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お金を払ってない本を間違って持って帰ってしまった(万引きとも言う)後、叔父さんと叔母さんにこっぴどく叱られたホワリ。
「うん、叱られるのはわかってましたよ。わかっていましたがね、、、今すぐお金を払いに行く必要ないじゃないかぁぁ!!」
珍しく大声で叫ぶホワリ15歳、現在時刻20時である。
「家まであと20分、、、お腹すいた、、、なんか余ってたかなー?」
そう言うとホワリは手につけてる腕輪を前に出した。特にこれと言うことはしていない。だが、
その腕輪は金色に少し光り、青く光る球体が出てきた。
「こういう時、便利だよねー 神具ガラリングは。お、リンゴがあった。」
そう言うと、球体から赤いリンゴが出てきた。それを掴み、ホワリはかじる。
「でも改めて考えるとすごいな、この神具。一年前に吸収したリンゴも綺麗に保存できてるなんてなー。普通腐るって。」
そう呟いた時だった。茂みから何かがホワリ目掛けて襲いかかってきた。
「おっと。」
ホワリはすぐに避け、襲撃してきたものをみる。
襲撃者は斧を持った人だった。普通の大人よりも大きい男だった。ただし、
腐敗し、ゾンビ化した男だった。
「ゾンビか、久々に見たよ。いつぶりかなぁ?」
濃い緑、ボロボロになった鎧をまとい、首が斜めに深く曲がったゾンビは、手に持った斧を横に振るい、襲いかかってきた。
「おわっ!」
感一発、バックステップで下がり、斧を回避する。
(あのゾンビ、腐敗は進んでいるが動きは少し早い。となると属性は闇ではない。ローウェイの鎧と首が折れてるところを見ると、崖から落ちて首を折って死に、そのまま死んで腐敗したか。
ならば、魂はまだ身に宿している光属性か!)
そう分析したホワリは、手を前に出す。そして言葉を唱える。
「死してなお、この世に留まる聖なる魂よ、自身の役割を今一度思い出し、冥界へと旅立つがいい!『ソウル・フライト』‼︎」
そう唱えると、手から出た光はゾンビに向かって行った。
「ギャオぉぉ‼︎」
激突した光は爆発し、ゾンビを包む、が、
「ァァぁアアアァー‼︎‼︎」
ゾンビは倒れることなく再度突撃してきた。ホワリとゾンビの距離はもう1メートルもなかった。「はぁ。やっぱり、初級魔法じゃ何とかならないよね、」
そう言い腕輪を前に出す。すると、腕輪から黄色い光がでてき、ゾンビに命中する。
「オァァォアーぁぁぁ」
突撃したゾンビはそのまま、ホワリの横に倒れ込む。まるで 体力が吸収されたかのように。
そして、ぼんやりと溶け、光の道を通って腕輪に入り込み消えた。後には何も残らなかった。
「浄化魔法を使わずにゾンビを倒すのは、なんかやだな。」
そう言い、そらを見上げたホワリ。今夜は三日月が綺麗だな、そう思ったときだった。
「あ、あの 大丈夫でしたか?」
声をかけられた方を見る。そこには、ピンク髪の少女がいた。