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イケメンに異世界転生したら森に捨てられてた件  作者: 八条院せつな
第一章 ヤマト幼年時代
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第16話 二匹のドラゴン

翌朝、俺は目が覚めた。


(あの女神………早く言えよな)


おそらく、俺はからかわれているんだろう。神様って神話でも、人間をもてあそんだりするし………。


しかし、近くの村に神殿があるなら、話が早いように見えるがハードルは依然高い。とにかく両親に連れて行ってもらう必要があるからだ。


なにせ、俺 ハイハイしかできないもんな………。


俺は、リカオンとマリーシアに相談すべく、二人がそろう夜を待つことにした。マリーシアは日中も家にいるが、リカオンは昼間不在だ。そういえば彼の仕事って何なのだろう、きっちり夕方には帰ってくるから事務職?


その日の夜、夕飯のとき二人がそろったので、俺は意を決して相談してみた。マリーシアはスプーンをもって俺にスープを飲ませている。リカオンは、俺の目の前に座ってニコニコその様子を見ている。


「パパ、ママお話がありゅの」


まだ語尾がたどたどしい。俺的にキチンと話しているつもりなのだが、口が発達していないので仕方ない。


「あら?ヤマトちゃん?何かしら?何か欲しい玩具あるの?」


「うん、玩具か?パパに言ってみな!今度、隣村まで行くから買ってきてやる 」


(お?隣村?まさか神殿がある村か?これはちょうどいい)


「まほう、まほうを使いたいのボク」


その言葉を聞いてマリーシアとリカオンは顔を見合わせた。

そして、マリーシアが優しい笑顔になった。


「あらあら、ヤマトちゃん。魔法を使いたいの〜?ふふふ」


そういって、マリーシアは堪えきれずに笑いだした。可愛くて仕方ないといった様子だ。そうじゃなくて!俺は真剣な話をしているのだ。


リカオンもニコニコ笑っている。


「ちょーっと、ヤマトには早いんじゃないかな〜。はははは」


(な、なんだ? 何か変な雰囲気だ。このままではダメっぽい。こうなったら、必殺 泣き落としだ!!演技でも何でもやってやる!)


「えぇんグスン」


俺は両手で顔を隠して泣き真似をした。自分でやっていて恥ずかしくなる………しかし、ここは正念場である。


「ああ!ごめんなさい、ヤマトちゃん、よしよし」


しかし、効果はてきめんでマリーシアは慌て出した。リカオンは笑っている。


「ふふ、ヤマト〜、魔法を使えるようになるのは10歳くらいからだぞー?」


(何?そうなのか? 10歳まで待っていたら、食料だぞ?こここで引くわけにはいかない)


人間族で10歳だろ?龍人族の俺が10歳って決まったわけではない。


「いや!いやいや!えぇーん」


俺が泣きやまないので、マリーシアは困っていた。しかし、何かを思いついたのか表情を明るくした。


「ふふふ、あらあら!強情ね。じゃあ、魔力測定器もってくるから、やってみましょう」


(ま、魔力測定器?そんなのあるんだ)


パタパタと、マリーシアは、屋敷の地下倉庫に向かうと、大きな水晶をもって帰ってきた。


「マリーシア、そんなものいつ買ったんだ?」


リカオンは笑っていた


「ふふ、いつかヤマトが魔力を授かったらって思って☆」


「気が早いぞ、こいつぅ」 


二人はイチャイチャし始めた。バカ夫婦だ。


(あのーーーー、今は測定して欲しいんですけど………)


「あのパパママ、これ?」


「あら?ごめんなさい、ヤマト。これはね、この水晶に両手をおいて」


とマリーシアは俺の小さい両手を水晶の上においた。水晶はサッカーボールの半分くらいの大きさの球体で透き通っていた。俺の手にはかなり大きく見える。


「それで?どーすればいいの?ママ?」


「手を当てて魔力を通すだけよ」






【   水晶について   】


魔力測定器:通称「水晶」


水晶の輝きによって魔力レベルが大体わかる、値段もそこそこする。日本でいうと、3万円くらい。エンジストーンは、色や反応まで表現するので詳しく適性が分かるが、この水晶 基本は魔力の大きさを計測するだけ。魔力があると、それに反応して光る。その「まぶしさ」から、魔力量を測定する。魔力量を大体測るのに、3万円もするという高い商品。リカオンが笑うのも無理がない、マリーシアの子煩悩からくる贅沢品だ。

ちなみに魔力は、この世界では種族に関係なく10歳くらいから発現する。それは龍人族であっても同じだ。指標は以下に区分されている。


【米粒くらいの光】

 才能有り:魔法の才能がある10歳の子など


【直径10cmくらいの光】

 魔法学校卒業レベル:魔法使い見習いなど


【全体的にボンヤリ光る】

 平均魔法使いレベル:冒険者など


【全体的にハッキリ光る】

 上位魔法使いレベル:王宮魔法使いなど


【部屋全体を照らすくらいの光】

 伝説の勇者レベル:神話クラスなど


【太陽くらいまぶしくて見れない】

 神レベル:この世の者ではない


こんな感じ



/////////////マリーシアリカオン視点////////////


「ママが詠唱するからそのままでね?」


マリーシアは優しくヤマトに語りかける。ヤマトは、水晶に手をおいてやや緊張した面持ちだ。俺はその姿を父として、あたたかく見守っている。


(ふふヤマト。まだ水晶は光らないだろうけど、落ち込むなよ、これも勉強だ)


