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イケメンに異世界転生したら森に捨てられてた件  作者: 八条院せつな
第一章 ヤマト幼年時代
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第10話 女神の警告

自分が龍人族だったという球体オーブであるリリスとの会話がはじまった。先ほどまでの雑音が消え、比較的クリアなテレパシーになりつつあった。俺は違和感なくそれを受け入れる。


(あの……龍人族だったと言っていますけど、信じられないんですけど……)


(なんでじゃ?)


(いや……そんな球体になってる人に言われても……)


(ああ……おぬしソウルオーブという存在を知らぬのか?)


(ソウルオーブ?)


(うむ。この世の者は死ぬとすべて天界に転送される、しかし一部の者は転送されないのじゃ)


(その一部があなただと?)


(そうじゃ、転送されることも可能じゃが、ワシのほうでキャンセルしておる。それは生前に力のあった者しかできないことじゃ)


(なんでキャンセルしてるんですか?)


(理由があるのじゃ……この世に未練があるのでな)


(もしかして、地縛霊ってやつじゃ…………)


(い、一緒にするでない!失礼なガキ赤子じゃ!)


少しリリスは怒ったような口調に変わった。なかなかオーブのくせに感情豊かな奴である。


(失礼いたしました……)


(しかし、オヌシ……本当に赤子か?会話できておるのが驚きじゃ)


まずい……なんか疑われてる……なんて言おうかな?いや……何も言い訳みたいのは言わないほうがいい。ここは「僕チン、何もわからない」モードで通すべきだ。


(そうなのですか?)


(うむ、通常であればオヌシくらいの赤子は自我すらない)


(僕にはわかりません)


(フム、まあ龍の子はたまに天才児もおるからな、その類か……)


よし!やはり、この流れで行こう。勝手に勘違いさせておけばいい。


(あの、本当に龍人だったんですか?僕も死んだらオーブになるんでしょうか)


(本当じゃ。証明できないことが口惜しいがの……オヌシがオーブとなるかは力のつけかた次第かのぅ)


リリスは、楽しそうに笑った。なんだか孫と会話するお爺みたいな雰囲気だ。というか、別にオーブになりたいわけではないんだけどな……。


(あのー……色々聞いていいですか?)


(……すまぬ、そろそろ時間切れじゃ。夜ならもう少し会話できるんじゃが)


(え?そうなの?ごめんなさい。また会えますか)


なんだ、リリスは時間制限有りの存在なのか?


(ああ、またすぐ会えるとも、またな龍の子よ)


その言葉を残して、部屋にあった沢山のオーヴと共に消えた。


話してみると、なかなか良い奴だったな……また夜に会えるのかな。


なんだか少し寂しかった。





リリスという光る球体との会話が終わり、俺は疲れたので眠った。赤ちゃんの特権だ、何かのコマーシャルで赤ちゃんは眠ることが仕事と聞いたことがある。


これは仕事なのだ。なので、何も恥ずかしいことはない。落ちるように眠りに入ると、俺は白い空間にいることに気がついた。


(ここは……?)


周囲を見渡すと、もやもやしていてハッキリしない空間だ。俺はボヤっと、ここは夢の中だろうと思った。


(なんで夢の中に……夢にしては変な夢だな……)


キョロキョロとしていると、誰かが俺を呼ぶ声が聞こえた。


「……さん、ざき……さん……神崎龍二さーん」


うん?俺の名前を?誰?


