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樸は春花さんを尊敬している。



≪春花さんは無二の恩人だよ。軽蔑する道理がない。樸は春花さんを尊敬している。≫ アラキさんがくれた返信メールからです。日付は2009年6月21日。


バンコクのホテル生活にも慣れて来て少し落ち着いたので、アラキさんに長いメールを送りました。私が日本に置き去りにして来た社会人の責任について。世田谷の葵さんたちに対する酷い仕打ちについて。


私は黙って東南アジアに来てしまったのでした。葵さんが出張で留守なのをよいことに。御主人が胆石の手術で入院中この時とばかりに。ユーパックを頼んでめぼしい物は実家へ送りました。自分の持ち物だった冷蔵庫、洗濯機、掃除機、テレビ、ステレオ、ベッド、机、デスクトップ、本棚、自転車等等は、処分もしないでそのままにしました。わずかな衣料と日用品をバックパックに詰めて成田空港に向かいました。既にパスポートは持っていたし、タイはビザがなくても日本国籍なら入国できるとの事だし、使っていたSMBCの銀行カードは海外のATM対応なのでこの際ありがたい事でした。


ひとかたならず世話になった世田谷のビルへは、葵さんと同僚講師たちに置手紙をしました。世田谷をあとにしたのはお昼近くでしたが、その日の夕方、塾は混乱したに違いありません。通常どおり生徒さんたちが通ってくる授業日だったので。




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