第101話 貰っとこう
アルガルは目を血走らせていた。
「……なんという美しい二人でしょう。人族……なのですか?」
「え?……あぁ……まぁ……」
俺が曖昧に答えると、アルガルはニッと笑った。
「ど、どちらでもいいです。これ以上ない素材です!!ではさっそく採寸させていただきます!ふふ、これは最高の仕事になりそうですねぇ」
それから、あれよあれよ。という間に、採寸をされた。
その間、アルガルは煩い……。何やら興奮しているようだ。
「ああ、なんて美しい少年なんでしょう。肌なんて透き通るような白さですね、ああ……私幸せです」
何やら、「はぁ!はぁ」と息が荒く、ほとんど変態だ。この人は見た目はイケメンなのに、損していると思う……。
「ふふふ、では正装ということですが、古の龍人族が好んでいたというマントをあしらったデザインにしましょう、ここをこうして……ああして」
偶然なのか、龍人族の服をデザインしてくれるようだ。
「何かご注文などありますか?」
「……いえ、特に……お任せします」
リリスはリリスで、別のスタッフに任されている。すべて女エルフだ。こちらも女エルフから嘆声の的だった。
「このかたは女神と間違うばかりの美しさですねぇ。まぁ、胸が大きく腰が細い……エルフにはない見事なスタイル。お客様、このかたには素肌を多く出したロングスカートドレスに致しましょう。そしてここは、ああ……すばらしいですわ……」
リリスは辟易した声を上げた
「さっさと終わらせるのじゃ……」
今日採寸していつ出来るの?と思ったのだが、そこは魔法が得意なエルフ。仕立て魔法を使い、ほんの数十分で仕上がった。
出来上がった服を着込む俺達……。
俺は黒を基調とした不思議なデザインだ。鎧のようなデザインスーツで、マントを羽織っている。かつて龍人族が好んだデザインらしい。
リリスはピンクのスリットの入ったロングドレス。肩からは小動物の毛皮をあしらった肩かけをしている。ドレスをきたリリスは、輝くばかりの美しさだった。女神降臨……という感じで、女性店員たちは鼻血を出して喜んでいた。
「キャー!女神さまよ!女神降臨よ!」
騒ぐエルフ達。
(エルフって感情の起伏が少ないって誰か言っていたような……)
(昔のエルフより、どうもミーハーなようじゃの)
「すばらしいね。ボクが見込んだ通りだ!」
ルシナは満面の笑みを浮かべた。
アルガルと女性スタッフたちは、そろって「うん!うん!」と頷きながら鼻血を出している。エルフのイメージをこれ以上壊さないでほしい……。
「ヤマト!リリス!とても似合っているよ。これなら王宮パーティにでもすぐ出れるよ」
「ありがとうルシナ」
「ふむ、このドレスは歩きにくいのぅ……」
「リリス……。お礼を言えよ」
「あはは、いいんだよ。リリス。そういうところボクは好きだ」
お代ということになって。ルシナが会計に向かい。会話を聞いたところ、
「200万クラン……」
という、とんでもない値段が聞こえた……。俺は聞こえないふりをした。
こちらから、ねだったわけじゃないし……貰えるものはもらっておこう。




