第85話 ボクッ娘エルフ
//////ヤマト視点に戻る//////
エルフって美しいっていうけど、噂どおりだ……これは、びっくりだわ
……絵心あったら描きたい美しさだ。
「理解してくれてありがとう」
「しかし、随分しっかりとした口調の子供だね。それに整った顔だ。君もエルフなのかい?」
エルフは目の前に立つと、身長175CMくらいだろうか……。リリスと同じくらいの背の高さに見える、この世界の平均より上だろう。
体の線が細いせいか、とても背が高くスーパーモデルのようだ。胸は……うん。エルフらしいと言えばらしい!少し小さめ……。
「な、何か失礼なこと考えていない?キミ?」
「いえ!そんなことは……!あなたはスーパーモデルみたいですね」
(び、びっくりした……勘が良くない?このエルフ)
(あほ……エルフは皆 勘が鋭いわい)
そういうと、エルフはキョトンとした顔になる。
「スーパー……?」
「あ、いえ……。こちらの話です。僕の名前は、ヤマト・フォン・ドラギニス。こっちはリリス。俺もリリスもエルフじゃない」
リリスはさらに前に出て自分の姿を晒した。月明かりにリリスが浮き上がる。
「リリスじゃ」
エルフはリリスを見て驚いている。向こうからもこちらが良く見えるらしい。
「こ……こんな美しい女性がいるのか……しかしよく見るとエルフではないな、耳の形が微妙に違う。それに君も」
どうやらエルフから見てもリリスは綺麗なようだ。たしかにこいつは見た目だけは美しい。リリスのことを知っている俺は、なんだか忘れていたがリリスって、神話に出てくる女神みたく綺麗だよな……。
「ボクの名前はルシナ。風の大地エルフ軍の飛竜偵察部隊よ」
「ぼ、ボクッ娘キタコレ!?」
俺が過剰に反応するので、驚くエルフ。
「え?キタコレ?」
「いや……こっちの話です」
俺は慌てて話をそらそうとする。エルフは顔をしかめた。そして俺が傷つく一言を呟く。
「変な子……」
「う!?」
(早々に変人認定されそうじゃが……)
(うるせー)
俺はエルフに質問することにした。
「ところで軍って言ってたけど?」
「そうだよ。ボクはエルフの軍属さ」
どこか誇らしげにエルフは応えた。どうやら、軍に所属していることはエルフのプライドらしい……。
「なんで軍の人が、この森に?」
「ブルーサファイア王国の領土は、この魔獣の森までよ?おかしくないでしょ?」
「(あ……そういうことね)」
そうだった、忘れていたが……、この魔獣の森は、エルフ国であるブルーサファイア王国と、人族の国であるラスタリス王国の火種なのだ。
なぜなら、
”お互いが魔獣の森は自国の領土と主張しているから”であった。
そのため、ルシナの主張は人族からいわせると荒唐無稽となる。魔獣の森は人族の領土という主張だからだ。
(そこには触れないほうが良さそうだな)
(そうじゃな……スルーしろ。ヤマト)
(ラジャー!)
「随分遠くから来たんだね」
話題をズラす俺。しかし、ルシナは首を傾げた。
「そうでもないけど?」
いや……もの凄い無理があるだろう。距離的に10日以上はかかるはずだ。
「なに?疑ってるの?」
「いえ……別に……」
「……」
無言になる俺達……
(な、なんか気まずいな……)
「あの……」
俺が話の流れを変えようとしたときだった。ルシアというエルフは、溜息をついた。
「はぁ……色々疑っているよね。ボクもそうだ。これだと話が進まない」
「え?はぁ……まぁそうですかね?」
俺がそういうと、エルフは指を一本立てて提案のポーズを取った。
「誓いは立ててもらおう。それでお互いの疑いを晴らさないかい?」
「ち、誓い?」
「そう……誓いだよ。いいでしょ?」
「で、でも突然……」
俺は真面目な顔をして、ウンウン!と頷きながらエルフの話を聞くふりをする
(ヤマト……何のことか分かっているのか?)
(わかってる……映画。で見たことがある)
(映画?)
(ああ、そうだな。劇みたいなものだ)
(その映画とやらで、どんな誓いだったのじゃ?)
(原住民と永遠の誓いを立てるのに、こう体と体を寄せあって……)
〇バターでは、そんな感じだったはずだ。あのときはシッポみたいのをくっつけて……。
(多分 まちがっておるぞ。それ……まぁ、やってみろ。ワシはどんなものか知っておるがな……)
(え?やっていいの?)
(エルフの儀式で、こちらに悪い考えがなければ問題ない)
(わかった!ウキウキ!)
(何をウキウキしとるんじゃか……)
何か勘違いするヤマトをよそに、儀式がはじまるのであった。




