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入学式➆

茜さんが言っているモデルというのは世で言うところの読者モデルというもので、茜さんはモデルやアイドルなどの芸能事務所の社長なのだ。


中学3年生の時、たまたま撮影の日に担当のモデルが急病で来れなくなり、代わりのモデルも見つからず、困り果てた茜さんは親友である俺の母親に泣きついた。


俺の母親はよりにもよって俺を代わりのモデルに使ってはどうだと提案した。


当時は成長期ということもあって身長はモデルをやるには十分ということもあり、俺は茜さんによって拉致られ、会社に連れていかれた。


完全な素人だったのだが、いつものように俺はすぐに教わったことをモノにし、撮影は無事に終了した。


・・・のだが


俺が乗った雑誌の売り上げが茜さんの会社でトップクラスの売り上げをたたき出したことで茜さんに土下座で頼まれ、そして相変わらず悪ノリした俺の両親によって、俺は茜さんの会社と契約し、読者モデルになった。


ちなみに隆也さんは茜さんの大学の同級生でカメラマン。


真白さんは茜さんの大学の後輩で茜さんの会社のモデルである。


そういう縁もあり、隆也さんと真白さんからも様々なことを学んでいる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「明日のモデルって・・・あぁ、高校が始まるからって断ったやつですね?」


「そうなんだけど・・・実はペアのモデルがセイと一緒がいいと駄々をこねてね」


ちなみにセイというのはモデル仕事中の俺の名前だ。


「明日のペアって・・・あぁ、アリサか」


「そうなのよ。セイが忙しいから無理だって言ってたんだけど、だったら自分がお願いするから住所教えてって言ってきてね」


「どうりで先週くらいから仕事用のスマホに鬼のように連絡が来ていたんですか・・・」


「そうなのよ。というわけで・・・お願いできない?」


茜さんがさっきと同じように上目づかいでこっちを見つめてきた。


「美紀さん。明日ってなんかあったけ?」


「特に重要なのはないわよ。明日は一日クラスや学年のオリエンテーションみたいなものだから」


「あぁ、めんどくさいやつね。じゃあさぼってもいいか」


「担任教師の前で堂々とさぼり宣言とはいい度胸ね」


美紀さんがジト目で俺をにらんでくるが、冷や汗を流しつつスルーした。


「了解です、茜さん。明日の仕事受けますよ」


「ありがとう、誠くん。これで何とかなりそうね」


「明日のカメラマンは俺だから、よろしくなセイ」


「お願いしますね。隆也さん」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「そういえば、誠也君。今日はそこそこ早く終わったのに帰ってくるのが遅かったけど・・・何かあった?」


美紀さんにそう聞かれた俺は思わず顔をしかめてしまった。


「その様子じゃ、なにかあったみたいね」


「別に・・・相変わらず女ってめんどくさいなって思っただけだ」


「女?・・・あぁ、もしかして林道聖羅さんのこと?」


「あと、工藤亜美もな」


「なるほどね。おおかた林道聖羅さんと工藤亜美さんが協力してあなたを生徒会室に連れて行ったってところかしらね。ホームルームが終わった後、会長と新入生の女子が新入生の男子と腕を組みながらどっか行ったって噂が立っていたから。なんのことかと思ったけど誠也君のことだったのね」


「あぁ、林道が俺の友達になりたいってバカなことを言い出したから二度と話しかけんなって脅して帰ってきた」


俺の言葉にその場にいた全員が苦笑した。


「誠也君は相変わらずね」


「まぁ、先生の人間嫌いは今に始まったことじゃないですから」


「俺たちは例外だから」


「まぁ、誠くんのスペックの高さは何としても味方にしたいのは分かるけどね」


「セイの体質は超万能型だからな」


「誠也くんのすごさは身内になればなるほどわかりますけど、その身内になるハードルが果てしなく高いからですから」


「まぁ、問題はほかにもあるんだがな・・・」


「そうなの?」


「あぁ。マサさん、春休みに俺が助けた女の子2人のこと覚えてる?」


「あぁ、覚えているぞ。確か年はお前とおなじだったな・・・ってまさか」


「そのまさかだ。新入生代表挨拶の時、やけに視線を感じるなって思ってみてみたらその女の子たちだった」


「ははは!!すげぇ、偶然だな!!」


「最悪だよ。幸い、今日は話しかけてくることはなかったんだけど、そのうち接触してきそうだ」


「あの場を逃げ出したのは誠也の自業自得だからな。まぁ、出会った以上諦めろ」


「はぁ~」


本来だったら新生活で期待に満ち溢れているであろう高校一年生がすっかり疲れ切ったサラリーマンのおっさんのようなため息をつき、その場にいる全員が再び苦笑した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


その後、22時近くまで飲み食いをしていたメンバーは明日も仕事があり(そもそも明日は金曜日)手早く後片付けをして23時前には全員が帰っていった。


そして、俺は入学式とそのあとにあった出来事とこの後の高校生活を思うと心理的な疲れが自分の体に大きくのしかかり、その日は風呂に入る気力もなくし、ベットに飛び込むと次の瞬間には泥のように眠りについたのだった。

更新が遅れて申し訳ありません。

学校生活と資格の勉強で時間取れませんでした。

今後の更新予定に関しましては活動報告に乗せてますので是非ご覧ください。

これからもよろしくお願いいたします。

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