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イケメンに異世界転生したら森に捨てられてた件  作者: 八条院せつな
第2章 ヤマト 別れと放浪時代
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第70話 メッセージ

俺達は急いでクローベアーを確認しに崖下に回り込んだ。森を迂回しながら進んだので、結構時間がかかったが30分くらいで崖下に到着した。


急いで来たこともあり、俺は息切れしていた。


「はぁ……はぁ……つ、着いた……。このあたりのはずなんだけど……」


「急げヤマト、そろそろ陽が陰る。魔獣が増える時間帯じゃ」


「わかってる」


時刻も遅くなりつつあるため、急いでクローベアーを回収しなくてはならない。夜になると魔物や魔獣が出てくるからだ。


(ここは随分と隔離されている空間だな……)


周囲を見渡すと、この崖下は周囲の森から隔離されているような場所で動物や魔物も来そうもない。ここなら暫くは大丈夫だ……。そうも言ってられないが……。


(えっと……クローベアーは……)


「あ……いた」


見るとクローベアーは、崖下の大岩に直撃したのか、もたれかかるようにうつ伏せになっている。ピクリとも動かない……地面には大量の血が流れているので、死んでいると思われる。


「し、死んでるか?」


「大丈夫じゃよ。死んでおる」


「本当か?こえーよ……」


「近くに行って確かめてみる以外あるまい……」


「ガバ!と起き上がったらどーするよ。怖いって」


「あほか」


「うるせーよ。念には念を入れるべきだろう?」


「このままジッと見つめているのか?」


「いや、確認する。そうだ石でも投げてみるか?」


そう思った俺は、足元に落ちている少しデカい石拾って、それを遠くから投げつけてみた。


「ふん!」


ビュン!!


勢いよく石は飛んでいく。


ドガ!


クローベアーの腹のあたりに当たった。


シーン…….


反応がない。あれだけの勢いで当てて反応がないのだ

、死んでいるとみて間違いないだろう。


「し、死んでるよな?リリス」


「だから死んでるって言っているじゃろが……」


「怖いんだって。俺、今襲われたら戦う力ないぞ?」


「鑑定魔法があれば分かるんじゃが、まだ教えておらんしのぅ。確かめる術がないわい」


「鑑定魔法!?使ってみたいぞ」


鑑定魔法って、ラノベでもそれだけでチートスキル扱いされるやつだ。この世界ではそこまでチートではない?とにかく俺は鑑定スキルに憧れがあった。


「あれは才能が必要じゃ、使えるか分からん」


「えー?俺は全属性だぞ?」


「そういう問題じゃないんじゃ。頬を膨らますな……。あれはスキルに近い魔法じゃからな」


「そうなのか……、それはともかく、クローベアーだ。も、もう少し近付いてみようかな?」


そう思い、クローベアーにそろーり、そろーりと近付いていく俺。


「とても半神と思えんな……」


「うるせー」


そう思ったその時だった。クローベアーが全体的に光り、それに呼応するかの

ように、俺の体から突如、淡い光りと共に巨大なサメの口のような形状の口が出てきた。


俺の胸から、飛び出すように出てきている……。サメの口、光のシャークヘッドとでも呼ぼうか。俺の身体から光るシャークヘッドが飛び出しているのだ。


「な!?な、なんだ?これは?リリス!リリス!これ何?」


「やかましいわい、静かにせぇ!ワシにも分からん……初めて見る現象じゃ」


「なにかの病気じゃないよね」


「そんな病気あるわけなかろう」


「リリスにも分からないのか」


1500年生きたリリスでも初めてみる現象とは……


その時、脳内に不思議な声が響いた。そして目の前に某ゲームのような、光る選択肢が現れた。


【魔のコアを確認しました、捕食しますか?】

【する】or【しない】


そのメッセージと共に、クローベアーから黒い球体が飛び出してきた。


「メッセージ!?それにクローベアーから何か飛び出してきよった!」


リリスは驚いたのと同時に興味津々な顔をした。この現象に俺は俺で、心臓が飛び出るかと思うくらい驚いていた。


「な、なんだこれ?!」


フワフワと俺の前に、3Dホログラムのように選択肢が浮かんでいる。


「なんじゃ?これは鑑定魔法とも違うぞ」


「ホログラムみたいだな」


「ホロ……それはオヌシのいた世界のものか?」


「うん……あとで説明する……。それに選択を聞いてきてるぞ?」


「捕食をするかしないか?聞いたことがないぞ」


リリスも驚いていて、俺と同じに唖然とした表情をしている。


どうする?……なんかイエス ノー聞いてきてるが……。


俺とリリスは、迷った末に結論を導きだした。


「危険じゃが、今のオヌシは体力も少なくこの先 食料も手に入る可能性が低いこのままだと餓死まっしぐらじゃ。捕食というくらいだから、何かプラスに働くはず。賭けてみよう」


「俺もそう思う。もはや、動物が現れても俺は狩る体力も魔力もない」


「うむ」


「では、やるぞ……。選択するにしてみる……」


「うむ……ゴクリ……」


俺は【する】の選択肢に右手の人差し指をもっていくと、トン、と押してみた。


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