」なのだから。


別に、この山だけの事じゃないさ。どんな山であれ「立場」がある以上、

私たちにも、誰にも、「見えない裏側」が存在している。


安易に「そんな風に見えるわけがない。お前は嘘つきだ」と言えるものではない。


私はこの自論に至ったせいで、無暗に人を疑う事はなくなったよ。

それが良いことかどうかは別の話になるが。

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