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イケメンに異世界転生したら森に捨てられてた件  作者: 八条院せつな
第2章 ヤマト 別れと放浪時代
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第52話 魔法袋

俺は何かないかと物色していたら、荒縄を発見した。


「お。荒縄……」


荒縄が売っていたので買っておく。荒縄で何すんだって言われると困るが、何となくあったほうがいい気がして……。べ、別に変なことに使うわけじゃないんだからね!!


「ほかにご入り用のものはあるかね?」と店員が尋ねてくる。


俺は他に必要なものがないか考える。今必要なもの……必要なもの……。


「あと荷物が重いんだよね……こればっかりは仕方ないか……」


大きいリュックを背負っているが、それを担いで防衛の砦を越えられるだろうか……滅茶苦茶 目立つ。俺だったらすぐに職質するレベルだ。


店員が俺の呟きに応えた。


魔法袋マジックバッグなら入るだろうけど、あれは高額だからねぇ」


魔法袋マジックバッグ?」


俺はその単語に食いついた。まさかあの……? ラノベで必ず出てくる?


「おや、知らないのかい?中が異空間になっている魔道具だよ。いくら入れても、かさ張らない。重さも感じないよ」


やっぱり!それは知ってるぞ!ラノベで見たことがある、わりと主人公のスキルでもっていたものだが、残念ながら俺はオステリアに一切のスキルを授かっていない……


そういや、あの駄女神……、俺の存在自体がチートとかほざいてやがったな……。どこがチートなんだよ。魔人は襲ってくるわ………、家出をせざるを得ないわ……。苦労しっぱなしである。次あったら、絶対文句を言ってやろう。


そんなことを考えていると、店主が首を傾げた。


「ぼうや?」


「あ、すみません。考えごとしてて……。それ欲しいです!ありますか?」


「いくつかあるよ。でも高いから、坊やには手が出ないと思うけど……たしかこの辺りに……」


そういうと店員は奥に入り、ゴソゴソと何かを探しはじめた。わりと雑多な棚展示のため、この店員しか場所を知らないのだろう……。ちょっとは整理しろよ……。


「…………」


おれが暫く待つと、店員が見つけてきたのか嬉しそうにカウンターにそれを置いた。


「これだ、腰に着けられるくらいの小ささだよ」


「へぇ……これが魔法袋……」


これは袋というより小さい鞄だ。両手の平に乗るくらい小さい……。色は灰色で腰ベルトに着けられるような小さい鞄だ。ウェストポーチと表現したほうが分かりやすいだろうか……。


実際目にすると、これが魔法の道具箱とはとても信じられない。


(これ本当に物がはいるのかな?鞄の大きさと入れるもののバランスが違い過ぎる……、俺騙されていないよね?)


「これ、たとえばこのフライパンとか入ります?」


「ははは、見てみるかい?」


店員は笑いながら、俺が買ったフライパンを手に取ると魔法袋を開けた。店員は魔法袋にフライパンを近づける。


ニュモ……という音を立てて、魔法袋の入口に吸い込まれてしまった。さっきまで持っていたフライパンは跡形もなくなっていた。


俺は青い動物型ロボットのアニメを思い出した。


あのダメ主人に仕えた未来のロボットである。


それはともかく……・


「す、すごい……欲しいこれ……いくらですか?」


「100万クランだよ」


「100万!?高ぇ!?」


「これでも結構安いよ。魔法袋マジックバッグは高いからねぇ」


うーん。残り金額かき集めても、とても100万は無い……。でも俺には必要なものだった。


「もっと安いのありませんか?」


「うーん。たしか……」


奥へ引っ込んでさらに、もう一つの袋をもってきた店員。


「これかな……」


トンと、カウンターに置かれたのは煤けた小袋だった。


「な、なんか小汚いですね」


巾着袋のようなもので、なんか汚い……。中古品のようだった。


「さっきのより入る数は少ないけど、ちゃんと使えるよ。これなら30万クランでいいよ」


仕方ないので、それを買うことにした。


かなりお金を使ってしまった。お金も残り少ない。大事に使わないとな……


魔法袋マジックバッグに荷物を全部入れたら、すっきり快適。


「すげぇ……これは必須だわ」


その魔法袋の中にすでに何かが済みこんでいるとは、リリスも気がつかなかった。


魔法袋「……」



ちなみに、村に神殿を発見したが、神殿の中で祈ってみたりオステリアを心の中で呼んでみたりしたが反応はなかった。


(あの女神……神殿に行けば会えるとか言ってたのに嘘つき女神め……)


【店員視点】


先ほどの店員は、本日の売上目標を達成したので笑顔だった。しかし、一点気になってもいた。


「そういえば、あんな汚い魔法袋なんてあったっけ?」


すべての仕入れは記憶している店員、しかし先ほどの魔法袋を仕入れた記憶がないのだ。


「ま、いっか!売れた商品のことを気にしても仕方ねー」


店員は元気よく次の接客をはじめた頃には、そんなことを忘れていた。

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