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誰かと手をつないで歩くことは数年ぶり
アンコールの遺跡群(実に無数にある遺跡)を数日間、一緒に回わりはしたものの、シエム・レアプの日本人宿では別々の部屋に泊まっていました。プノン・ペンでも部屋は違いました。
アンコール見物した初日、ワットの日の出を見にトゥクトゥクから降りると、クリスは手をつないで来ました。まるでそうする事が当然、自然かのような仕方でした。自然と、二人は手をつないでいました。手をつないで門前の長いアプローチを歩いていました。まだ真っ暗でした。でも観光客は大勢いて、数組の男女が同じように手をつないで私たちの前を歩いていました。
私にとって誰かと手をつないで歩くことは数年ぶりのことでした。元婚約者とはよくそうしました。でも、初めのうちだけ。あとになるほど、手をつないで歩かなくなりました。しかも、元婚約者とクリスとでは、同じ手を握るでも、同じでないような動作でした。クリスのは、気負うことなく、魂胆がありそうでもなく、まったくナチュラルな動作でした。「自然」というほかありません。やはりジェントルマンです。欧米の彼氏を持ったことがある人なら分かるかもしれません。




