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イケメンに異世界転生したら森に捨てられてた件  作者: 八条院せつな
第2章 ヤマト 別れと放浪時代
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第75話 練習

ジュ―……ジュ―……


俺はいま、クローベアーの肉を香草に巻いて焼いている。場所は俺のホームである洞窟内で……。俺とリリスは拠点の洞窟を改造して軽いキッチンを作った。煙も外に出ていくようにした優れものである。


作るのに大変だった。 身体強化魔法でザクザク掘った。土魔法があれば非常にスムーズにいくのだが、これが厄介である。水や火などはイメージしやすいんだが……。


魔法訓練? 毎日やってるよ。クローベアーだけで食事十分だからね!美味しいし、量もあるので大変コスパが良い。


しかし、クローベアー。食べてはいけない箇所があるらしく……。


「内臓は絶対食べるな。魔素が強く死ぬぞ。それと腹の下部分の肉は食うな」


魔獣は食べられる生き物だが、調理方法を間違えると毒らしい。そのため、「魔獣調理検定」なるものもあるくらいだと……。なんだか、俺のいた世界の「フグ」料理を思い出す。


パチパチ……


肉が焼ける音が変わり、良い匂いがしてきた。


「お?焼けた……」


俺は串に刺した肉を火から離して、それにかぶりつく。


もぐもぐ……もぐもぐ。


ジュワ……


あの外見からは想像もつかない柔らかくてジューシーな肉に俺は最初おどろいた。毎日のことなので、特段感動は薄れているが、それでも美味い!


「相変わらず、めちゃくちゃ美味しいな」


「うまいか?魔力が入っている魔獣ほど美味いとされている」


「何度食っても飽きないな!リリスが食えないのが残念だよな」


「ワシは食いたくても食えん」


そういうリリスは少し寂しそうな顔をした。俺は会話を変えることにした。


「ただ、塩が欲しいなやっぱり」


「塩があれば保存食を作るんじゃがのぅ……」


「塩は森では手に入らないからなぁ。でもリリスの教えてくれた燻製でかなり持つぞ」


「うむ」


リリスの提案でクローベアーの肉を積極的に燻製にしている。これで大分日持ちがするらしい。


しかし塩問題は深刻だ。味付けにこれほど塩が重要と思っていなかったのだが……森ではまったく塩が手に入らない。これは俺の失敗なんだが、村で大量に塩を買っておくべきだった。もう森から出るわけにはいかないので、仕方ないけど……、それだけが悔やまれる。


俺は食事をしながら、リリスと今後のことの打合せをしていた。


「して……捕食のことじゃが……」


「捕食は……絶対もうやらないぞ……」


今、議論しているのは今後捕食をし続けるのか否かということだ。



「だめじゃ。捕食は続けるべきじゃろう。スキルを出来るだけ取得するに越したことはない」


「魔法だけじゃだめなのかよ?」


俺は涙目で訴える。


「……うるうるしても無駄じゃ。スキルの良いところは、魔力を消費しないことじゃ。これを取得できるんじゃぞ?」


「え?魔力使わないの!?」


「多少使うかも知れぬが、微々たるものじゃ」


「すげー……スキルって便利だな」


「じゃろう?それを代償なしで取得できるオヌシは、化け物じゃ」


「……」


それを聞くと、今後も捕食をしなければいけないように聞こえる。あの苦しみをまたやるのかと思うと、憂鬱だ。捕食の話はやめて、魔法に集中しよう。


「分かった、では土魔法の伝授をお願いします」


「捕食の話をしていたんじゃないのか?」


「それは一旦置いておいて……」


俺は物を移動するジェスチャーをする。


「よほど捕食が嫌なんじゃのう。まぁ良い……」


「魔法!魔法の訓練をしようぜ!」


「わかったわい……ではオヌシが苦手な土魔法じゃ」


「土魔法か……」


そうなのだ。俺は他の魔法はスイスイ覚えたのに、土魔法のみ発現できていない。適性はあるのだから使えるのは間違いないのだが……。


「ではお決まりの魔力操作の仕方から教える、手を地面におけ」


「はいはい、あれね……」


俺は喜んで地面に手を置く。


「”はい”は一回でよろしい。はいはい言うな」


「すみません」


「ではその状態から魔力をじわじわ地面に浸透させてみい?雨が地面染みていくかのように」


「それか……それ難しいんよ。今まで固く球を作る魔力操作しかしてこなかったから」


「あれだけ魔力球が作れるんじゃ、基礎は同じじゃ。できるはず」


しかし、俺は地面に踏ん張ってみたが、どうしても地面に魔力を浸透させることが出来なかった。


「ふむ……さすがのヤマトでも無理そうじゃな……。今日はこの辺にしておくかの……」


リリスが今日の訓練を切り上げようとしたが、俺は聞いていない。ブツブツと呟きながら、どうにか自分のイメージを固めようとしていた。



「ブツブツ……(うーん、大事なのはイメージだよな。雨が染みていくか……では魔力の雨を降らしてみるか)」


「ヤマト?」


「ちょっと試してみるわ!ふん!」


ブン……


俺は地面上空1mに、わざと魔力球をつくってみた。


「上空に魔力球を?どういうつもりじゃ、ヤマト?」


「まぁ、見ててくれ!ふん!」


バカ!!


俺は魔力球を二つに分裂させた。


「魔力球を割った!?すさまじい操作力じゃ」


「ぐぬぬぬ……」


俺は説明そこそこに、さらに分裂させた。それをさらに分裂、分裂、分裂。


いつしか、上空には雨粒のような魔力球の粒がビッシリと埋まっていた。


「!?」


「ふん」


俺は腕を下にやり、それを雨のように下へ落下させた。


ザァァ……


「な!?」


まるで雨のような光景にリリスは呆気に取られていた。


ジュワワ……


俺は地面に魔力が「馴染んだ」のを感じた。下へ移動させ地面に染みこませてやったのだ。俺は自分の中で、魔力の動きが地面と連動するのが理解できた。


「なるほど……なんとなくわかったぞ」


「なに?掴んだのか?もうか!?」


リリスが驚く。俺は頷いて肯定した。


「うん。見ててくれ!」


俺は感覚をつかんだので、あとはさっきのような工程を無視して地面に魔力を浸透させてみた。リリスは地面全体に魔力が浸透しているのを確認した。


「できた!できたぞ!リリス!」


「むぅ……なんという練習方法じゃ。そのように感覚をつかむ奴は初めてみたのじゃ」


「へへ」


俺は少し自慢気にしていた。リリスは感心している。


「よかろう……あとは土と一体化して好きな形を作れ!ソリッドウォールという魔法じゃ」


かくして、俺は土魔法のソリッドウォールという「ぬり壁」みたいな魔法を体得した。これ非常に便利、リリスが防御に向いていると言った意味が分かった。 たとえば魔法使い同士の戦いだと、この土魔法があるなしで全然違うらしい。 盾に使うこともできるし、相手の足元を崩したりもできる。超便利。


ただし、俺の力量だと発動に時間がかかるので、まだまだ練習が必要だ。


基本的な魔法をすべて覚えたころ、クローベアーの肉もあらかた処分してしまった俺は久し振りに狩りに行くことにした。そこで俺は自分のステータスがおかしくなっていることに気がつく。

ヤマトが徐々に成長していく姿を届けられればと思っております。

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