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王都帰還

 リタを背負ってルークやサチ、ライラと共に王都ルクスへ帰還する。紋章術を使用した影響で"魔力回復・極大"があっても全く回復しない。どうやら完全にゼロになるまで使いきると回復に時間がかかってしまうようだ。


 そのため、サチの氷魔術で作り出された雪車(そり)で王都まで滑走した。


 道中隣に座るルークの妻自慢がうるさかったので、俺も対抗して妹自慢をすると何故か沈黙された。


 そして半日かけてようやくルクスに辿り着いた。


「兄さん!!!」


 ──がばっ!


 玉座の間で雪奈達と再会すると、雪奈が胸に飛び込んできた。


「お、おい雪奈……リタを背負ってるんだから手加減してくれよ」


「あ! ご、ごめんなさい……兄さんが吹き飛ばされてから心配で心配で……」


 雪奈は今にも泣きそうな表情で俺を見上げていた。両手が空いてたら目尻の雫を払ってやりたいくらいだ。


「心配させちまったな、見ての通り無事に勝ってきたよ。だから安心してくれ」


「……はいっ!」


 雪奈は俺の胸に顔を埋めて腰に回した腕をギュっと強めた。


「お兄ちゃん、その子……リタちゃんだよね?」


「まぁ、そうなるな」


 灰色の髪は元の茶髪に戻ったけど、背も高くなったし出るとこも出まくってる。つまり体型までは元に戻せなかったわけだ。


 中3から高3レベルに変わってるから顔立ちも少し大人びてる。ティアが自信無さげに言うのも無理ないな。


「そっちはあれから何かあったか?」


「ワンさんの遺体を弔って、怪我人の治療をしてたよ。その間には特に何もなかったし、むしろこれからだと思う……生き残った貴族やギルドマスターが集まって色々決めることがあるみたいだから」


「なるほど、よくわかった。それで俺達はどうする? できればリタを寝かせてやりたいんだが」


 俺達の今の立ち位置がわかりにくい、一応国を救ったと認識して欲しいが……また罪を押し付けられたらこの子を背負ったまま戦闘になるだろう。


 正直それだけは避けたいな。


「タクマ君、とりあえず今の王宮は瓦礫撤去とかで騒がしいから離れにある騎士の宿舎に移動しよう。その子のためにも、ね」


「お前がまともで良かったよルーク。この世界に来てからまともな貴族にあまり出会えなかったからな、ちょっと警戒しちまった」


「それに関しては申し訳ない。君への最大限の協力はするし、これからこの国を僕はよくして見せるから、それで償いをするつもりだ」


 ルーク……世間知らずだったあの頃より成長したな。顔立ちも歴戦の騎士みたいになってるし。


「兄さん、ルークは詐欺師と言っても過言ではありません! いつでも首を落とせるように待機してますから!」


 抱擁から解放されたと思ったら、今度は柄に手を掛けてルークに敵対し始めた。


「セツナさん、今度は良妻たるこの私がいますから、安心してください」


 サチが胸を張ってルークをフォローしている。残念ながらライラより薄いので揺れもしない胸だった。


「むぅ~~」


「セツナお姉ちゃん、お兄ちゃんも疲れてるしその辺にして行こ?」


「むぅ~~……わかりました」


 こうして俺達は騎士の宿舎に移動した。

 リタは宿舎の医務室で診てもらっている。俺達はそれぞれ与えられた部屋で休むことになった。




 もぞもぞ……。


 むにゅむにゅ。


「あふぅー!」


 柔らかい感触で一気に意識が覚醒してしまった。恥ずかしい声が出てしまったじゃないか。


 毛布の中を確認すると、黒髪ロングと銀髪ロングが中でテヘペロをしていた。


「兄さん、シテくれませんか?」


 普通の兄なら一生聞くことはない台詞を実妹から聞くことになるとはな。


「セツナお姉ちゃんは単刀直入だね。私もそれ目的だったけど……」


 ティア、その恥じらう表情が堪らないぜ! ちょっといじめたくなっちまう。


「仕方ないな──2人まとめてどーんとこいだ!」


 その言葉を皮切りに、長い夜が始まった。


 妹達と唾液交換をしたあと互いの身体を貪り合い、交じり合う。長い長い行為は空が白む頃まで行われて結局一睡もできなかった。


 眠りについた2人を起こさないようにベッドから出て、シャワーで体を洗い流す。

 感傷に浸りながら昨夜のことについて自問する。


 背徳感? そんなもの消え失せたよ。むしろ世の兄達は何故手を出さないのか不思議なくらいだ。


 ま、こんなことが許されるのは"マルーラ"があるこの世界くらいだがな。


 ──コンコンコン!


 ドアがノックされたのでシャワーを止めて応対する。


「入ってるよー、すぐに出るから待ってな」


「……わかりました」


 女の声……あれ? ここ男性用なんだけど……しかも雪奈でもティアでもない声。


 とりあえず手早く着替えてシャワー室を出た。すると、待っていたのはライラだった。

 腕を組み、壁にもたれ掛かっていた彼女はこちらに気付くとズシズシと足音を立てながら近付いてきた。


 赤毛のサイドテールはいつもより萎びているし、目の下には若干の隈が出来ている。


「タクマさん! 私が毎朝起きれない理由、わかりますか?」


「朝が弱い、から?」


「それもあります。ですが昼になるまで寝てたことはありません!」


「なるほど、朝だと思ってたけど昼だったのか……。えーっと、じゃあなにが原因なんだ?」


「私、あなたの隣の部屋です。毎晩ギシギシアンアン聞こえてきたら、眠れませんよ! 昨日とかあれだけの激戦を繰り広げたんです。さすがに疲れてしないと思ってたのに! 久し振りに安眠できると思ってたのにっ!!」


「わ、悪かった! マジですまん! 今度から雪奈とティアの部屋を両サイドにするから、許してくれ!」


 俺が必死に頭を下げると「わかりました。これから私はもう一度寝直します。それが終わったらこれからについて話し合いましょうか」そう言って部屋へと戻っていった。


 中3の女子に怒られる大人って……決まらないよな。オズマを隣にしないことだけしか考えてなかった。だって奴に妹達の声を聞かせるわけにはいかないだろ?


 まぁ配慮がなってなかったことは認めないといけないな。大人として気を付けなくては……。

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