表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イケメンに異世界転生したら森に捨てられてた件  作者: 八条院せつな
第2章 ヤマト 別れと放浪時代
89/175

第89話 誓い完了

精霊と会話する俺に、仰天するルシナとリリスであったが、儀式は続行中……。


エルフは指を交差させたものを胸の前においた。


「了解してくれてありがとう。それでは誓いの儀式を始めるよ?」


どうも、この指を交差させたポーズは人族で言うお辞儀のようなものらしい。なんか美しいポーズだ。


「は、はい……」


俺がチラリと目を横にやると、とルシナの問答を、透明な「何か」はじっと見つめている。その様子が気味が悪くて仕方ない……。早く終えてくれ……。これ、本当に精霊なの? こえーよ。


「ヤマト君。リリスさん。ボクがこれから質問することに正直に答えると誓いを立てて」


「……はい、誓います」


「誓うのじゃ」


すると、ルシアはにこりと笑うと質問をはじめた。


「君たちはエルフの敵でないと誓えますか?」


「……はい、誓います」


「誓うのじゃ」


「エルフの秘密を誰にも漏らさないと誓えますか?」


「……はい、誓います」


「誓うのじゃ」


「はい……終了です」


「これだけ?」


「うん。ボクが知りたいことはこれだけだ。十分だよ」


そういうと、ルシナは片腕を上げた。


シュン……


魔法陣が跡形もなく消え、そして透明な「何か」はゆらりと揺れると霧散していった。


「き、消えた……」


ルシナは、先ほどまでの尖った雰囲気から一変して、柔らかい雰囲気になった。


「ありがとう。これで安心して喋れるよボク」


「そこまでしないと信用できないものなのか?」


俺は少し不満を漏らした。


「人族は信用できない」


「あらま……はっきりとまぁ……」


俺は人間不信なエルフに呆れた。まぁ、いいけどね。誓いが終わったからもう信用できるでしょ?


「ごめんね。人族には過去に何度も騙されているから……」


ルシナは本当に申し訳ないような顔をして謝ってきた。おとぎ話に出てくるような美人に謝られると、一気に怒りが覚めてくる。我ながらチョロいもんだ。美人は正義だ。仕方ない……。


「わかった。いろいろ過去にあったんだね。もう信用できるでしょ?僕らは誓いをしたわけだから」


「うん。信用できる。ありがとう」


「さて……どうしよう。俺たちは、ここで魔法の修行をしているんだけど。ルシナは何をしに?」


「うん。ボクの今回の任務は、魔獣の森の山火事の調査さ」


「山火事……」


それって……


「そうそう。人族の砦が北にあるんだけど、その周辺で火事と爆発が起きたようなんだ。何か知らな……」


「知りません」


被せるように、いきなり嘘をつく俺でした。



いきなり嘘をつく俺……。


「な、なんか回答が早かったけど、本当に知らな……」


「知りません!これっぽっちも知りません!」


俺がかなり必死に答えるので、ルシナもそれ以上突っ込んで聞けないかった。


(あ、怪しい……あきらかに怪しい……)


しかし、不思議と悪意を感じないので、どうしたものかとルシナが悩んでいると、リリスが助け船を出す。


「話は変わるが……。エルフの国は南へ数千キロはあるぞ。山火事がよく分かったのぅ」


「うん。実はブルーサファイア王国と、この魔獣の森は転移陣でつながっているんだ。異変があればすぐに報告があるようになっている」


「転移陣……」


すると、リリスが教えてくれた。


「魔法陣の一種での、とある場所と場所を異空間でつなげる技術じゃ」


「そ、そんなものがあるのか?」


「ワシの時代にはロストテクノロジー化していたがのぅ……エルフは発展しているのぅ」


リリスが感心したような声をあげると、ルシナは笑いながら答えた。


「エルフにもそんな技術ないよ」


「でもさっき、転移陣って言っておったじゃろうが……」


「はるか数千年前に、えらいエルフのご先祖様がここに転移陣を作ったんだ」


「まさにロストテクノロジーを使っているんじゃな」


「うん。転移陣の研究は進めてはいるんだけどね」


「へぇ……それでルシナさん……は、ここに偵察に?」


「ルシナでいいよ。君達は信用できそうだし」


「そうだぜ。俺達は悪い奴じゃない」


「君は本当に面白い子だね。ボクのことは怖くないの?」


「怖い?全然?」


「あはは、見ればわかるよ。ものすごくリラックスしてるもんね。ヤマト……君」


「ヤマトでいいよ」


「ワシもリリスでいいぞ」


「わかった。ヤマト。リリス」


なんだか一気に柔らかい雰囲気になるのだった。


ルシナと打ち解けた俺達。会話は続く。


「ところで、こんな森で何をしているの?人族がいるのは危険だよ。この森は……強い魔物でいっぱいなんだ」


ルシナは俺とリリスのことを人族と思っているようだ。あえて否定はしない、龍人と伝えても疑いが再燃するだけだ。


一瞬、さっきの精霊誓いのことが頭をよぎったが誓ったのは


■エルフの敵ではないこと

■エルフの秘密をもらさないこと


この2点だ。だから問題ない範囲で答えよう。


「俺とリリスは魔法の修行に来ているんだ」


まるっきり嘘をついているわけではない。ここで魔法の修行をしているのは本当の話だ。


「こんな森で?」


ルシナは頭を傾げて不思議そうな顔をした。


「うん。ちょっと事情があって人族の領土内に居れないんだ」


魔人がやってくるから、とは言えない……。


「事情を聞いても?まさか犯罪人とかじゃないよね?」


「まさか!ちょっと事情があって……、言わなきゃだめかな?」


「いいや……人にはそれぞれ事情がある。無理に言う必要はないよ」


なんだか、一気に話がわかる人になったルシナ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