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イケメンに異世界転生したら森に捨てられてた件  作者: 八条院せつな
第2章 ヤマト 別れと放浪時代
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第57話 消火作業

//////ハイエルフ視点/////


グリーンのツインテールヘアーのハイエルフが、フワフワと浮いている。高さにして200m以上の高度だが、まるで見えない何かに持ち上げられているかのように浮いている。


高い場所から、ハイエルフは地上を見下ろして微笑を浮かべていた。


「ふふふ……とうとう魔獣の森に入ったのね」


地上の様子は、すさまじい状況になっていた。


魔獣の森と呼ばれる、魔物の巣窟の入口部分が「火の海」なのだ。


「そう……、神の血を使わずにあそこまで出来るの……」


その表情は意外そうでもあり、そして期待を込めたものだった。


一人の少年に視線を定めるハイエルフ。その少年は、ブルーヘアーの大層整った美少年であった。


「ふふふ……うん?あれは?」


ハイエルフの表情が変わる。


少年の腰につけている魔法袋マジックバッグが、気になったようだ。


「また厄介なものをもっているのね」


ハイエルフは、何かに気がついたようだ。少し顎に手を添えて考えるハイエルフ。人形のような顔立ちだけに、それだけで絵になる光景であった。


そしてハイエルフは、リリス、ヤマト、オステリア神しか知りえない名前を呟いた。


「少し手を貸してあげる……神崎さん。未来の旦那さま」


////////ヤマト視点に戻る////////


俺は、魔獣の森に降り立った。とうとう到着した。ここまで長かった……ようやくだ。


(魔獣の森に来て喜ぶ5歳児も珍しいのぅ……)


(確かに……超危険地域だよな。ここって……)


降り立ったのはいいのだが、問題があった。


俺は周囲を見渡す。そこら中に火がゴウゴウと燃え上がり、黒い煙が空を覆い尽くさんばかりであった。 森が大火事なのだ……。


パチパチ……ゴォォ!!


「あ、熱っ!!熱いし、暑い!!やべーぞ、これ!!」


森を見渡すと、そこは惨状になっていた……。夜なのに、山火事は衰える様子を見せずに、広がりつつある。空はまるで昼間のように明るい。今、夜中だぜ?


バチ……パチ……ゴォォ……


周辺の気温はとても高くなっている。息をするのも、億劫だ。おそらく酸素が薄くなっているんだろう。長時間ここにいるのはマズイかも知れない。


「あわわ……山火事というか爆撃跡にみたいになってるぞ!?地面が赤くなってる?」


「ふむ……高熱で砂が溶けているようじゃの」


山火事でそうなったのか、俺の魔法でそうなったのかは判らない。しかし冷静に分析している場合ではない!


「ど、どーすんだよ。これ……さすがに放置しておくとヤバいぞ。森の動物さん達が……」


動物愛護団体に敵認定されるのとか嫌だぞ?まぁ、砦近くには動物はいなそうだから被害は無さそうだけど。


「この先にある動物たちの住処まで燃やしかねん。消すのじゃヤマト」


「け、消すって?どーやってさ」


「さっきの逆じゃ、今度は水の巨大ボールを作るのじゃ」


火魔法が出来たんだから、水魔法もできるという論理らしい。俺、水魔法なんて使ったことすらないんだぜ?


「あの……俺、水魔法なんて使ったことがないんだけど」


「オヌシは全属性じゃろう?火魔法とやりかたは同じじゃ。絶対できる」


「まじかよ……」


その後、火魔法の逆の要領で俺は水魔法を使った。巨大な水の球を作った。


ズオオォ……


俺の頭上に、ものすごく大きい水の球がフワフワと浮かんでいる。大きさ的には直径100mほどの巨大ボールだ。 ボールというより、隕石に近い大きさだ。 どこかの戦闘民族のように俺は両手を掲げて、そのボールを維持していた。


「で、できた!どうよ?リリス!?」


リリスは満足したような表情を浮かべていた。


「でかした、やはりヤマト。水魔法を使ったことでハッキリした。オヌシは、全属性に詠唱破棄スキル持ちじゃな」


「詠唱破棄……(ラノベで知ってるぞ、主人公クラスだと使える幻のスキルだ)」


「そうじゃ、無詠唱じゃ。世界でも何人もいないぞい」


「龍人族は皆できると思ってたよ」


「できるわけなかろう……カリアースは出来たがの」


「そうなんだ……」


「今、お前が使っている魔法は、ウォーターメテオ『水隕石』じゃ。本来長い詠唱が必要なんじゃ」


「気合とイメージで作れたけど」


「だから凄まじいのじゃ……」


「それで?このボールをどーすんだよ」


「投げるんじゃ。さっきと要領は同じじゃ」


「りょ、了解!!」


俺は、それを火事の中心に投げつける。

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