明日はサイクリングする予定です
T春花 <h******t@gmail.com>
Wed, Jul 8, 2009, 12:37 AM
to 岩▽◇◎
カンボジアの人は侮れない、簡単に信用するな、とネットで警告している人がいますけれど、それは裕福な国に住んでいるから言える事なのかも知れないと感じます。アラキさんはどのように思いますか?
ビザをもらうには10ドルの「損」が行く仕組みになっています。恐らく、陸路で国境を越えようとするバックパッカーにとっては「通行税」みたいなもので、みな取られるのでしょう。旅慣れず馬鹿な私は、それとは別に50ドルほど「授業料(笑)」を取られました。カンボジアに入国するとバスが待っていて、バンコクからやって来たバン数台分のバックパッカーを乗せてシエム・レアプへのでこぼこ道を行きます。(タイはどこも舗装道路で、至るところにセブンイレブンがあります。セブンイレブンの店内は床がぴかぴか。超清潔です。日本と変わらないくらい綺麗です。ただ、売り物の並べ方にまでは心を配らないようで、日本人の目には商品棚がだらしなく見えます。でも、その程度の違いです。ところがカンボジアに入った瞬間、様子は一変します。国力の差としか言いようがありません。)
バス乗り場まで案内してくれた人が、親切に教えてくれます。「シエム・レアプに行ったら、カンボジア通貨のリアルを持っていないと大損するよ。ドルも使えない事はないが、ドルで支払う場合、店は釣りをよこさない。20セントの物を買うのに1ドル札しか持ち合わせていなければ、そっくり1ドル支払う羽目になる。馬鹿らしいだろう?カンボジアではリアルとUSドルと、どっちも通用するけれど、スマートな人はリアルを使う。ここで両替して行ったら良いよ。シエム・レアプで両替すると、あそこは観光地だから手数料が恐ろしく高いんだ。」
勧められるままに、バス・ステーション内の両替商で500ドル分をリアルにしてもらいました。するととんでもない量の札束。数えるのも一苦労です。案の定、少しリアルが足りません。(文句を言ったら不足分をくれはしましたが。)バスに乗りこんでシエム・レアプに向かう途中、食堂兼土産物屋で休憩。問題なくドルが使えるではありませんか。ドル札で払ったお釣りは、レアルでくれます。今日分かった事なのですが、カンボジアの事実上の通貨はUSドルなのです。レアルはお釣り用の補助通貨みたいな扱いです。
一番ひどかったのは、バス・ステーションで交換した時のレート。滅茶苦茶なぼったくりレートでした。シエム・レアプ市内の銀行で交換するより、50ドル分損するレートだったのです!ああいう闇両替も、貧しい国なればでしょう。ビザの事や両替の事をトゥクトゥク・ドライバーに話したら、「corruption at the border」と言って呆れていました。(カンボジアの人は英語が上手です。タイの人は下手で、タクシー運転手などには全然通じません。)
でもそのトゥクトゥク・ドライバーの彼自身、随分したたかですから笑ってしまいます。昨夜シエム・レアプについた時、乗せて来たおんぼろバスの運転手は町の中心地で止まろうとしません。どういうわけか市街地を通り過ぎて、何もない空き地で疲れ切ったバックパッカー集団をおろします。そこには群れをなしたトゥクトゥクが待ち構えています。お一人様2ドルで、中心街まで連れていってくれる、との事。さっきバスに乗ってよぎって来た中心街へ、トゥクトゥク・ドライバーたちが連れ戻してくれるという寸法です。皆バンコクから一日かけて来た、重い荷物を背負ったバックパッカーですから、歩いて戻ろうという人はいません。全員が又2ドルずつ払います。
そして、ドライバーが連れて行こうとするのは、彼「お勧め」の宿。成功すれば報酬に幾ばくかキックバックがあるのでしょう。万事がこの調子です。あらゆる方法で外国人からぼったくります。
トゥクトゥクに二人で乗りましたが、最初、私たちはみすぼらしい宿に連れて行かれました。部屋を見せてもらいましたけれども、ベッドは汚れているし、蚊が飛んでいるし、とても泊まる気にはなれません。でも、ドライバーはしきりに勧めてきます。ここは安くてグッドな宿だからここにしろ、と。二人揃って「嫌だ」というと、「Why?」と来ます。ドライバー相手に言い争いしてもつまらないので、通りに出て2ドルずつ出しながら、「サンキュー。宿は自分たちで探すから、あとは結構です」と言いました。彼も諦めた様子で、「日本人が経営しているゲストハウスを知っている。そこへ連れていってやるから乗れ」と言います。「もう結構。自分たちで探す」と二人して適当な方角に歩き出しました。すると彼はトゥクトゥクに乗ってゆっくりついて来ます。「乗りなよ。ただで連れていくから。」
本当にフリーか、と尋ねると、フリー!本当にフリーで乗せてやる、というので、連れて来てもらったのが昨晩から泊まっているこの日本人宿というわけです。比較にならない綺麗さです。ドライバーのキックバックはなかったと思われます。しかしドライバーもさるものにて、明日はどうする予定かと聞きます。遺跡見物なら御用命を承る、20ドルでどうだ、と営業をかけて来ます。宿の受け付けで確かめると、一日20ドルなら悪くないとのこと。
というわけで今日は朝からトゥクトゥクでアンコールを回りました。アンコールワットの夜明けに始まり、丘に登ってアンコールワットを見晴るかしながらの夕日。(夜明けと夕日自体は別に大したことなかったです。)あまりにも暑いので、一度シャワーとランチしに宿に戻りたいと言ったら、それは別料金だと言われました。そんな事を言わずに、三人でパブ・ストリートのレストランに入って食べよう、我々のおごりだ、おまけにチップをはずむからどうだと誘ったら喜んで宿に引き返してくれました。シエム・レアプには外国人観光客が騒ぎに集まる「パブ・ストリート」があります。シエム・レアプ版のカオサン・ロードといったところでしょうか。カオサン・ロードとの違いは、「パブ・ストリート」は物乞いと靴磨きとジャスミン売りと売春婦だらけなこと。よそめにビールを飲み、クメール料理を楽しむ外国人観光客たち。複雑な気持ちになりながらも、私も「パブ・ストリート」の客に。昼食と夕食と、今日は二度までも。ビールを飲んだり、楽しくおしゃべりしたりと。
ここの宿はちょっとしたマンガ喫茶です。日本語対応のパソコンがあるし、マンガ本まで置いています。町のネット・カフェに行く必要がありません。とても快適です。
今日はこれくらいにします。また明日。お休みなさい、アラキさん。
Your Haruka