第102話 エルフ王と謁見
「よし……じゃあ王宮に向かおう」
俺達は用意が済んだので、さっそく王宮に向かうことになった。ルシナいわく、俺の容姿は服と相まって超絶似合っているらしい。街を移動するとき。女エルフ達がキャーキャー言っているのが聞こえた。
「何あの子……めちゃくちゃ可愛いくない?」
「女の子……じゃない?でもマントをしているし。男の子?」
「美少年ね……どこのエルフ族の子かしら……」
などなど……、キャーキャー言われた。
「も、もしかして俺かなり人気がある?」
「もしかしてじゃなくて、すごく人気出てるよ」
「ま……まじか……」
さすがオステリアが、「自信作」と言っていただけある。俺の容姿は、かなり人を惹きつけるらしい。
俺がそう思っていると、リリスはリリスで大変なことになっていた。
行く先々で、男のエルフの嘆声の的なんだ。何人かの男に声をかけられていたのを俺は見ている。
(リリス、むちゃくちゃモテてるな……)
街を歩いているだけで、かなり目立つことになってしまい。ルシナは途中で馬車に切り替えて王宮に移動することにした。とくにリリスの「男エルフ ホイホイ」は強力すぎた。
(リリスって頭もいいし、容姿もスタイルも抜群って何気に完璧なんじゃないか?うらやましい奴……)
そして俺達は王宮があるエリアに辿りついた。
中に入ると、4ブロックに分かれていることが分かる。
「議会ドーム(国内政務中心)」
「聖王宮(政務や外交する場に使われる)」
「ブルーサファイア老院(国内政務のうち有力長老たちの場)
「太陽の宮(王族の居住区域)」
今回いくのは、聖王宮エリアらしい。
「王と重臣が、ヤマトと謁見するよ。ボクも横にいるから大丈夫だよ」
「わ、わかった……」
とても緊張しながら俺は王城へと向かった。
王城にはさらに城壁があり、そこに城門があった。手前には小川が流れており、防衛ラインとして設けられていることがわかった。
城門前には衛兵が立っており、ルシナが何か話すと素通りさせてくれた。ルシナはそれなりに位が高いようだ。軍の人と聞いていたけど……。
「ルシナは結構えらい人なの?」
「あはは、えらいってわけじゃないけど、飛竜隊は名誉職といわれているからね。それで顔は割と広いんだよ」
「そうなんだ。飛竜をもっているの?」
飛竜というのは、ドラゴンほどではないが、翼竜の一種で知能もそれなりに高い。大きさは象2頭分くらいある。それを操るエルフだけが持つ職だ。飛竜とのコミュニケーション能力が必須と言われており、特殊能力職だ。
「もっているよ、ドドリゲスって名前の飛竜なんだ」
「ド、ドドリゲス……」
正直、そのネーミングセンスはどうなのかと思ったが、言わないことにした。
王城に入り、いくつもの階段と部屋をこえて、とうとう王の謁見の間の前に立つ。
ゴクリ……
俺が緊張した面持ちでいると、ルシナが声をかける。
「まだ、王も誰も来ていないから大丈夫だよ。扉を開けるよ」
「う、うん……」
バカみたいに大きい扉を開くと、謁見の間に入る。
「うわぁ……すげぇ」
謁見の間は、天井は高くまるでホールのようであった。3階以上をブチ抜いているようだ。天井のガラス窓からは、太陽の光が差し込み、謁見の間は輝きを放っていた。金細工や絵画などがセンス良く飾られていて、とても美しい部屋だ。
「ここはドワーフの最高の技術者が作ったんだ」
「あれ?ドワーフとは仲が悪いんじゃ」
「ドワーフの技術力は世界一だからね、そこはビジネスとして依頼したってわけさ」
しばらくすると、何人かのエルフの男女が壇上の下に現れた。
ジロ……
俺とリリスのことをジロジロを見つめている。
(な、なんか怖いな……あの人達は?)
ルシナに質問をすると、小声でルシナも答えてくれた。
(左に立っているのは、エルフ議長のサーナル。右に立っているのは、老院長のヤヤクラン。だよ)
(な、なんか歓迎されていないね?)
(気むずかしい人達だからね、まだ話しかけてはいけないよ。王がまず最初に言葉を発する決まりがあるんだ)
横にいるリリスをみると、腕を組み立っている。その威厳がすごい雰囲気で、サーナルとヤヤクラン達は不満そうだ。
(リ、リリス……もう少し畏まれよ)
(なぜじゃ、エルフごときに畏まる道理がないぞ。ヤマトお前も龍人なんだから、もっとデンと構えるのじゃ)
(もう……)
リリスの態度に一抹の不安を覚えながら、エルフ王が入室してきた。




