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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

勇者と魔王シリーズ

不老不死と悪意

作者: EternalSnow
掲載日:2021/04/23


 輪廻転生。

 いわゆるよくある特典転生って言われるやつだ。


 僕の転生内容は、不老不死。

 神様いわく、『すぐ死んでしまった君へのせめてもの贈り物』らしい。


 僕が大人になんてなりたくない。

 そういったから、神様が頭をなでてからつけてくれた能力だ。


 それから僕は老いることなく、そして死ぬことのない体になった。

 馬鹿な僕は、

「素敵なプレゼントをありがとう」

 そんなことをのたまった。


 次の日に、僕はその力を使って狩りを行った。

 延々と確実に、傷ついてもすぐ治る僕の体なら、魔物だって怖くなかった。

 剣を握って、何度も殴られながらも切り倒した。

 オオカミや牛などの魔物を食料としていた村のみんなから最初こそ。

「よくやったな」

「無理するんじゃない」

「お前は英雄だ」

「〇〇君すごい!」

 とか言ってくれたけど、次第に僕は怖がられていった。


 そう、無傷で必ず帰ってきても、服は破けているんだから。

 傷が治ったこともそのうち察せられた。



 そして、僕は顔なじみのみんなから、怖がられた。

 怖いと。

 震える目で、涙をいっぱいためて言われたんだ。

「この、化け物!」

 って。

 その中で、幼馴染の女の子だけが僕と変わらずに接してくれた。

「大丈夫だよ。みんないつかわかってくれるよ」

 そう、幼馴染は言った。


 だけど、僕はただただショックだった。

 苦しくて、ただただ涙がこぼれた。

 石をぶつけられたこともあった。

 すぐ、大人の人がとめて、村長さんが敬語を使って謝った。

「すみません、もう二度といたしません。だからお怒りをお沈めください」

 って。


 それから、何年もたって姿の変わらない僕は、村のみんなから腫物のような扱いを受けた。

 たぶん、ただただ怖かったんだと思う。

 なんでかは分からないけど。

 村長さんの言葉から、なんとなくそう思った。


 僕は、幼馴染を看取った。

 そう、僕と違って、幼馴染は年をとってしわしわのおばあちゃんになった。

 そして、それからほどなく、眠るように息を引き取った。

 最後に「ごめんなさい」と謝られてしまった。


 それから、村のみんながこう言ったんだ。

「これで厄介者が死んだ」

「あの化け物もほどなく出ていくだろう」

「あの魔女め」

 幼馴染が謝った理由がなんとなくわかった。


 僕を助けてくれるほどやさしい彼女は、僕がみんなを傷つけるのをよくないと謝ったのだと思った。

 手から血が零れた。

 僕は笑えているだろうか?




 森の奥深くに彼女の墓を立てた。

 彼女をあの村に野ざらしにするわけには行かなかった。

 僕の両親を埋葬してくれたように、お花を供えて、ただただ祈る生活をつづけた。


 そして、ある日彼女の墓は壊れていた。

 悪ガキが彼女の墓を壊したのだとわかった。

 でも、彼女の顔がちらついて、僕は墓を作り直して、ただただ祈った。



 ある日は石をぶつけられた。

 またある日は指をさして笑われた。

 またまたある日は、彼女のことを魔女だと罵った。


 歯を食いしばって耐えた。

 彼女はそんなことを望まない。

 彼女はただただ、優しくて僕とみんなを取り持ってくれていたのは、理解できていたから。




 そして、あの日が来た。

 悪ガキが僕を剣で斬りつけたのだ。

 ただ茫然としていた。


「あはは、化け物斬りつけたぞー! 僕はすごいんだ!!」

「すっげえ! 俺もやろっと! 逃げんなよ化け物!!」

「あの化け物の家も、あのわけわかんない石も全部燃やしちまおうぜ!」



 僕には、もう我慢できそうになかった。







 3人を僕は村に投げた。

 縄に縛られた3人はギャンギャンとあることないことを叫び続けていた。

 みんなは僕に怒りや恐れを抱いたのはなんとなくわかった。

 だけど、僕の背中から切られた服を見て、この村長は言った。


「わしらを殺しにきたか、この忌々しい化け物め!」


「僕のことはほっといてくれ。

 これは見せしめだ。

 次、僕にちょっかいをかけるなら、命の保証はしない」


「ふん、忌々しい化け物が! とっとと帰れ!」


「……忠告はした。もう容赦はしない」


 その後、僕は彼女の墓の前で泣いた。











 それから、ずっと立ってから、いろんな人が来た。

 鎧を着た人や、ボロボロな服の人。

 豪華な服を着た人や、大きな剣を背負った人。


 翼を背中につけた人も居たっけ。

 あの人ぐらいかな?

 このお墓に手を合わせてくれた人って。


 大抵の人は、僕やお墓を傷つけて、僕に戦えっていうんだ。

 だから、最初は丁重にお断りして、

 強制してくる人は付き返した。

 それでも襲ってくる人は……。うん。仕方がなかったんだと思う。






 僕には、もうどうでもよかった。

 ただ、果てしなく死にたかった。


 もう、彼女の元に行きたかった。


「神様! お願いですっ!

 僕を、僕を!!」





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