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春休み②

美紀さんに連れられて、俺は駅から歩いて数分のカフェで昼食を取っていた。


俺はカルボナーラと紅茶、美紀さんは魚介のパスタとアップルジュースを頼んだ。


俺と美紀さんは談笑しながら食事をとり、今は食後のコーヒーを飲んでいるところだ。


「それで、昨日から1人暮らしを始めたみたいだけど、どう?」


「まぁ、それなりに忙しいですけど、特に問題はないです。()()()()()()のおかけで」


「そっか。なら、私も教えたかいがあるというものよ」


美紀さんはそう言って、コーヒーを飲み、カップを置くと、少し真剣な目をした。


「でも、大丈夫?小学校と中学校は成績の維持だけで卒業できたけど、高校は出席日数もあるのだから今までのようにはいかないのよ」


「わかってます。でも、だからって中学卒業で就職するわけにはいかないですよ。そこまで()()()に迷惑をかけるわけには・・・」


「彼女は気にしないと思うけれど・・・」


「それでも、必要最小限のちゃんとした経歴は必要ですよ。いくら仕事ができるとしても今の社会は経歴がいらないってわけにはいかないんですから」


「それは・・・そうだろうけど」


「それに、あのころとは違って、もう15なんですからある程度は自分で対応しますよ。じゃないと社会に出た後、苦労しますから」


「だとしても、何かあったらすぐに連絡してね。私たちは彼らの親友で君は私たちの大切な教え子なんだから」


「ありがとうございます。いざという時には皆さんの手をお借りします」


「まかせて!!」


俺と美紀さんはそのあとも世間話をしながらコーヒーを飲んで、そのまま解散した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


美紀さんとの食事を終え、部屋に戻り、ベットに横になった俺はボーっと天井を見上げていた。


俺は小学校のころから碌に学校に行っていなかった。


小学1年生の初めのころはまじめに行っていたんだが、そのあと容姿のことで同級生や上級生の女子たちに囲まれるようになり、それが気に食わなかったのか、同級生や上級生の男子から嫌がらせをうけ、それがどんどんエスカレートし、俺は両親に泣きながら、それを伝えた。


すると両親が、


「気づかなくて悪かった」


「そんな学校なんて行かなくてもいいわ」


と言ってくれた。


さらに両親は学校に行かなくても勉強はできるし、勉強以外のことも教えてあげるわと言って、俺が学校に行かなくなった日から家にいろんな人を呼んでくれた。


話を聞くとどうやら両親の学生時代からの友人で今でも交友のある人達みたいだ。


その人たちから俺は様々なことを教えてもらった。


学校の勉強、家事、運動、ファッションや更には会社で就職しても使えるよなスキルや技術まで教えてもらった。


おかげで、俺は学校にはほとんど行かず、テストの日だけ保健室で受けて、全教科満点を出した。


そんな生活を続けていた。


ちなみにさっきまであっていた美紀さんは母の高校時代の親友で現役の高校教師。


そんな美紀さんに俺は一時期学校の勉強を教えてもらっていた。


小学校5年生のころに高校の全科目の勉強を・・・。


これは両親の親友の人たちが来たことで発覚したことなのだが、どうやら俺は物覚えが常人の人たちよりいいらしい。


・・・それも異常なほどに。


それがわかってから両親は面白半分、まじめ半分で自身の人脈をフルで活用して、いろんなことを俺に教えてくれた。


そんなこともあって、俺は小学校を卒業する時点で高校の教育課程をすべて学び終え、それ以外の特技も小学生レベルをはるかに上回り、高校生に交じっても問題ないレベルになっており、特定の分野ではすでに大人に匹敵するレベルになっていた。


さて、そんな奴が君たちのいる中学校に入学したとしよう。


そんな得体のしれないバケモノのみたいなやつと仲良くなりたいと思うだろうか?


答えは否だろう。


なぜなら、俺の経験がそう言っているからだ。


俺の予想どおり、俺の異常さは中学校に入学してわずか一か月で発覚し、全校生徒に知れ渡った。


もともと容姿もそこそこよかったこともあり、毎日俺のスペックに群がってくる女子とそれが気に食わない男子からの嫌がらせに嫌気がさし、夏休み明けには学校に行かなくなり、テストの日だけ保健室登校し、満点を取る。


そんな生活に逆戻りした。


だが、俺はそんな生活でも毎日が充実していた。


中学校の不登校期間は小学校のころに教わったスキルや技術を使って両親やその親友の人たちの手伝いをするようになり、様々な人から感謝されるようになった。


そんな中でもいろいろなことを学び、そして新たな技術やスキルを完璧にマスターしていった。


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