「神崎さん、お久し振りです」


突然、目の前に現れたのは、世にも美しい女性だった。


「あ、女神様!?」


女神オステリアだった。


「転生人生は楽しんでいますか?」


「あ、お久し振りです。どうもどうも……」


オステリアは、以前あったときと同じ姿形で相変わらず柔和な笑みを浮かべていた。


ただし、フワフワと浮いていた。俺の上空3メートルあたりを……。


あ、パンツ見えそう……。


「いま失礼なこと考えませんでした?」 と、しかめっ面をする女神。


「いえ!いえ!とんでもありません。 夢の中まで女神がくるなんて尋常じゃないなと……」


「緊急的に話す必要がありまして、あなたの夢の中に空間を設置させていただきました」


「そんなことが出来るんですね」


「まぁ、一応は神ですから」


「緊急と言っていましたけど?」


「そうそう、最近、変な存在が接触してきませんでしたか?」


「あ、確かに!変な球体に話しかけられました。リリスと言っていました」


「なるほど、やはり接触してきましたか」


「え? やはりって?」


「あれは龍人族の魂です。危険な存在なのです、それを注意しに来ました」


「おぉ、それはご丁寧にどうも」 


「こうやって夢の中とは言え、下界での私の活動時間は短いです。端的にお話させていただきますね」


「はいはい」


「”はい”は一回で宜しい」


「ご……ごめんなさい」


「コホン……まぁ良いです。では話します。龍人族は強大な力をもっていました。それは説明しましたね?」


「はい、説明されました」


「それは武力のみならず、技術力もすさまじく発展していました」


「工業とか?」


「うーん、少し違います。魔力の技術化とでもいいますか、魔工学といいます」


「魔工学……」


「そうです、その技術を使って彼らは神に弓引いてきたのです」


「そういえば、神様と戦争してたって言ってましたよね」


「そうなんです。龍人族は地上界であるウチラースと神界であるダリア界を越えられる技術を持っていたのです」


「も、もはや、チートですね」


「その力の一端で、魂への干渉能力も会得していました」


「不感症?」


「ちがいます。魂への干渉です。なんですか、それ」


「すみません…………」


「コホン……その能力は非常に強力で、自力で転生する能力を持つものもいました」


「ええ!?自力転生をしちゃうんですか??」


「はい、だから脅威なのです」


「そこまでとは……」


「自力転生というのは、実は転生先の肉体が必要なのです」


「え?となると。もしかして、転生狙ってるんですか?あのリリスって奴は」


「はい、狙ってます。あなたの肉体をガッツリ狙ってますね 」


「俺の??まじか……そんな悪い人に見えなかったですけど」


「赤ちゃんの魂と肉体は狙いやすいですからね。おそらく、自我がしっかりしているから一旦引いたのでしょう。危なかったです」


「の乗っ取りですか。そんな 憑依みたいな……」


「とりあえず、防御方法を教えます」


「ぼ、防御って……あいつ そんなヤバいやつだったの?」


「ええ、やばいです。相当ヤバイです。元龍人で、危険人物でした」


「龍人っていうのは本当なんだ……」


「はい、それでは防御方法を教えます」


「はいはい、レクチャーお願いします」


「”はい”は 一回で宜しい。消しますよ?」


「すみません……調子のりました」


「コホン、それでは教えます。まず魂の転生のためには転生先の魂を認識する必要があります。そのためには、まず、相手の魂を丸裸にする必要があるのです」


「ほう、丸裸に……魂の丸裸とはいったい。全然 イメージわきませんが……」


「まあ、知らなくていいのですが、魂を体から出すことです。その状態の魂は丸裸ですね。体から出すのが一番手取り早いのです」


「た、魂を体から出す?そんな簡単に出せるの?」


「いえ、まず出来ません。しかし、昔とある天才龍人が、他人の魂を条件つきで体から出す方法を発見したのです。その条件は龍人族以外知りません」


「りゅ、龍人族 凄すぎじゃないですか悪魔みたい」


「おそらく、あらゆる手を使ってその”条件”を達成して、あなたの魂を体から出そうとしますよ」


「無理やり引っこ抜かれることはあります?」


「それは無理でしょう。なので条件があるのです。その条件が達成されれば、あなたは乗っ取られます」


「ぼ、防御方法は? 条件が達成されたらアウトなんですよね?その防御方法は?教えてください」

 

「簡単です。無視することです」


「む無視??」


「はい、無視です。ガン無視です」


「そ、それだけ?」


「ええ、それこそが最大の防御方法です。無視!それ一点のみです」


「な、なるほどーーーー……」


「しかし、無視ってし続けられるものなのですか?」


「普通は無理でしょう。おそらく24時間語りかけてきます。ちょーウザイですし、それだけで精神がおかしくなります。でも大丈夫、あなた龍人ですからね、そのうち慣れます」


「しつこいイタズラ電話みたいですね!!」


「周囲に干渉して脅してくる可能性もあります。とにかく!無視。相手にしてはダメです」


「わ、わかりました」


「でも、今日は結構話してしまいましたよ」


「なるほど……これは危険ですね。すでに条件がいくつか達成している可能性があります」


「ど……どうしましょう」


すると、女神の声が遠くなっていくのを感じた。


「今からでもまだ遅くありません、無視しましょう無視しましょう無視……」


「め、女神様!壊れた機械みたいになってますけど!?」


そこまでで、俺は夢から覚めた。

連投いたしますので、ブックマークしていただけるとうれしいです。作者もいろいろ呟いています。

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