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イケメンに異世界転生したら森に捨てられてた件  作者: 八条院せつな
第2章 ヤマト 別れと放浪時代
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第90話 監視開始

一気に話の判る人になってくれたエルフ。俺は、そもそもの会話に戻ることにした。


美少女エルフ ルシナも今では微笑すら浮かべてくれている。今ならフランクに話すことが出来るだろう。


「しかし、ここの洞窟に俺達がいるってよくわかったね。」


「そりゃ……こんな異様なものと匂いをさせていればね……。」


そういうとルシナは、俺の洞窟の前にある干物たちを指さした。猛烈な匂いを発している干物たちは、言われてみれば注目されても仕方ない。


これ臭いもんな…………。ちょっとアホな行動だったかも知れない。


「あはは……」


俺は苦笑いをせざるを得ない。


「ふふ。でしょ?まぁ、こんなことする人達は悪い人じゃないとは思っていたんだけど、まさか子供だとはね。ボクもビックリしたよ」


すごく丁寧に「アホな人達だと思ってた」といわれている気がしないでもない……。

しかし、疑いが晴れてよかった……良かった。


「疑いも晴れたし、晴れて放免かな?」


「悪い人達ではないのは判ったんだけど。それでもここはブルーサファイア王国の領地。放置はできないよ」


「え?」


どうやら、完全に放置はしてくれないようだ……。ここは丁寧にお断りしよう。リリスと俺が龍人の里へ行くまで、エルフに付き纏われていたら、やりにくい……。


「いえ、大丈夫です。心配してくれてありがとう」


丁寧にお断りを入れてみる俺、しかしエルフの表情は真剣だった。


「いやいや、お礼なんて言われても困るよ。ボクが言っているのはそうじゃなくてさ。放置できないって」


「えぇ?じゃあ、あの儀式何だったんだよぉ」


子供みたいに不平をたれる俺。あからさまに嫌そうな顔をした。そのときの俺の表情は無邪気な子供みたいだったかも知れない(実際に子供なんだけど……)


その顔をみて、ルシナは苦笑いをした。


「君は整っている美少年だと思うけど、表情が豊かだね」


「そう?整ってる?」


「うん、稀にみる美少年だよ。最初見たとき驚いた」


「そりゃどうも……(まぁ俺の前世を知ったら、もっと驚くだろうけどね)」


「あんまり自分の顔を自慢しないんだね。人族にしては珍しいね……」


俺は自分の顔を褒められても素直に喜べないところがあった。自分の顔であって、自分のものでない感覚。どこか、俺の前世と切り離せない自分がいるのだった。


「まぁ、自分の顔とかよりも大事なものがあるから……」


「へぇ……、ますます好感が持てるねぇ。ボクは気にいったよ。キミのこと」


「ありがとう」


「ふふふ……。じゃあ悪いけど、この森にいる間、監視させてもらうよ」


さらっと怖いことを言うエルフ。俺は驚いた。


「え?監視?」


「当然だよ、ここはボクたちの土地だもの」


「(人族側はここはエルフ領地と人族は認めていないんだけどな……)」


俺はリリスと顔を見合わせる。


「リリス、どうする?」


「ふん、問題なかろう。こちらは魔獣狩りと修行だけできれば良い」


それを聞いて、ルシナは笑った。


「魔獣狩り?そんなの人族には無理に決まってるよ。ましてや子供になんか」


「そ、そうだよ……ね」


感覚的におかしくなっているが、たしかに魔獣を狩れる5歳児なんか見たことも聞いたこともない。


俺らはエルフに監視されることになったようだ。


「じゃあ、ちょくちょく来るから。今日はここらで失礼するよ」


「いや。もう来ないでも平気だよ?」


「……来るからね」


そう言って、ルシナは南の方面へ消えていった。


「行ったな……」


完全に消えるのを見て、俺は呟いた。消えたと見せて……、どこかで監視しているのかも知れないから、一応小声だ。


リリスは疲れたような顔をして笑った。


「まったく、騒がしいエルフじゃったわい」


「監視するってさ」


「ふん……好きにさせるが良い」


「いいのかよ?なんだか心配だな……」


リリスは微笑みを浮かべた。


(ほう……、警戒心が出てきておるのか。感心じゃ……森に来て正解だったかも知れんのぅ)


「心配無用じゃ。あれは危害を加える者ではない」


「いや……用を足すときとかも見られているのかなって」


「そっちか!」

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