俺も冒険者としてAランクまで行った人間。生まれて半年にも満たない赤ん坊が、魔力を発動させることがないことは知っている。ちなみに、俺が魔力を持ち始めたのは12才のときだった、そのときは米粒みたいな光りだったけど、魔法使いになれるんだ!ってことだけで親戚中が大騒ぎだった。


ヤマトに魔法使いの資質があるかは分からない。だが、まだ早い、早すぎる。でも、ヤマトにはやらせてみる。何事も納得させることも教育だ。


「お前には無理だ、無駄だ」ってセリフは、この子には浴びせたくない。何でも挑戦する。それが大事だ。



ヤマトが手に水晶に当てる。


シーン………………


予想どおり、水晶自体は無反応だった。空白の時間が流れる。


ヤマトは、口をポカンと開けて唖然としている。当たり前の結果だけど、ヤマトは信じて疑わなかったんだろう。可哀想だが、これも経験だ。


「え?………」ヤマトがうめく。


(生後半年で魔力をもつはずがない。仕方ないんだよ、ヤマト)


しかし、ヤマトは諦めなかった。


「にゅ、ぬぬぬぬ!」


何やら、水晶にしがみつくかのように、両手で力いっぱい、手の平を押し付けている。


(おお?すごいぞヤマト!ガッツがあるな!)


「はは、ヤマト。力を入れればいいってもんじゃないぞー?」


ヤマトは負けず嫌いなのかも知れない。マリーシアに似たんだな。


「ふぬぬぬぬぬ!ににににい!」


まだ続けるヤマト、まるでここで魔力を発動させないと死んでしまうかのような必死の形相だ。なんか可愛いな。あとで抱っこしよう。


俺はヤマトを水晶から引き離そうと立ち上がろうとした。


「ヤ、ヤマトー?………そろそろ」


………そのときだった。


「あ!あなた!水晶を見て!」


マリーシアが慌てる声を出した。


「うん?」


よく見ると、水晶の中に米粒のような光が目視できる。小さいが、確かに発光しているのだ。


「ま、まさか!」


ガタン!


思わず椅子から立ちあがってしまった。


「そんなバカな!こんな小さいうちに魔力なんて!」


マリーシアも、驚いている。夫婦そろって唖然として、水晶をみている。


「あなた………もしかしてヤマトちゃん、天才なんじゃ………」


「ぐぬぬぬぬ!りゃやや!」


ヤマトはまだ頑張っている。光が灯ったことに気がついていないようだ。


「う、嘘だろ。この子は………」


俺は正直、状況が理解できない。そんなことが………聞いたことがない。見たことがない!うちの子は天才だったんだ!いや、天才という範疇ではない


ふと、マリーシアに同意を求めるとマリーシアは、なぜか目を輝かせている。


「あなたー!すごいわ!すごいわ!ヤマトちゃん天才なのよ!」


「マリーシアこれは天才ってレベルじゃないぞ………」


そして、マリーシアはヤマトに「がんばれ!ヤマトちゃーん」と声をかける。


これ以上を求めてどうする。マリーシア………。


「ぬぬ!ふぬ〜!!」 


ヤマトは仕上げだ!とばかりに、声を高くあげた


そのときだった!


グワ!!!!


ヤマトの後ろに、龍。ドラゴンの幻影が見えた。それは、堂々とした古のドラゴンのように見えた。しかも、二匹………白い龍と黒い龍である。その二匹のドラゴンはヤマトの背中から発現したかと思うとすぐに消えた。


「い、いまの………ド、ドラゴン?」


「あ、あなた………」


マリーシアも驚愕の表情だ。ふと視線を降ろすと、水晶が眩いばかりの輝きはじめた。


「え?」「え?」


俺とマリーシアが顔を見合わせると、水晶の光は強くなっていき、いつしか太陽のように輝きはじめた。眩しすぎて目を開けてられない………。


「キャア!」


「ぐう!?太陽の輝き!これは、神レベル?!」


光で、こちらの肌が痛いくらいだ。光で痛くなるなど聞いたことがない。


マリーシアは、眩しすぎて顔を覆っている。とても目を開けてられない。


「ヤ、ヤマト!手を手を水晶から離しなさい!すぐに!」


すると、ヤマトは言うことを聞いたのか水晶から手を離した。


シュン………


一瞬にして水晶の光が突然に消えたことを瞼越しに感じる………。部屋に穏やかさが戻ったのだ。俺はおそるおそる目を開けてみる………


「な?なんだったんだ?いまのは?」


パタン!!


すると、ヤマトは気を失って、机のうっ伏せていた。


「ヤマト!」 「ヤマトちゃん!」


俺とマリーシアは大慌てでヤマトを抱きかかえる。急いで息を確認すると………。


「むにゃむにゃ………スピ―」


とヤマトは眠っているようだった。


「良かった………眠っているだけだよ。マリーシア」


「よ、良かったわでもあなたさっきのドラゴン見た?」


「あ、ああ見たとも。それにあの光の強さ………」


夫婦で眠っているヤマトの姿を見つめた。


「この子は一体………」


俺とマリーシアは顔を見合わせる。もしかしたら俺たちは、凄い子を拾ってしまったのかも知れない。それに、あの二匹のドラゴンは何だったのだろうか………

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