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雪奈のサプライズ企画

 私、園田雪奈はこの世界で初めて敗北を味わいました。ええ、油断です。う~ん、と言うより無茶もあったかもしれません。


 剣士なのに空を飛ぶ魔道兵器に喧嘩を売りました。


 空中で魔術を使って軌道を変えたりしてあのマシンガンのような攻撃を避けてたんですが、着地の事を考えてませんでした。


 怪我もいっぱいしました。あの二丁のマシンガンはどうやら火と氷の魔術を連射するらしく、火傷と氷柱つららをいっぱいくらいました。


 致命傷は避けていたんですが、最後にいよいよ殺されようかと言う時に私の兄が助けに来てくれました!


 雷のように現れた兄さんは敵の両腕を斬り飛ばし、すぐさま私のところに駆け付けてくれたんです。


 来てくれたのは飛び上がるほど嬉しいのですが、兄さんも擦り傷が目立ちます。長年の癖で思わず子供扱いしそうになりました。


「過保護かよ……怪我してんのお前だろ。……ごめんな、俺はお前を守りたいのにこの有り様……兄貴タンク失格だ」


 ああ、兄さん……そんなことない。とっっっっても格好良かったです!そう言いたかったのに上手く言えない。


 兄さんの体温と男らしい身体、それが抱擁により伝わって心臓の鼓動を加速させる。それに加えて先程の台詞が耳元で聞こえれば、どうにかなってしまいそうです。


 ただ、声が上手く出なかったのは他にもあります。それは妹故の不安でした。


 兄さんとお風呂場で再会したとき、私は自身の気持ちが恋だと言うことに気付きました。だけど初恋、もしかしたらただの勘違いかもしれない……初めての感情なので、恋と気付いていても不安な気持ちが沸き上がります。


 私は妹、もしかしたら兄さんがティアちゃんだけを選んでしまうじゃないかって、そんな不安に押し潰されそうになります。だって、兄さんはまだ私の域には達していないのだから。


 "元の世界に帰るまでに答えを出す"兄さんらしいその提案に私は乗ることにしました。私にも時間が必要な案件だからです。

 女性の中には"ここで答え出しなさいよ!キスしたんだからきちんとしなさい!"って言うかもしれませんが、ね。


 元の世界でかなり追い詰められてた兄さん、だから私は兄さんを追い詰めたくはないのです。攻めすぎず、されど引きすぎず、兄さんは無理矢理手籠めにすれば落ちるでしょう。


 それじゃあダメなのです。兄さんが自分で考え、悩み抜いた末に選んで欲しいのです。スパイス程度ではありますが、アプローチはします。もちろんですとも、私は兄さんをじっくりゆっくり攻略しますから。




 さて、私は現在パルデンスのとある場所に向かっています。


 兄さんは明日パルデンスを発つと言ってました。だから今日のうちに受領しなくてはいけない物があります。


 兄さんビックリするだろうなぁ~、私はそんな期待を胸にスキップを始める。


 その名もDeus ex Machina Ⅱ(デウス・エクス・マキナ2)


 略してDem II(デムツー)


 これを使えば私とティアちゃんと兄さん……それぞれが気持ちの上で繋がれると信じてますから!


 ちなみに、これを作る上で私はある条件をのみました。それは、エードルンド魔道女学園に通うこと。好き好んで行っていたわけではないのです。


 すでに大人となった私が中学へ通う……本当に辛い日々でした。兄さんがいなければボイコットしてます!





 私が受領場所に辿り着くと、カウンターに丸坊主のムキムキなおじ様が立っていました。


「らっしゃっい!!お、セツナの嬢ちゃんか。例の物、出来てるぜ」


「親父さん、今日までありがとうございました」


「兄貴を驚かせる為に頑張ってたもんな~、今日で終わりか……寂しくなるな」


「多分またパルデンスに寄りますから、その時顔を出しますよ」


「その時はまたよろしくな!───さて、代金はマルグレット様から受け取ってるからよ。持っていきな!」


 手渡されたソレは前回と違ってシンプルなフォルムに仕上がっている。物理的な機能性ではなく、魔術的な機能性に特化させました。


 兄さん、待っててくださいね。私の想いを持って帰りますから!

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