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春休み④

絡まれていた女の子たちが無事なのを確認したおれは先に仕掛けを回収し、一応問題なかったか確認した。


すると、ようやく落ち着いたのか腰を抜かして座り込んでいた女の子たちが近寄ってきた。


「あの・・・」


「あ・・。はい、いま警察を呼んだのですぐに来ると思います。これからは注意して出かけてくださいね」


「はい。あの、助けてくれてありがとうございました」


「いえ、たまたまですので」


「それよりも怪我を・・・」


「かすり傷ですから気にしないでください。それでは自分はこれで・・・」


「え?」


「ちょっと・・・」


女の子たちは何か言っていたが、かすかにパートカーのサイレンが聞こえているから、早めに立ち去ろう。


男たちをぶちのめしたことは後悔してないが、過剰防衛をとられる可能性は捨てきれないからな。


一応、いざという時のために()()()()に連絡を取っておこう。


俺はすぐに路地裏から逃走し、ある程度離れたところで後ろを振り返るとパトカーがさっきの路地裏に到着し、何人かの警察官に運ばれてパトカーに乗せられる男たちと女性警官に付き添われて男たちとは違うパトカーに乗せられている女の子の様子を気づかれないように確認してそのまま帰路についた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


~助けられた女の子たち視点~


「行っちゃった・・・」


私は茫然とした声でそうつぶやいた。


私と乃亜を助けてくれた男の人は名前も名乗らずさっさといなくなってしまった。


私はすぐに路地裏から出てあたりを伺ったがさっきの人は見つけられなかった。


「舞!!さっきの人はいた?!」


乃亜が私を追いかけて路地裏から出て同じように辺りを探すが、すぐに肩を落としてしまった。


そのあと、すぐに数台のパトカーが到着した。


「路地裏で男に暴力を振るわれている女の子たちがいるという通報を受けてきましたが大丈夫ですか!!」


パトカーから警察官の人がおりてきた。


私と乃亜はなるべく詳しく状況を説明した。


2人で買い物をしていた時にナンパされ、しつこく絡まれたこと。


この近くを通った時にいきなり路地裏に連れていかれたこと。


強姦されそうになった時に偶々近くを通りかかった男性が声をかけてきたこと。


最初、男たちにその男性が殴られていたがそのあとすぐに男性が反撃して男たちを気絶させたこと。


警察に通報したからすぐに来ると私たちに伝えると帰ってしまったこと。


話を聞いてくれた女性警察官の人は私たちを慰めながら、ほかの警察官の人と何やら話をした後、助けてくれた男性のことを訪ねてきたので、申し訳ないと思いつつ見た目と服装を警察官の人に伝えた。


他の警察官の人と数分話あった後、女性警察官の人が詳しい話は後日伺いますので、今日のところはご自宅にお送りますと伝えてきたので私と乃亜は家に送ってもらった。


家に帰ると家族から心配され、今日会った出来事を洗いざらい白状させられた。


数日後、改めて警察から呼ばれた私と乃亜はそれぞれ親と一緒に警察に向かった。


警察に行くと簡単に事実確認だけされて、被害届の提出をしただけで私たちは帰宅することなった。


実は私たちの事件の次の日警察に匿名で動画と音声のデータがメールで送られてきたらしい。


そこには事件の様子とその時に音声が残されていたらしい。


それが証拠になって男たちは強姦未遂と暴力行為で逮捕、全員に実刑が下るようだ。


私たちを助けてくれた男性は見つからなかったものの正当防衛が適応されて罪に問われることはないだろうと言っていた。


私と乃亜は安堵した。


その後、男たちの家族が私や乃亜の家に来るようなこともなかった。


ただ、一つだけ心残りがあるのは私たちを助けてくれた男性のことだ。


そのあと、私と乃亜は何回もあの路地裏の近くに出かけたが結局あの男性には会えなかった。


だが、縁というものはなかなか切っても切れないようで私たちとあの男性はその後意外な場所で再会するのだが・・・


それはまだ誰も知らない少し先の未来の話。



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