6、魔法が使えるようです。
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外は真っ暗である。2の刻くらいだろうか・・・別館の2階の窓から、怪しい影が動き出す。その黒いマントを羽織った怪しい影は木をするすると降り、別館の側の庭に立たずんでいた。
その者とは・・・
・・・・・私、リリィである!!
魔法が使えないか試してみようと思ってやってきた次第である。
ここは本館からまぁまぁ離れてるし、見回りの警備員みたいな人も、さっき通り過ぎていったから、多分大丈夫だと思う。
魔法の使い方なんて、貴族であった私が知る必要はなかったので、全く分からないが、習うより慣れろ、である。前世で読みまくったファンタジー小説を参考に、やるだけやってみよう。
まずは、水とかかな??炎とか出してみたいけど、花が燃えちゃったら怖いもの。
うーーん、とりあえず目を閉じて・・・
「水よ、集え。」
それに加えて、
「お願い!!」
と、水をイメージしながら唱えてみる。
すると、次の瞬間。
ドバァァァァァ!!!!!
頭上から滝のように水が降ってきた。びしょびしょである。でも、今はそんなことどうでも良い。
・・・・・・・・うそっ・・・できた???
コントロールは皆無みたいだけど、水出たわよね今!!!
やったわ!!私魔法が使えるのね!!!!
・・・そして調子にのった私は、おバカなことに…
「風よ、私を上空に連れてって!お願い!!」
とか、意味わかんないことを唱えてしまったのだ。
ふわっと風が私の身体を浮かす。そして、どんどん上昇し、公爵家の敷地が丸々見える高さまで来た。
最初は良かったのだ。私、空を飛んでるわ!!とか思ってた。でも、それはだんだん焦りに変わる。
あれ、まって。これどうやって止めるのかしら??このままじゃ、宇宙まで行っちゃうわ…ど、どうしましょう…!!
「も、もう!大丈夫だから!!!風よ止んで!!」
気が付いたら、そんなことを唱えていた。
そしてピタリと止んだ風のおかげで、私は地面へまっしぐら。
「きゃああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!??」
パニックになった私は、もうどうすることもできない。
ただこのままじゃ、死ぬということだけは分かった。
もうすぐ地面に叩きつけられる。
死にたくない。生きたい。
(お願い!!!助けて!!!!)
すると、
パァァと私の周りが光で包まれる。それは一瞬の出来事で、気が付いたら、私は庭にへたぁ、と座り込んでいた。
何が起きたのか分からない。でも、何かが、私を助けてくれた。それだけは確かだった。
「あ、ありがとう…」
何かへお礼を言う。すると、少しだけ不思議な感覚に包まれた。
((どういたしまして))
そんなことを言われたような気がする。
何か、の正体が知りたい。そう思って自分の周りに集中しようとし———
「誰かいるのか!!」
誰かが遠くの方で叫んでいる。こっちに走ってきているようだ。
…っ!バレたらやばいっ!!
急いで自分の部屋の側に生えている木を登る。あともう少しで、窓に手がかけられる——
ーズルッー
足が滑った。
「きゃぁ!?」
そして木から落ちる。
いてててて、と顔を上げると、暗くて顔はよく見えないが、誰かが私の顔に剣を向けているのは分かった。
「貴様は誰だ。何をしようとしていた。」
冷たい声で私に問う。
えっ、どうしたらいいの??正直に話す??今駆けつけてきたってことは、さっきの光に気づいてってことかしら…?魔法使えるってバレたら大変よね…?お父様に言いつけられたらどうしましょう…。
「おい、いい加減に答えろ。」
なかなか答えないで、あたふたしている私にイラついたのか、右手に持っている剣を私の首元に当て、左手でぼぉっと火の玉を作る。
お互い、顔がよく見える。
剣を向けているのは、私より少し年上に見える青年だった。
えっ、今、魔法使った!?すごい気になr…
・・・んん???あれ、確か、この人…
もしかして、ルーク…??
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